
ダウ平均はアメリカの株価指数で、代表的な銘柄の株価を基準に算出されています。ダウ平均をチェックすると何が分かるのでしょうか?またダウ平均をチェックして海外投資を行う場合の注意点として、為替変動リスクについても確認しましょう。
ダウ平均とは?アメリカを代表する株価指数の一つ
1896年に算出を始めたダウ平均は、1929年の大暴落や1987年のブラックマンデー、2008年のリーマン・ショックなど数々の金融危機を経て現在に至ります。ただし常に波乱続きだったわけではなく、アメリカの経済成長とともに大きく成長しているのが特徴です。ダウ平均がどのような株価指数なのか、基本的な知識を解説します。
ダウ平均は産業構造を反映した大型株30銘柄で構成
ダウ平均には複数ありますが、中でも最も重要なのが『ダウ・ジョーンズ工業株価平均』で、『ダウ平均株価』『NYダウ』とも呼ばれています。アメリカを代表する30銘柄により構成されており、アメリカの株式市場の動きを知るには欠かせない指標です。
日本の株式市場の動きにも影響を与えるため、アメリカの株式はもちろん国内株式に投資したいと考えている人にも役立ちます。
30銘柄はどのように選出されるのか
ニューヨーク証券取引所とNASDAQに上場している企業から選出された30銘柄で構成されるのがダウ平均です。30銘柄は以下を基準に選ばれています。
- 成長性があり知名度が高いこと
- 多くの投資家が注目していること
- アメリカで設立され本社があること
- 売上高の大半をアメリカ国内で生み出していること
この基準を基に選ばれた30銘柄には、ビザやウォルマートなど工業株には分類できない銘柄も含まれています。これは、ダウ平均が時代の流れに合わせて銘柄の入れ替えを行っているためです。
ダウ平均の計算方法と日本経済への影響
アメリカを代表する30銘柄で構成されるダウ平均は、どのように算出されるのでしょうか?また日本の経済や株式市場は、ダウ平均の影響を受けやすい特徴があります。なぜ影響を受けやすいのかという点もチェックしましょう。
ダウ平均の算出方法
『株価平均型』に分類される独自の『ダウ式平均株価』で算出されるのが、ダウ平均の特徴です。『構成銘柄の株価合計÷構成銘柄数÷除数』に当てはめて計算します。
ダウ式平均株価では、銘柄の入れ替えや株式分割、新株発行などが発生した場合、除数を修正します。これを修正することにより、指数の連続性を保つ仕組みです。
日本経済や日経平均株価への影響度
ダウ平均は日経平均株価にも影響を与えます。日米の経済的な結び付きが強いことはもちろん、日本株に投資している投資家の多くが外国人投資家であることも関係しているでしょう。
そのためダウ平均がどのような値動きをするかによって、日本株を購入するか否かを決める投資家が少なくありません。例えばダウ平均が安定的に成長している局面では積極的な投資判断が行われやすく、日本株を購入する投資家が増える傾向です。
反対にダウ平均が低迷しているときには、損失の穴埋めのために保有している日本株を手放す動きが進みます。
海外投資に伴う為替変動リスクも理解しておこう
海外投資にチャレンジするためにダウ平均をチェックしている場合には、『為替変動リスク』にも注意しましょう。株式投資で利益が出たとしても、獲得した外貨を日本円へと両替する際に損失が出る可能性があります。
為替差損益とは
日本円と外貨を両替するときのレートが為替相場です。為替相場は日々変動しているため、日本円を外貨にしておくだけで利益が出たり損失が出たりします。これが為替変動リスクです。
例えば1ドル=100円のタイミングで10万円をドルで預金すると1,000ドルになります。この後、円安が進み1ドル=120円になったときに1,000ドルを日本円へ両替すると12万円です。このケースでは、外貨預金として預けておくだけで2万円の為替差益が得られました。
反対にドルで預金した後に円高が進むと、為替差損が発生します。外貨建てで海外投資をする場合には、株価の変動に加えて為替相場の動きにも注意しなければいけません。
為替変動も見据え手軽な積立投資から始めよう
海外投資に取り組むに当たり、為替変動リスクや株価変動リスクを完全になくすのは困難です。ただし『積立投資』であれば、リスクを軽減できます。
定期的に金融商品を買い増していく積立投資であれば、株価が高騰したタイミングで購入してしまい損失を出すリスクを下げられます。株価に左右されずに積み立てを続けることで、株価変動リスクを小さく抑えられる方法です。
また積立投資に取り組む際に購入する金融商品は、投資信託がよいでしょう。一つの銘柄に資金を集中させると、その銘柄の値動きに資産状況が大きく影響されます。
複数の銘柄をパッケージ化している投資信託は、購入するだけで複数の銘柄へ投資できるため、リスクを抑えやすい商品です。
リスク分散にはドル・コスト平均法も有効
『ドル・コスト平均法』は、一定の金額で金融商品を定期的に購入し続ける方法です。例えば投資信託を毎月1万円ずつ購入すると決めたら、株価が高いタイミングでも安いタイミングでも買い増します。
この方法では株価が上がっているときには購入できる量が少なく、下がっているときには多くなるため、全期間を通して見ると平均購入単価を低く抑えやすい方法です。長期間続けることで、リスクを抑えつつ投資に取り組めるでしょう。
構成/編集部