今夏は節電要請が出されるほど、電力が逼迫。集中豪雨などの災害で、いつ停電が起こるのかもわからない。そんな時の電力確保のために用意しておきたい発電機を、防災アドバイザーの高荷智也さんの意見も交えながら、ガソリン/カセットガス/太陽光などのタイプ別に紹介する。
防災アドバイザー 高荷智也さん
「自分と家族が死なないための防災対策」をわかりやすく伝えることに定評がある。防災関連の執筆や企業コンサルまで行なっている。
ガソリンタイプ
「発電量(出力)や連続運転時間の面で、最も安心できるのがガソリン式の発電機です。停電時などでも絶対に電気が必要という人には1番のおすすめ。その反面、屋内では使えず、燃料備蓄やメンテナンスの手間が圧倒的にかかります。業務用途やアウトドアなどで、日常的に発電機を使う機会が多い人に向いているといえるでしょう」(高荷さん)
【使いこなしポイント】ガソリン購入時は本体に直接給油
ガソリンは悪用防止のため、気軽に購入することはできなくなっている。発電機本体をガソリンスタンドへ持参し、直接給油するのが最もスムーズな購入方法だ。
携行缶での購入時は身分証明書が必携
携行缶を持参してガソリンを購入する場合は、身分証明書の提示や使用目的の用紙記載が必要。
エンジンオイルの使用前確認は必須!
ガソリンとともにエンジンオイルは必須。使用前に必ず、適量か、汚れていないかを確認する。
レンタルにも対応した使いやすいモデル
プラウ『インバーター発電機 GP18iE』9万9800円(年間レンタル2万3760円/月当たり1980円)
ロープを引っ張るリコイルスターターのほか、セルスターターを搭載。正弦波の電気を1800Wの出力で供給可能。PCから炊飯器やエアコンまで動かせる。1年間のレンタルプランなら、毎年、整備された発電機と交換でき、メンテナンスの手間が省ける。
[定格出力]1.8kVA(1800W) [定格連続運転時間]3.5時間(エコスイッチOFF)/8時間(エコスイッチON) [燃料タンク容量]無鉛ガソリン 4.2L [主な出力端子]直流:USB×2(5V/2A)、交流:コンセント×2(100V/合計18A) [騒音値]92dB(保証騒音値) [サイズ]W320×H430×D530mm [重量]26kg
出力も燃料の残量もアプリで一目瞭然!
専用アプリで出力状況が把握可能。総運転時間も確認できメンテナンス時期の目安となる。
キャスター付きで移動がラク!
本体の重さは26kg。キャスターを備えるので、ちょっとした距離ならラクに動かせる。
ONもOFFもリモコン操作でOK!
デイトナ『静音型インバーター発電機 デイジェネ1900e』10万4800円
ガソリン式の発電機としては小ぶりながら1900Wの出力を実現。同出力の発電機を並列接続でき、より高出力を得られる。操作パネルに備わるディスプレイにより、出力状態や動作時間などをチェックしやすい。
[定格出力]1.9kVA(1900W) [定格連続運転時間]4時間(75%負荷時)/5.7時間(50%負荷時)/7.9時間(25%負荷時) [燃料タンク容量]無鉛ガソリン 4L [主な出力端子]直流:シガーソケット×1(12V/8.3A)、交流:コンセント×2(100V/合計20A) [騒音値]66dB [サイズ]W340×H510×D485mm [重量]22.7kg
セルスターターを搭載し、本体のボタンを押すだけで始動できるほか、付属のリモコンでも始動や停止操作が行なえる。正弦波での電力供給が可能なため、PCやその周辺機器など、デリケートな機器をつないでも安心だ。
Review
今回試したプラウ『インバーター発電機 GP18iE』のようなガソリンタイプの発電機は、筆者が時々使っているエンジン式の草刈り機と、基本的なメカニズムは同じ。いざ使ってみると、エンジンオイルや燃料をセットした後に「始動」ボタンを奥までグッと押し込むと、ブルルルル……とエンジンが回り始めた。Wi-Fiで本機と接続したスマホのアプリで、発電機の出力状態などをモニタリングできる点は、初めて使う人にとって心強い。ガソリンタイプならではの高出力も魅力で、コンパクトな冷蔵庫も作動。飲み物をしっかり冷やせる。アウトドアシーンにも十分使えそう。
気になったのは、お世辞にも静かとは言えない作動音。使用する際は近隣への迷惑などを十分に考慮したほうがよさそうだ。
始動時はチョークを引き、始動ボタンを押すだけ。それで動かなければリコイルスターターを数回引っ張る。
エンジン始動後にポータブル電源を接続し、発電量をチェック。263Wまで上がった(無負荷時)。
取材・文/河原塚英信
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年6月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。