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「歌ってみた動画」はなぜOK?覚えておきたい著作権と著作隣接権の違い

2022.08.22

2000年代にニコニコ動画から流行した「歌ってみた」動画は、YouTubeなどの動画プラットフォームの発展やプロシンガーの算入などにより、今や一大文化の様相を呈しています。

「歌ってみた」動画は無数に投稿されていますが、本来は著作権等に関する権利処理が必要です。

YouTubeやニコニコ動画など、プラットフォーム側の取り組みによってだいぶ簡略化されましたが、依然として投稿者側での手続きが必要となるケースもある点にご注意ください。

今回は、「歌ってみた」動画と著作権等の関係性や、権利処理に関する注意点などをまとめました。

1. 「歌ってみた」動画について注意すべき「著作権」と「著作隣接権」

「歌ってみた」動画に関しては、「著作権」と「著作隣接権」という2つの権利が問題となります。

1-1. 著作権

著作権は、音楽などの著作物を創作した人(著作者)に認められる権利です。著作者は、著作物について一定の行為をする権利を専有します。

「歌ってみた」動画については、著作権のうち、主に以下の3つの権利が問題となります。

①演奏権(著作権法22条)

著作物を、公衆に聞かせることを目的として演奏する権利です。

②公衆送信権(同法23条1項)

著作物をインターネット上にアップロードする権利です。

③翻案権(同法27条)

著作物を翻案(改変、アレンジ)する権利です。

1-2. 著作隣接権

著作隣接権は、著作物の流通に関して重要な役割を果たす事業者等に認められる権利です。音楽CDなどの原盤を制作した者には、レコード製作者として著作隣接権が認められています。

「歌ってみた」動画について問題となるレコード製作者の著作隣接権は、主に以下の2つです。

①複製権(著作権法96条)

レコード音源を複製する権利です。

②送信可能化権(同法96条の2)

レコード音源をインターネット上のサーバーなどにアップロードして、公衆に送信し得る状態にする権利です。

2. YouTubeやニコニコ動画では、「歌ってみた」の権利処理はどうなっているのか?

YouTubeやニコニコ動画などでは、著作権については包括的な権利処理が行われています。その一方で、著作隣接権については個別の権利処理が必要となる点にご注意ください。

2-1. 有名動画サイトの多くは、JASRACなどと包括契約を締結している

YouTubeやニコニコ動画などの動画プラットフォームでは、「歌ってみた」動画の投稿数が非常に多いため、ユーザーの利便性の観点からJASRACやNexToneなどの著作権管理団体と包括契約を締結しています。

包括契約に基づき、動画プラットフォーム側がJASRACなどにまとめて音楽使用料を支払います。そのため、包括契約に定められた方法により制作された「歌ってみた」動画については、投稿者がJASRACなどから個別の許諾を得る必要がありません。

なお、JASRACが管理楽曲の利用に関する包括契約を締結しているサービスは、以下のウェブサイトにて公表されています。

参考:利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧|JASRAC

2-2. 著作隣接権の権利処理は別途必要

JASRACなどの著作権管理団体は、著作権の管理を受託しているものの、著作隣接権については管理していません。

したがって、「歌ってみた」動画が著作隣接権によって保護される行為を含む場合には、レコード製作者から個別に許諾を得る必要があります。

3. 「歌ってみた」動画を許諾なしでアップロードできる場合・許諾が必要な場合

JASRACの管理楽曲については、「歌ってみた」動画を許諾なしでアップロードできる場合と、許諾が必要な場合はそれぞれ以下のとおりです。

なお、NexToneでは異なるルールが適用される可能性があるほか、著作権管理団体に著作権の管理が委託されていない楽曲については、常に著作権者の許諾を得る必要がある点にご注意ください。

参考:動画投稿(共有)サービスでの音楽利用|JASRAC

3-1. 許諾なしでアップロードできる場合

以下のいずれかに該当する「歌ってみた」動画については、著作権・著作隣接権に関して、投稿者側で許諾を得ることなく、包括契約の対象サービス上にアップロードできます。

・自分で作成した音源のみを利用したライブ配信で、アーカイブ視聴できないもの(個人・団体を問わない)
・自分で作成した音源のみを利用した、個人ユーザーがアップロードする動画(アーカイブ視聴できるライブ配信を含む)
・自分で作成した音源で内国作品のみを利用した、個人ユーザー以外がアップロードする動画(アーカイブ視聴できるライブ配信を含む)

3-2. 許諾が必要な場合

これに対して、以下のいずれかに該当する場合には、JASRACまたはレコード製作者との関係で権利処理の手続きが必要となります。

①レコード製作者が権利を持つCD音源などを利用する場合
→著作隣接権を持つレコード製作者の許諾が必要です。

②外国作品を利用した、個人ユーザー以外がアップロードする動画(アーカイブ視聴できるライブ配信を含む)
→JASRACとの関係で、ビデオグラム録音の手続きが必要とされています。

参考:DVD・Blu-rayなど映像ソフトの製作|JASRAC

③企業や団体、商品やサービスの宣伝・広告に該当する動画(アーカイブ視聴できるライブ配信を含む)
→JASRACとの関係で、広告目的複製の手続きが必要とされています。

参考:広告での音楽利用|JASRAC

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
https://twitter.com/abeyuralaw


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