「外付けディスプレイ」というものが普及している。筆者自身、@DIMEでも他のメディアでも外付けディスプレイについての記事を入稿している。
が、世の中にはいろいろな技術者がいるもので、「外付けディスプレイ? そんなもんは最初っからノートPCにくっ付けちまえばよくねぇか?」と考える人物もいるらしい。
それはまぁその通りなのだが、ASUSの『Zenbook Pro 14 Duo OLED』は本当にそれを実現してしまった製品である。
12.7インチサブディスプレイが「グワッ!」と
メインディスプレイとキーボードの間にサブディスプレイ。『Zenbook Pro 14 Duo OLED』の見た目は、かなり奇抜なものだ。
今回はこの製品の下位版を、レビュー記事執筆のためにASUSからお借りした。これはインテルCore i7-12700Hプロセッサーと、その内蔵グラフィックであるインテルIris Xeグラフィックスという組み合わせ。
上位版はインテルCore i9-12900HプロセッサーとNVIDIA GeForce RTX 3050 Tiグラフィック。ミドルレンジクラスのゲーミングノートPCに並ぶスペックだ。
本当は上位版を借りる算段だったが、今現在メディア向けに貸せるのは下位版のみという回答だった。残念!
それはともかく、早速使ってみよう。天板を開くと、例のサブディスプレイが「グワッ!」という具合に登場する。
メインディスプレイは14.5インチで、サブディスプレイは12.7インチ。どちらもタッチパネルで、しかも120Hz対応!
ただ、当然ながらサブディスプレイの分だけキーボードがいささか圧迫されている具合も見て取れる。平均的な14インチノートPCよりも、キーとキーとの間隔が狭い。
もっともこれは、筆者の太くて短い指が感じた「狭い」でもある。女性の手なら、むしろちょうどいいかもしれない。現にこの記事の原稿は『Zenbook Pro 14 Duo OLED』で書いているが、特に問題は発生していない。
複数タブを開きながらの作業に最適
この記事は、ASUS公式サイトを見ながら書いている。
『Zenbook Pro 14 Duo OLED』のスペックについて、サイトを確認しつつキーボードを叩いているわけだ。
このあたりについて誤植をやらかすと、メーカーの広報担当に指摘されてしまうこともある。
「内蔵グラフィック」を「内臓グラフィック」と書く誤植は筆者が恥をかけば済む話だが、製品スペックや製品名、型番に関しては間違えるわけにはいかないのだ。
メインディスプレイにGoogleドキュメント、サブディスプレイにASUSの公式サイトを表示させた状態で記事を執筆する。
実際に使ってみれば分かるが、これはメチャクチャ便利!
サブディスプレイは若干傾斜しているため、座った姿勢から眺めても苦にならない。
メインディスプレイからマウスカーソルをそのまま下に滑り込ませれば、サブディスプレイのマウス操作が可能に。この心地良さは癖になる!
おまけに、このディスプレイは前述のとおりタッチパネル。マウスを手放して、より直感的な操作もできるというわけだ。
こ、これはすごい! てか、ASUSから借りてるこの製品、できれば返したくない!
仕事をサボっちまおう!
そんなワガママをこじらせつつ、『Zenbook Pro 14 Duo OLED』をさらにいじくり回してみる。そのうちに筆者は、「これは仕事の合間のサボりにも使えるんじゃないの?」と考えるようになっていた。
サブディスプレイにゲーム画面を映して、その状態で遊ぶという使い方だ。
かなり極端な横長ディスプレイだから、それに適したゲームと適さないゲームの温度差はあるだろう。
が、ディスプレイがふたつあるということは、それぞれを「仕事用」と「サボり用」に振り分けることができるということでもある。
もちろん、ゲームではなく動画を視聴する目的でサブディスプレイを活用するというのもアリだ。
この見た目なのに2kg未満!?
今回レビューした『Zenbook Pro 14 Duo OLED』Core i7-12700H版のメモリは16GB、ストレージはSSDS512GBである。
上位のCore i9-12900H版のそれは、32GB/SSD1TB。こうして比較すると、やはり上位版を取り寄せられなかったことが悔いに残ってしまう。
いや、これはマジでゲーミングスペックじゃないか!
もうひとつ注目すべきは重量。下位版は約1.7kg、上位版は約1.75kgだ。サブディスプレイの分だけ見た目は重そうだが、実際は2kgに満たない。これは持ち運びにも便利なはず。
メーカー小売希望価格は、下位版が32万9,800円で上位版が39万9,800円と、やはりディスプレイがもうひとつあるだけ割高になってしまっている。しかし、それも個々の考え方次第かもしれない。
筆者としては、メインディスプレイのリフレッシュレートを144Hzにしてくれれば尚良である。
Steamで購入したPCゲームもプレイする筆者だから、仕事だけでなくプライベートでもガッツリ使えるものになればそれに越したことはない。
いずれにせよ、『Zenbook Pro 14 Duo OLED』は働き方の在り方すらも変えるかもしれない斬新なノートPCである。
【参考】
Zenbook Pro 14 Duo OLED-ASUS
取材・文/澤田真一