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英国から上陸した話題のスケルトンスマホ「Nothing Phone (1)」は日本の市場に新しい風を吹き込めるか?

2022.08.21

イギリスの電子機器メーカー「Nothing Technology」は、メーカー初となるAndroidスマートフォン「Nothing Phone (1)」を2022年7月にグローバル市場にて発売。日本でも、2022年8月に販売開始、執筆時点(2022年7月下旬)では、メモリ8GB+ストレージ256GBの価格が6万9800円からと発表されています。

Nothing Technologyとしては、2021年8月に、完全ワイヤレスイヤホン「Nothing Ear (1)」を日本でも発売。

Nothing Technology のCEOであるカール・ペイ氏は、「スマートフォン市場は、目新しい製品がない市場になっており、消費者は最新のプロダクトに興味を示さなくなってきている」と話しており、「これまでのアプローチとは違う」スマートフォンの開発にこだわったとのこと。

新発売となるNothing Phone (1)は、独特な背面デザインや、独自OS(Androidベース)を搭載するなど、一般的なAndroidスマートフォンとは違う、個性的な要素がふんだんに詰め込まれた端末。同社のコンセプトが存分に反映された製品ともいえます。

本記事では、そんなNothing Phone (1)を実際に試しながら、特徴的なデザインやソフトウエアの使用感、カメラ性能などを紹介していきます。

デザイン・ディスプレイ

Nothing Phone (1)最大ともいえる特徴が、背面のスケルトンボディ。内部のコイルなどパーツが見えるようにデザインされており、近年のスマートフォンとは一線を画すものに仕上がっています。

また、背面にはミニLEDライトを多数内蔵しており、電話の着信やメールの受信、充電といった動作によって光り方をカスタマイズできる仕組みを採用。スケルトンボディだからこそできたデザインとなっており、写真撮影時のセルフライトとしても活用できます。

ディスプレイはフラットタイプで、6.55インチの大画面有機ELを採用。HDR10+表示や、最大120Hzのリフレッシュレート、最大240㎐のタッチサンプリングレートに対応しています。個性的な端末ではありますが、大画面や高リフレッシュレートなど、近年のトレンドをしっかりと抑えたディスプレイ性能となっています。

ディスプレイ同様、側面もフラットなデザインとなっており、右側面に電源ボタン、左側面に音量調節ボタンを搭載。統一感のあるフラットなデザインや、ボタン類の配置は、iPhone 13シリーズに近い印象を受けます。ディスプレイサイズを考えると、iPhone 13 Pro Maxが最も近いサイズ感ですが、iPhone 13 Pro Maxが質量238gなのに対し、Nothing Phone (1)は193.5gと軽量な仕上がりなので、持った感触はかなり違います。

Nothing Phone (1)(左)とiPhone 13 Pro(右)

カメラ

背面カメラは、50MPのメイン(広角)カメラ、50MPの超広角カメラの2眼構成。多少の出っ張りはありますが、近年のスマートフォンとしては控えめ。フロントカメラは、16MPのシングルカメラとなっています。

以下は、Nothing Phone (1)にて撮影し、サイズの調整のみを行った写真。色味の加工などは行っていないものになります。

超広角

2倍ズーム

20倍(最大)ズーム

カメラの構成としては、近年のミドルレンジスマートフォンの中でも控えめな印象ですが、光をしっかりと取り込み、明瞭な写真が撮影できています。最大倍率(20倍)のデジタルズームは、さすがに画質の劣化が見られますが、文字を視認できるレベルに収まっているので、十分実用的といえるでしょう。

夜景モードでも、明暗のはっきりした、精細な写真が撮影できました。AIを使った補正も強くかかっている印象で、スマートフォンならではの、手軽さときれいさが楽しめる、バランスの良いカメラに仕上がっています。

また、写真撮影時にはボディ背面のLEDライトが意外な活躍をします。一般的なスマートフォンに搭載されているライトは、一点から強烈な光を発するため、被写体全体に明かりが広がらないという弱点がありますが、背面を幅広く照らすことができる本端末では、ふんわりと全体を明るくできるので、きれいな写真を撮影しやすくなっています。

スペック・ソフトウエア

搭載CPUはSnapdragon 778G+というもので、ミドルレンジスマートフォンとしては十分な処理性能。実際に試していても、アプリの起動はスムーズで、動作も安定しています。3Dグラフィックを伴うアプリゲームなどでは、カクつくシーンも見られますが、多くの人が満足できる操作性でしょう。

メモリ、ストレージの構成は、8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GBの3パターンが用意されています。最小構成の8GB+128GBでも、ミドルレンジスマートフォンとしては十分大容量といえます。

バッテリーは4500mAhと、目立って大きいわけではありませんが、必要十分でしょう。使用していても、バッテリー持ちが悪い印象はありません。また、33Wの急速充電や、15Wのワイヤレス充電(Qi規格)にも対応しています。

日本市場へのローカライズは少し物足りない部分もあります。防水防塵性能はIP53と必要最低限に留まっており、おサイフケータイ機能も(FeliCa)も非搭載。メーカー初のスマートフォンでもあるので、ここは次世代以降での対応に期待したいです。

搭載OSは、Android 12をベースとした自社開発OSである「NothingOS」を採用。コントロールパネルのデザインや、独自開発のフォントなど、カスタマイズされている部分もありますが、大まかな操作は、ベースとなったAndroid 12と変わらないため、これまでAndroidスマートフォンを使ってきた人であれば、迷うことなく使用できるでしょう。

コントロールパネルのデザインも独自にカスタマイズされている

スケルトンボディはスマートフォン市場に新たな風を吹き込めるのか

独特なスケルトンボディをひっさげ、Nothing Technology初のスマートフォンとして登場したNothing Phone (1)。一見、“色物”とも思えるデザインではありますが、カメラ性能や各スペックを見ると、価格に見合ったバランスの良い端末に仕上がっていることがわかります。

冒頭でも触れた通り、Nothing Phone (1)は、似た製品が並ぶスマートフォン市場に待ったをかけるべく、これまでとは違うアプローチから開発された端末。同じように、「画一的になりつつある近年のスマートフォンに、選択の自由をもたらす」ために、2021年11月に発売された「BALMUDA Phone」は、発売当初から大きな話題を呼びました。

メーカー初のスマートフォンという意味でも、Nothing Phone (1)とBALMUDA Phoneは共通。ただし、BALMUDA Phoneは、独自アプリの開発コストなども相まって、メーカー版でも10万円強と、少し手を出しにくい価格設定だったのに対し、Nothing Phone (1)は8GB+256GBモデルで6万9800円と良心的。ミドルレンジスマートフォンとしてのバランスの良さと独特なデザインが魅力の製品となっているので、人とは少し違う、オリジナリティのあるスマートフォンが欲しいという人は、ぜひ手に取ってみてください。

取材・文/佐藤文彦

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