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組み立て体験で実感!パナソニックのビジネスモバイルPC「レッツノート」の頑丈すぎる構造

2022.08.19

1996年に誕生したパナソニックのビジネスモバイルPC『レッツノート』。25周年となる2021年にリリースした『CF-FV』シリーズは、画面のアスペクト比が3対2で縦方向に表示領域の広い14型ディスプレイを、省スペースなボディーに搭載する人気モデルだ。そんな同機種の組み立てを体験できるイベント「手づくりレッツノート工房2022」が、去る8月6日に行なわれた。当日の模様とともに、組み立て体験を通じて筆者が実感した『CF-FV1』の〝細かすぎる〟内部の作り込みについてレポートしよう。

 

「手づくりレッツノート工房 2022」の会場になったのは『レッツノート』が生産されている兵庫県神戸市の神戸工場。広い敷地内では、CPUやメモリーを基板に実装していく工程をはじめ、組み立て、各種検査、企業によって異なる発注に合わせたコンフィグレーションなどが行なわれている。

小中高生を対象とする「手づくりレッツノート工房」が始まったのは2002年。これまでに19回行なわれきた恒例イベントだ。前回2019年から約3年ぶりとなった今回は20回目に当たり、関東、近畿、中国、九州の地方から計16名が参加した。

「手づくりレッツノート工房 2022」の開校式では、パナソニック コネクト株式会社の坂元寛明さん(理事長/写真左)、矢吹精一さん(校長/写真中)、池田敢那さん(工房長/写真右)が、16名の生徒に挨拶。タイムスケジュールなどが説明された。

開校式の途中から、レッツ博士、ろぼみ、ぶーすけという〝お笑い担当(!?)〟の3人組が登場し、参加者が組み立てる『CF-FV1』の特徴について、おもしろおかしく解説。緊張気味な参加者は自然と笑顔に。

早速、組み立てにチャレンジ!普段は見られない『レッツノート』の中身が精密すぎる

開校式の終了後には特設スペースへ移動。筆者を含めた参加者のテーブルには、組み立て途中の『CF-FV1』本体が、ねじや円形トラックパッドなどのパーツとともに並べられていた。『CF-FV1』に取り付けるパーツは、大きさや長さが異なるねじが6種類と、そのほかの材料12種類。

組み立ては、目の前に張られた説明を確認しつつ進めていく。参加者ひとり一人に先生が付き、マンツーマンでサポート。わからないことがあっても、すぐに質問できるというわけだ。

【工程1/冷却ファンの取り付け】

冷却ファンには、CPUが発した熱を逃がすヒートパイプや、内部に風を送り込んだり熱を放出したりする回転部など、デリケートな部品が付いている。そのため、丁寧に取り扱わないといけない。先生に見守られながら、取り付ける位置に優しくセットしつつ、2種類のねじでしっかりと固定する。

【工程2/配線】

冷却ファンの取り付け後には、各種ケーブルを配線する。極小の回路などがひしめき合う基板の上で、細いケーブルをケーブルガイドという突起の下に通すという、なかなかのデリケートな作業。中には、狭いスペースに指先をうまく入れられず、ケーブルガイドの奥まで通せないケーブルも……(脇汗)。PCを組み立てるのは本当に大変だ。

【工程3/シートなどの貼り付け】

次に、配線したケーブルや基板上の回路を、シートとテープで固定していく。これにより、衝撃や圧力が加わったとしても、ケーブルがずれたり回路からケーブルが外れたりしにくくなるとのこと。レッツノートの頑丈な作りは、こんなところにまで徹底されている。

【工程4/ボトムケースなどの取り付け】

内部パーツの組み込みが終了したら、ボトムケースという底面部分とともに、それに関連する細かいパーツを取り付ける。ボトムケースは、DCジャックやパワースイッチの位置を確認しながら慎重にかぶせた後、複数のねじでしっかりと固定。ねじを止める順番などがよく考えられていて、ボトムケースがずれたりたわんだりしないようになっている。なお、今回の体験では手回しの精密ドライバーが用意されていたが、日頃の生産時には作業効率を重視し、電動ドライバーを使っているそうだ。

【工程5/タッチパッドの取り付け】

底面のねじ止めなどが終わったら『レッツノート』の〝アイコン〟といえる、円形タッチパッドの取り付け工程に。中でも、本体から伸びるフレキ(フレキシブル基板)と、裏返したタッチパッドをつなぐ際には、慎重な作業が必要。接合部の小さなパーツで両者を固定した後、裏返したタッチパッドをゆっくりと戻してトップケースにセットする。

【工程6/ファンルーバーなどの取り付け】

先ほど内部に取り付けた冷却ファン部分をカバーするようにファン ルーバーをセット。裏面に貼られた粘着テープで、ファン ルーバーをしっかりと固定できるようになっている。PCの頑丈性を高める工夫が、随所に施されているというわけだ。ビジネスパーソンから絶大な支持を獲得し、リピーターが多いのもうなずける。最後に、バッテリーを取り付けて、組み立ては完了!

ねじ止めなどの一部作業にやや手間取っていた参加者がいたものの、マンツーマンで付いている先生のおかげで、全員無事に組み立てられたようだ。

【工程7/製品検査】

参加者全員で電源が入ることを確認した後、カメラ、キーボード、タッチパッドがしっかり作業するかどうかもチェック。筆者の『CF-FV1』も問題なく作動し、検査も無事に完了した。

神戸工場長・矢吹さんにいわく、筆者を含めて参加者が体験した「手づくりレッツノート工房」の組み立てメニューは、毎回、組み立てやすさなどをよく考えて決められているそうだ。

「今回組み立ててもらった『CF-FV1』は、ビデオ会議の用途などを考慮してステレオスピーカーを備えているほか、円形タッチパッドを大型化させて使いやすくしています。そんなステレオスピーカーや円形タッチパッドが、どのような配線になっていて、どんな構造なのか、組み立てながら実感してもらえるようにしました。参加者された小中高生のみなさんには、自分が組み立てた『CF-FV1』を、持ち帰って頂くことになっています。組み立て体験を思い出しつつ『CF-FV1』の特徴を実感して頂きたいですね」(矢吹さん)

ちなみに筆者が体験した組み立てと検査のダイジェスト動画がこちら

参加者を楽しませる創意工夫が午後の部も盛りだくさん!

組み立ての後には、ブロックで組み立て工程を〝カイゼンする〟体験、ARグラスを使った買い物クイズ、工場内施設の見学が行なわれた。

ブロックを色分けしたり順番どおりに並べたりといった工夫により、効率よく積み上げられるようになる〝カイゼン〟の体験コーナー。何もアドバイスを受けなかった1回目に比べて〝カイゼン〟のヒントをもらった後に参加者が積み上げられたブロック数は激増。中には16個も増やせた参加者もいたほど。〝カイゼン〟の効果はテキメンだ。

続いて、ARグラスの買い物体験コーナーへ移動。会場内に並ぶテント、イス、大きな団扇などに貼られた二次元バーコードをARグラスで読み込み、同グラス上に表示されたアイテムの値段を〝ゴチバトル〟のように予想しながら、予算内と思われる範囲で疑似的な買い物を楽しむというユニークな企画だ。参加者は簡単な説明を受けただけでARグラスを難なく使いこなしていた。近頃の小中高生のITリテラリーは高し!

『レッツノート』シリーズとともにパナソニックで生産されている頑丈PC『タフブック』シリーズが、アメリカの警察車両に導入されている実用例も紹介された。参加者はアメリカの警察車両を間近で見られ、乗車もできるレアな体験を楽しんでいた。

神戸工場内には、マイナス40℃から80℃までの環境を作り出して『レッツノート』や『タフブック』の使用テストを行なう試験室を用意。この日は0℃に設定されており、入室した参加者からは「寒ッ!」という心の声が聞こえてきた気がした。

高さ120cmから『タフブック』を底面落下させる試験のデモも実施。「ドーン!」という大きな落下音が響いた後、そんな衝撃もものともせずに電源が起動する『タフブック』の頑丈さに、参加者一同は拍手!

次に移動した工場内のフロアで並んでいたのは、PCの基板にCPUやメモリーなどの回路を実装していく機械。あらかじめプログラミングされた位置に、特定の部品を自動で配置していく仕事ぶりは圧巻! 回路を実装する際にペースト状のはんだを基板に塗る機器、ハンダを冷却して回路などを基板に固める「リフロー炉」、基板の動作チェックを自動的に行なう双腕のロボットも用意されており、人がいなくても、24時間の生産体制が取れるようになっている。

自動化といえば、回路などを実装した基板をはじめ、製造に必要な資材を自動搬送するロボット「Automatic Guided Vehicle」も導入済み。まるでロボット掃除機のように、あらかじめ設定されたルート上を、迷ったり止まったりすることなく走行するなど、実に賢い!

工場見学の終盤、報道陣だけに披露されたのは、最近導入されたというキーボードの自動試験機。各キーを順番に押し、パンタグラフの状態などを確かめる。エラーを検知すると画面上に表示される仕組みだ。

実際にエラーだと判断されたキーを指で押してみると、確かに、ほんの少しだけ硬いような……。わずかな違和感を検知する精度の高さがスゴイ!

「レッツノート工房」参加者との触れ合いが神戸工場のモチベーションアップにつながっている

工場見学を終えた参加者一同は、自ら組み立てた『CF-FV1』を梱包。液晶ディスプレイやボディーをクロスできれいにし、段ボールに入れていく。

参加者全員のパッケージが済んだら「手づくりレッツノート工房 2022」は無事に閉校。参加者のみなさん、おつかれさまでした!

「手づくりレッツノート工房」は、神戸工場のスタッフにとって、参加者とコミュニケーションが取れる非常に貴重な機会にもなっているそうだ。「実際に組み立ててもらった際に参加者から聞かれた『ここが難しい』『ここはスムーズにできた』などの声は、次の開催に向けてさらに改善するようにしていますし、モノづくりに対するスタッフのモチベーションアップにもつながっているんですよ」(矢吹さん)

『レッツノート』の中身を知ることができ、神戸工場スタッフの〝おもてなし〟が詰まった「手づくりレッツノート工房」。次回は2023年夏に開催される予定なので、小中高生の子供がいて興味のある人は、参加を検討してみてはいかがだろう。

取材・文・写真/田尻健二郎

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