テレビを観ていると、印象に残ったり、気になるCMに出会うことがある。このほど、家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビの「視られている量」を測るTVISION INSIGHTSが、「2022年上半期CMクリエイティブランキングTOP30」を公開した。上半期の中で、視聴者を惹きつけたテレビCMクリエイティブは何だったのだろうか?
この「CMクリエイティブランキングTOP30」は、、2022年1月3日~7月3日に関東で初回放送があり、500GRP以上出稿された15秒CMと30秒CMを対象としている。対象となったCM本数は1156本。
1位はUber Eats「読書」篇〜2022年上半期CMクリエイティブランキング TOP30
1位はUber Eats Japanの『Uber Eats「読書」篇』だった。Uber Eats JapanのCMはTOP30の中に『Uber Eats「帽子」篇』、『Uber Eats「時間内配達」篇』を含む3作品がランクインした。
このCMで、安達祐実さんと芦田愛菜さんが7年ぶりに共演。芦田さんがいつでも好きな読書ができるようにとDIYで作った大きすぎる本棚リュックを、安達さんに自慢するという展開のCMだ。
1秒ごとのクリエイティブスコアの推移から、最も見られたシーンは、安達さんが芦田さんの本棚リュックを怪訝そうに眺めて「な~に、それ」と言う8秒目であることがわかった。
2位は、アイフルの『アイフル「最強女将」篇。人気の女将シリーズで、TOP30の中に、『アイフル「現代文講師」篇』もランクインした。
3位は、任天堂の『Pokemon LEGENDS アルセウス「第2弾」篇』。任天堂のCMは、TOP30の中に4作品がランクインした。
1、2、3位にランクインしたCMは、同企業で複数作品がランクインしていることから、個別のCMだけではなく、ブランドとして人気が高いことがわかる。
TOP30に複数のCM作品がランクインした企業は他に、KDDIとNetflixがあった。それぞれ2作品がランクインしている。KDDIもアイフル同様、シリーズものとして人気を博している。
また、ランクインをしたCMの傾向を商品カテゴリでみると、内食に関するCMが7作品入っていた。一時期のようなステイホームはなくなったものの、家で食事をとる機会はまだ多く、人々の関心が高いことがうかがえる。
CMの内容は、ただ商品訴求をするのではなく、「女優がコミカルな演技をする」「アイドルグループがダンスをする」といったエンターテイメント要素が強いものが多く見られた。
次に多かったのはゲームに関するCMで、5作品がランクインした。8位のソニーインタラクティブエンタテインメント『プレイステーション「遊びのない世界なんて」篇』は、広告・コミュニケーションの祭典『カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2022』内のEntertainment for Music部門でブロンズを受賞した作品。米津玄師さんが出演したCMで、高い評価とともに実際によく見られたCMだった。
最近よく目にするようになった、法人向けサービスのCMも2作品ランクイン。5位のLINE『LINE公式アカウント「角田オーナーのキャンセル対応」篇』と、9位のSky『SKYPCE「名刺情報は会社の重要資産」篇』だ。リモートワークの恒常化に伴い、企業向けサービスを提供する会社のCM出稿も増加している。
クリエイティブスコア(Cスコア)について
ランキングに使用している「クリエイティブスコア(Cスコア)」は、同社独自の指標となっており、クリエイティブを評価するために採用されている。例えば、Cスコアが150のクリエイティブAと100のクリエイティブBがあったとき、放送された番組の影響を除くと、クリエイティブAはクリエイティブBの1.5倍注視されたと評価できる。
構成/オニザワミカ