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FIREを達成した個人投資家に聞いた「FIREを達成するために必要な仲間の見つけ方」

2022.08.16

連載/FIREの向こう側

世はすっかり「FIREブーム」。資産運用でお金を殖やし、「経済的な自由を得よう!」とうたう記事やテレビ番組がずいぶんと増えた。が、それらに現実味を感じることができずうんざりしている人も多いだろう。

どうしてFIRE(Financial Independence,Retire Early)は遠いものに感じてしまうのか――『投資をしながら自由に生きる』の著者で、自身もFIREしたという投資家の遠藤洋さんに、本企画では素朴な疑問をぶつけてみることで「自由に生きる」ための方法を探っていきます。

Question「経済的な自由を得るためにまず何をすべきなのか?」

「会社を辞めて起業をしようと思っています。一人で始めるのがいいのか、パートナーを見つけたほうがいいのか、アドバイスをいただけないでしょうか」(28歳・男性)

Answer「一人でやらなくてもいい。できる人の力を借り、知ってる人に教わる」

日本のコミュニティメンバーと海外で交流することも。「人との関わり」を重視する

会社を辞めて独立しようと考えるとき、一人で黙々とやるのか、誰かと一緒にやるのか。僕は一人でやるのではなく、友人2人と一緒にやれたのは良かったと思っています。

起業した当初は「写真配信サービス」をしようと、そのシステム開発のエンジニアとデザイナーが必要だったんです。僕自身はプログラムを組んだりすることはできないので、それをできる人を探すことから始めました。1人は学生時代の情報系の同級生で、システムエンジニアとして就職していた友人。もう1人は、社会人になってから入った起業塾で知り合った友人で、システム開発系の大手でITエンジニアとして働いていました。僕は起業して何をやりたいかが明確だったので、「自分にはどういう人が必要か」がはっきりしていましたね。

ちなみに、「友人と起業して共同経営するのはよくない」という話を聞いていて、3人だとバランスがいいということで、3人で立ち上げました。

事業転換で友人が離脱…共同経営は難しい

エンジニア2人に対しての自分の役割は「道筋を描く」こと。サービスやシステムの全体像を描いたものを2人にプログラミングしてもらったり、営業活動、お金周りの管理など、製作以外のすべてを僕は担当していました。

そういう形だったため、どうしても僕からエンジニア2人に指示を出すことが多くありました。でも、それでギスギスしたりとかは当初はまったくなくて、売上が立っていないころは、むしろ3人が「絶対に成功させてやる!」って、まとまっていた感すらありましたね。

売上が立たない状況が1年半くらい続いたときに、まだ会社員をやっていた大学時代の同期の友人が抜けたんです。それはもう仕方なかったですね。

最初の写真配信サービスは失敗に終わり、別の事業にいろいろと転換していく中で、一つの事業がある程度軌道に乗ってきました。それはエンジニアとしての役割が少ない事業で、売上が上がって会社の規模が大きくなってくると新しい人を入れたり、エンジニア以外の業務で携わる人も増えてきますよね。

ところが、残った創業メンバーの友人とは、売上高や利益に対して一定割合を報酬として支払いうという決め方をしていたため、右肩上がりの報酬に対して、提供できている価値が釣り合わない状況になってしまい…。1年ほど話し合ったものの、お互いの価値観が結局折り合わず、最終的にはうちの会社でのエンジニアとしての役割は終わったということで、次にまた活躍できるところを求め、彼も抜けることになりました。

一般論になりますが、事業が軌道に乗ってうまくいくようになると、創業メンバーはより多くの報酬をもらえて当然という考えになるのに対し、会社のオーナー側は「自分の価値提供は何なのか」という視点で、事業への役割や働きに見合った報酬を払おうとします。僕自身はビジネスをしっかり大きくしていけば、それが結局は自分の報酬アップに繋がると考えていたのですが、ビジネスを拡大していく過程でかみ合わなくなった感はありました。友人と共同経営する難しさも感じましたね。

ただ、彼とは仲違いしたわけではなく、ビジネスの方向性が変わったことで違う道を選んだだけ。今は二人ともエンジニアやコンサルタントとして頑張って成功しているので、そんな話を聞くと嬉しく思いますね。

一人では限界がある。仲間の力を借りたほうがいい

投資コミュニティでは交流会を行い、仲間と切磋琢磨して成長していく

会社の創業もそうですが、やっぱり自分一人でできることって限界があると思うんです。僕が最初に一人で起業してプログラミングも全部自分でやろうとしていたら、もっと時間がかかったし、次の事業を始めるのも遅くなったかもしれない。仲間の力を借りることができるなら、借りたほうが効率よく事業ができますよね。

また、自分一人で「自分の視点」しか持ち合わせていないのって、すごいもったいないなと思っていて。例えば僕が会社員だった頃、起業なんて生半可な覚悟ではできず、一世一代の大勝負みたいな感覚だったんですが、起業塾に入ったら「会社をつくること」って全然難しくないって知ったんです。

起業塾では普通の会社員なのに自分の会社をつくっているのが当たり前だし、「会社が1社余ってるけど、誰か社長やらない?」みたいな感じの会話もされているんですよ。最初は「会社をあげるって?」「社長ってそんなふうになるものなの?」って感覚だったんですけど、そういう人たちのなかにいるとだんだんわかってきて、起業して会社を持つハードルがすごく下がるんですよね。そういう意味でも、いろいろな関わりを持つのはすごく大事なことだと思いますね。

少年野球と同じように「起業」も人から教わったほうが早い

「自分のできないこと」「わからないこと」に素直になって、わからないなら知っている人に聞きにいくのが一番いいんですよ。これができない人って、けっこう多いんですよね。自分で頑張ってしまって、結局時間かかってしまう人が多い。

僕も投資を始めたときは独学でずっとやっていたんですが、今振り返ると、誰か教えてくる人がいたらもっと早かったなって思います。独学でものすごく時間がかかりましたし、金銭的な失敗もたくさんしたし、失敗しなくてもいい失敗もやってしまった。やっぱり教えてくれる人がいると、すごくラクだなって思いますね。

例えば、少年野球や少年サッカーって、地元のクラブチームなどに入って教わって、練習して上達していきますよね。それが一番早いじゃないですか。勉強や受験だったら、塾や予備校に通いますよね。スポーツや勉強はみんな当たり前のようにそのルートを取るし、教わる環境も整っているのに、こと「起業」に関してはなぜかそういうルートを取ろうとする人ってあんまりいないんですよね。

でも、起業も副業も投資もまったく一緒だと思っていて、自分の一歩先を行ってる人、自分がこれからやりたいと思っていることを既に経験してうまくいってる人、いわゆる「メンター」に教わるのが一番いいと思うんです。その人がお金と時間をかけていろんな失敗をしてくれているんです。その経験豊富な人から話を聞いたり、教えてもらうのが手っ取り早いんです。

今回のまとめ「一人で無理をしない。自分ができないこと、知らないことは人の力を借りればいい」

僕の場合は、「経営の根幹はこの人からすべて学んだ」「集客のノウハウはこの人から教えてもらった」という感じで1人のメンターだけではないのですが、自分が目指す方向性に近いことを実現できている人を見つけるのが成功への近道。次回は「メンターの見つけ方、選び方」についてお話したいと思います。

文/遠藤 洋(えんどう・ひろし)
投資コミュティixi主宰、投資家・自由人。1987年埼玉県生まれ。大学在学中にアルバイトで貯めたお金を元手に知識ゼロの状態から投資を始める。大学卒業後、ベンチャー企業に入社。26歳のときに投資で得た資金を元手に独立。本質的な価値を見極め「1年以内に株価3倍以上になる小型株」へ集中投資するスタイルで、最大18倍、1銘柄だけで億超えのリターンを達成。その投資経験をベースに、経営者、上場企業役員、医師、弁護士、ビジネスパーソンなど、これまで1600人以上の個人投資家を指導し「勝てる投資家」を数多く輩出。現在は投資をしながら1年のうち半分は国内外を旅して自由を謳歌しつつ、次世代を担う投資家や事業の育成に力を入れている。

構成/向井翔太

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