ヤマハが次世代のボート制御システムを搭載したプレジャーボート「SR330」「YFR-27HMEX」「S-QUALO」を発売

2022.08.16

ヤマハ発動機は、次世代ボート制御システム『ヘルムマスターEX（HELM MASTER EX）』を採用してマイナーチェンジした『SR330』、『YFR-27HMEX』、『S-QUALO』のプレジャーボート3モデルの発売を開始した。

『ヘルムマスターEX』の主な特徴

新たに採用された『ヘルムマスターEX』は、ステアリングやシフト操作、スロットル開度などの船外機のコントロールをすべて電子的に制御する『ヘルムマスター』を進化させた次世代のボート制御システム。

『ヘルムマスターEX』は、新機能として「オートパイロット」によるコース維持、方位維持などが可能になる。また定点保持機能「セットポイント」には、新たに「フィッシュポイント」と「ドリフトポイント」が加わり、船外機を自動制御してポイントを維持、船首を特定の方位に維持することが可能になった。

使用目的やボート（船外機）のタイプに合わせてシステムを選択

各種機能を組み合わせた複数のバリエーションから使用目的やボート（船外機）のタイプに合わせてシステムを選択できる。

まず新機能「オートパイロット」は、（1）風や潮の流れの影響を自動的に調整しながらコースを保持する「コース維持モード」、（2）あらかじめ入力したポイントを経由しながら最終目的地までの航行をサポートする「トラックポイントモード」、（3）風や潮流の影響に対して方位を維持する「方位維持モード」、（4）ユーザーが設定した角度でのジグザク航行、円を描いた航行などを可能にする「パターン操船モード」の4つのモードを備えている。

※「オートパイロット」は完全自動操船を行う装置ではありません。また、障害物や浅瀬を回避する機能はありません。操船者は常に操船可能な姿勢をとり、周囲の安全確認を行う必要があります。

自船位置、船首を特定の方位に維持する「セットポイント」では、（1）GPSと連動して微速で前後進を調節しながら自船位置を保持する「フィッシュポイント」、（2）自船位置を維持して艇の向きを固定して風や潮流の流れに乗せることができる「ドリフトポイント」によって、ボートフィッシングにおける利便性が向上。

新デザイン・新ソフトウェアを搭載した「ジョイスティック」は、スムーズで直感的な操作性でボートコントロールを実現。離着岸時や狭い港内での操船時に効果を発揮し、各種モードを継続しながらオートパイロットの微調整とセットポイントでの位置調整を可能にしている。

電子キースイッチ（スマートキー）は、キーレススタート＆ストップが可能で、盗難抑止システムのオン／オフ装置としても使用できる。内蔵型電動ステアリング（ステアリングバイワイヤ：以下SBW）の搭載で、スムーズでスピーディなステアリングのフィーリングを提供。ステアリングポンプ、ホース、油圧ケーブルなどのリギング類を簡素化し、メンテナンス性も高めている。

今回マイナーチェンジしたトレージャーボート各モデルは、外観デザインを一新した新型V6／4.2リッターの船外機を搭載（300馬力/250馬力）しているほか、モデルに応じて内装のカラーリング、シートクッションの素材、ダッシュボードのデザインなどを変更している。

『SR330』の特徴と主な変更点

ボリューム感とスポーティなイメージを併せ持つ流線型の外観デザイン、定員15名がデッキ上に集うことのできる広くて開放的なシートレイアウトが特徴のオープンタイプのスポーツクルーザー。

大人2名が休むことのできる電動スライドベッドを採用したバース（寝台）や空調付きのトイレルーム、デッキにはオーディオ機器や冷蔵庫を標準装備して快適で楽しいボートライフを提供。300馬力の船外機を2基掛けとし、卓越したスピード性能も発揮する。

新型V6／4.2リッターエンジン、新デザイン／全体をホワイトカラーにした300馬力船外機『F300F』および『FL300F』の2基を搭載。

SBWを採用し、『ヘルマスターEX』との組み合わせでスムーズなステアリング操作を実現。『ヘルムマスターEX』は、SBW、オートパイロット、ジョイスティック、電子キースイッチ（スマートキー）を採用。特にクルージング時の操船を楽しく快適にしてくれる。

内装カラーのオプションに新色を追加し、プロペラライトの位置、給油口、陸電用インレットの位置など細部に変更を施している。魚探／GPSなどの機能を持つ12インチのMFD（マルチファンクションディスプレイ）へタコメーターや燃料計などエンジン情報の表示が可能になった。

『YFR-27HMEX』の特徴と主な変更点

ボートフィッシングに求められる釣り機能と走行性能を高次元で実現した27フィートのスタイリッシュなフィッシングボート。スピードや安定性といった基本性能に加え、風流れ抑止性能、後進時の舵効き性能などを高次元で実現。

ワイドなデッキ形状を持つスクエアバウや広いサイドウォーク幅の採用、トランサムデッキの設置などにより、27フィートクラスとしては広々とした余裕の釣りスペースと快適な居住空間を確保した。

新型V6／4.2リッターエンジン、新デザイン／全体をホワイトカラーにした250馬力船外機『F250N』を搭載。SBWによるスムーズなステアリング操作を実現。『ヘルムマスターEX』を採用して、メインコックピットでは、SBW、オートパイロットをデッキ上のアフトステーションに電子キースイッチ（スマートキー）、ジョイスティック、オートパイロットのパネルスイッチを設置している。

魚探／GPSなどの機能を持つ7インチのMFD（マルチファンクションディスプレイ）へタコメーターや燃料計などエンジン情報の表示が可能だ。アフトステーションには、エンジン情報を表示する5インチのカラー液晶ディスプレイを装備。ルームライト、トランサムレールを標準設定。

『S-QUALO』の特徴と主な変更点

スピード、乗り心地、横安定性というそれぞれが相反する要素を高次元でバランスさせたクルージングボート。スクエアバウを採用し、躍動感のあるキャラクターラインを船側に刻むなど存在感の際立つ立体的かつ斬新なフォルムが特長。採光性に優れ、大人5名がゆったりとくつろぐことができるキャビンを備えている。

新型V6／4.2リッターエンジン、新デザイン／全体をホワイトカラーにした300馬力船外機『F300G』を搭載。

『ヘルムマスターEX』を採用。スマートキーとエルゴノミクスデザインを採用し、スピードコントロールやニュートラルホールドなどの機能を備えた新型のリモコンレバーを装備。さまざまなエンジン情報を伝達する5インチカラー液晶ディスプレイ「CL5」を装備。内装は木目調のカラーリングを変更してイメージを刷新した。