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絶妙なセンスが光る!個性を重視する軽ユーザーにおすすめのダイハツ「ムーヴキャンバス セオリーGターボ」

2022.08.17

軽自動車の人気の中心となるスーパーハイト系とハイトワゴン系の中間の車高、両側スライドドアの装備を特徴とするダイハツのムーヴキャンバスが2022年7月5日、2代目へと進化した。新型の特徴は、基本的な”変えようもない”エクステリアデザイン、パッケージングを継承しつつ、ロッキーにも採用されるプラットフォーム=DNGAを採用するとともに、先代にはなかった待望のターボモデルを設定したこと。グレードも、先代の上級グレードのストライプスと標準グレードのモノトーンという展開から一転、モノトーン+メッキ加飾モデルをセオリーと呼び、上級グレードに据え、先代でも圧倒人気だった往年のVWバスをイメージさせる2トーンカラーのストライプスグレードを設定。価格は同グレードなら同じとなる。

セオリーGターボ

ストライプスG

また、先代でも好評だった後席シート下置きラクボックスの用意はもちろん、飲み物を暖めてくれるホッとカップホルダー、ワイヤレス充電機能、スマホを置いたり、テイクアウトをいただく時の簡易テーブルにも便利なインパネセンタートレイ、マスクの収納にもぴったりなインパネアッパーボックス、さらに両側パワースライドドアにさらなる便利機能を持たせ(一部オプション)、先進運転支援機能のスマアシを最大17種類搭載。タフト、2021年のタントのマイナーチェンジから採用されている電子パーキングブレーキ、オートブレーキホールド機能(メモリー付き)まで(G、Gターボ)用意しているのだから、もはや軽自動車トップクラスの装備の充実度を誇っていると言っていい。

新型ムーヴキャンバスは販売も絶好調。7月5日の発売から約1カ月で月販目標台数の6500台の4倍にもなる約26000台の累計注文台数なのだという。ストライプスは想像通り、若年層を中心に幅広い世代の女性に人気で、セオリーのほうは先代ではカバーしきれなかった男性や大人世代にもウケているという。

ここでは、すでにお伝えした新型ムーヴキャンバスのストライプスNAグレードの試乗記に続き、セオリーのターボモデルの試乗記をお届けしたい。

先代モデルはストライプスありきで、そのデザインは女性向けとは言え、キュートかつ新鮮で、存在感あるものだったのだが、モノトーンになるといきなり地味!!ムーヴキャンバスらしさが半減していたように思えた。が、新型のセオリーはボディサイドのメッキパイピングなどによって、モノトーンでもまずまずのデザイン性を持つことになった。ただし、例えばルーフをブラックに塗り分ければ、よりストライプスに対する上級感が発散できると感じたのも本当だ(開発陣に進言済み)。

新型ムーヴキャンバス セオリーのGターボに乗り込めば、ストライプスのホワイト基調としたインパネデザイン、淡いブルー基調のフルファブリックシートの爽やかなイメージに対して、インパネはシックなブラウン×ブラック色となり、シートはデニムのような濃いブルーの生地となる。セオリーはストライプスに対する上級グレードというのが今回の設定だが、筆者は逆に思えた。というのは、ブラウン×ブラックのインパネの樹脂の質感が、むしろ低く感じられたからである(あくまでも筆者の個人的印象)。コストの問題もあるはずだが、上級グレードであればもう少し、質感ある樹脂表皮にしてほしかった、とうのが本音である。

しかし、走り出せば、待望のターボモデルは文句のつけようがなかった。当然、走り出しから一段とトルキーかつスムーズで、市街地、郊外路を含め、エンジンはNAモデルより低回転で済むため、静か。NAでは1人乗車でも動力性性能に不足を感じる坂道の登坂でも、このターボモデルならスイスイと駆け上っていく。途中、アクセルを緩め、再びアクセルを踏むような場面でもトルクのツキがよく、実に走りやすいのだ。しかも、ミッションはCVTながら、エンジン回転だけが先行するようなラバーバンド感は皆無で、ターボ特有のヒュイーンというノイズもまたないに等しく、1.2L級の動力性能を自然に、スムーズに発揮してくれるのだから、あっぱれだ。

今回は高速道路の走行の機会はなかったが、渋滞追従機能付き(0~125km/hで設定可)ACC(アダプティブクルーズコントロール)の装備もあって、快適で疲れにくいクルージング、長距離移動が可能になるはずである。これなら、先代モデルを諦めていた山道の移動が日常的な山間部に住むユーザー、ロングドライブの機会も多い男性ユーザーにもドンピシャなムーヴキャンバスとなりうるだろう。

動力性能で圧倒するセオリーGターボだが、実は乗り心地もセオリーのNAと微妙に異なる。タイヤサイズ、足回りは基本的にいっしょ・・・という開発陣の説明ながら、GターボのほうがNAモデルで感じられた乗り心地の硬さが和らぎ、よりしっとりしなやかでフラットな乗り心地、上質なフットワークテイストを味わせてくれたのだ。タイヤサイズ、足回りは基本的にいっしょ・・・であるならば、考えられるのはターボモデルの車重が20㎏重いことと、試乗車のタイヤの銘柄の違い(ストライプスのNAはダンロップ・エナセーブ、セオリーのダボはブリヂストンのエコピア)だろうか(エンジンのトルクの出方も乗り味に影響するはず・・・)。

@DIMEでの新型ムーヴキャンバスのストライプスNAモデル試乗記で触れられなかった室内空間の広さ、パッケージングについては、先代との大きな違いはなく、広大なままだが、センターメーターをやめ、一般的なメーター位置に変更したことで、インパネセンターに9インチスマホ連携ディスプレーオーディオ、または軽自動車最大級の10インチスタイリッシュメモリーナビも見やすい位置に用意。クルマとスマホを連携させるダイハツコネクトにも対応している。

室内空間の驚くべき広さを身長172cmの筆者の実測で具体的に説明すれば、前席頭上に250mm(先代250mm)、後席頭上に150mm(先代130mm)、膝周り空間に最大325mm(後席スライド位置による/先代350mm)ものスペースがある。特筆すべきは後席のシートサイズで、シート座面長は520mmもあるのだ。日産ルークスの430mm、スズキ・ワゴンRスマイル、ホンダN BOXの480mmからすれば、たっぷりとしたサイズが奢られているのだ。フロアに対するシート位置はそれほど高くはないものの(ヒール段差345mm)、軽自動車らしからぬかけ心地、居心地、広々感を、完全フラットフロアとともに実現、継承していることになる。

もちろん、後席のスライドドアによる乗降性も文句なし。段差のないステップ高は地上約370mmと低い(前席は約315mmと驚異的に低い!!)。

ラゲッジスペースは開口部地上高670mm(段差なし)、奥行き220~480mm(後席スライド位置による)、幅880mm、天井高860mm。後席格納時のフロア奥行きは1100mmに達する(すべて実測。段差、角度があるので、人が横になるのには不向きかも)。

ターボモデルであれば、そうした室内空間のゆとり、ACCを含む高速走行、渋滞時にも威力を発揮してくれる先進運転支援機能=スマアシの充実度もあって、最大4人乗車でのロングドライブもストレスなくこなしてくれるはずで、後席の乗員もゆったりと快適に寛いだまま、目的地にたどり着けるに違いない。

新型ムーヴキャンバスはストライプス、セオリーともにNA、ターボエンジン、FF/4WDが用意されているから、エクステリア&インテリアデザイン、パワーユニット、駆動方式の選択は自由自在。実は先代から一貫してストライプス推しの筆者のベストグレードは、一家に一台のファーストカーにもなりうるストライプスのGターボということになる。大人、男性からすれば、ストライプスは若い女性人気のグレード、ボディカラーでしょ・・・と思うかも知れないが、たしかにミント、ピンクやイエロー、レッドのストライプスカラーだとそうかもだが、濃いブルー、サンドベージュ、グレーのストライプスカラーを選べば、大人、男性にもなかなか似合うじゃないかと思っているところだ(とくにアウトドア派)。ムーブキャンバス最大の個性とも言える往年のVWバス感があるのもストライプスグレードのほうだし、なによりインテリアの質感、オシャレ度でリードしているからである。

ダイハツ・ムーヴキャンバス

文・写真/青山尚暉

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