電車の利用で〝ポイ活〟ができることを知らない人は意外と多い。首都圏の「Suica」や「PASMO」はもちろん、実は関西の「ICOCA」や「PiTaPa」でも乗車ポイントが貯まる。それぞれ条件はあるものの、うまく貯めることができれば、お得に旅を楽しめるのだ。
マネーライター 綿谷禎子さん
ポイント、クレジットカード、スマホ決済など、マネージャンルのお得情報が専門。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。
よく利用する鉄道の乗車ポイントは必ず登録を
電車に乗るだけでポイントが貯まる乗車ポイント。首都圏ではJR東日本の「Suica」の利用で運賃に応じた乗車ポイントがもらえるほか、時差出勤や同一運賃区間の利用でもポイントが貯まる。乗車ポイントの種類が多いので、ポイントが貯まりやすい。首都圏では東京メトロでも、登録した「PASMO」での乗車や、オフピーク通勤でポイントが貯まる。このほか小田急電鉄では4月から、西武鉄道でも7月から乗車ポイントが貯まるようになった。
私鉄の場合は「PASMO」の登録が必要だ。1つの「PASMO」を複数のサービスで登録できるので、自分が普段よく利用する鉄道をベースにポイントを貯めることができる。より多くポイントを貯めたいなら、JR東日本では「Suica」、私鉄では「PASMO」と使い分ける方法もある。だが鉄道ごとに細かく使い分けするのは、首都圏は鉄道各社の乗り入れが多いので、かなり面倒だろう。
関西圏ではJR西日本の「ICOCA」や「PiTaPa」で乗車ポイントが貯まる。9月から阪神電鉄も加わるなど乗車ポイントを始める鉄道が増えているので要チェックだ。
1か月半の通勤でJRE POINTを貯めれば普通列車のグリーン席が実質無料に!?
JR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」。毎日の鉄道利用、指定券予約サービス「えきねっと」や駅ナカショップの利用などでポイントが貯まる。JR東日本の5方面の新幹線がそれぞれ周年を迎える「新幹線YEAR」の今年は、期間限定でよりお得に旅行できる。
[耳寄り情報]JR東日本は乗車でもらえるポイントの種類が多い。Suica定期券を持っている人はオフピークポイントはもちろん、定期券の区間外であればリピートポイントや乗車ポイントも狙える。JR東日本の沿線をよく利用する人なら、登録しておこう。
オトクに使う01「JRE POINT特典チケット 新幹線YEARスペシャル」
JR東日本区間内の新幹線や在来線特急の特典チケットに交換できる「JRE POINT特典チケット」。このサービスの「新幹線eチケットサービス」が、「新幹線YEAR」を記念して、半分以下のポイントで利用できる。利用は2022年9月26日~10月7日。
オトクに使う02 「Suicaグリーン券交換」
上記区間を運行する普通列車のグリーン席は通常、利用する距離や曜日によって金額が異なるが、一律600ポイントで利用できる。JRE POINT WEBサイトやアプリから申し込む。グリーン車に乗ったら、座席上部の赤いランプにSuicaをタッチするとランプが緑色に変わり、車内改札が省略される。
[耳寄り情報]グリーン券はモバイルSuicaなら乗車当日に購入可能。申し込みから31日以内ならいつでも利用可能。しかも使わなかったら再びポイントに戻る。
オトクに貯める01 「オフピークポイントサービス」
平日朝の時差通勤で貯まり、2023年3月31日まで実施。Suica通勤定期券でポイント還元対象となる時間帯に、首都圏の対象エリアの駅で入出場したら、毎月4回目までは各5ポイント、5回目以降は各25ポイントがもらえる。上限は月20回420ポイント。事前にJRE POINT WEBサイトでのSuica通勤定期券の登録とエントリーが必要。
オトクに貯める02「リピートポイントサービス」
JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaで、同じ運賃で繰り返し乗車するとポイントが貯まる。同じ月内に10回乗車すると運賃1回分のポイントを還元。11回以上乗車すると運賃の10%相当のポイントがもらえる。同じ運賃であれば、乗車区間が違っても構わないので、チャンスが広がる。
[耳寄り情報]JR東日本の路線で通勤しているものの、リモートワークが多く、定期券を購入していないビジネスパーソンにおすすめ。登録したSuicaで毎月5日以上、往復すればポイントが獲得できる。在来線乗車ポイントも貯まる。
オトクに貯める03「在来線乗車ポイント」
JR東日本の在来線に乗車すると、モバイルSuicaは50円ごと、カードタイプのSuicaは200円ごとに1ポイントが貯まる。Suica定期券は区間外の利用に限る。JRE POINT WEBサイトにSuicaを登録すれば、乗車するだけでポイントを獲得。
「SEIBU PRINCE CLUB」では時差出勤とお出かけで特急券がもらえる
西武鉄道では7月より、時差出勤の「オフピークプラス」と「おでかけプラス」の2つの乗車ポイントサービスを開始。事前に「SEIBU PRINCE CLUB」に入会し、「PASMO」登録とエントリーが必要。貯めたポイントは特急券などに交換できる。
「SEIBU PRINCE CLUB」カード・アプリまたは「SEIBU PRINCE CLUBカード セゾン」に入会し、会員情報と連携させた「PASMO」で西武線を乗車する。
PASMOを使って小田急に乗れば最大12%のポイント還元!
4月1日より、「小田急おでかけポイント」が開始。小田急の会員サイト「ONE(オーネ)」に「記名PASMO」を登録し、小田急線に乗ると、その運賃や回数に応じて小田急ポイントが貯まる。定期券利用者も、定期券区間外の利用でポイント獲得。
JR西日本と阪神電鉄がICOCAでコラボ!
阪神電鉄では「PiTaPa」の利用回数割引に加え、9月1日より「ICOCA」によるポイントサービスを開始予定。阪神全線で同一月内に同一運賃区間を所定回数以上利用するとポイント付与。ポイントは「ICOCA」にチャージして交通や買い物に使える。詳細は夏頃。
[耳寄り情報]首都圏の小田急電鉄や西武鉄道、関西圏の阪神電鉄でも乗車ポイントがスタート。電車に乗るだけでポイントが貯まるようになるので見逃せない。
ポイントのない鉄道会社では「クレジットカード連携」を活用すべし!
交通系ICとの一体型クレカでポイントをよりお得に貯める
JR東日本のクレカ「Suica機能付きビューカード」は、「えきねっと」できっぷをネット決済したり、モバイルSuicaで「モバイルSuica定期券」を購入したりすると、通常よりも多くポイントが貯まる。JR西日本の「JーWESTカード」でも、ネット列車予約サービス「e5489」で山陽新幹線・北陸新幹線を利用すると、ボーナスポイントがもらえる。このように、よく利用する沿線の交通系IC付きクレカは持っておいたほうがお得。
JR北海道の「Kitaca」には独自のポイントサービスはないが、「JRタワースクエアカード Kitaca」でクレカチャージすると、1%のポイントが貯められてお得だ。
JR九州では「JQ CARD」で独自のポイント「JRキューポ」が貯まる。九州から関西などによく出張する人なら、エクスプレス予約機能付きの「JQ SUGOCA JCBエクスプレス」が便利でお得だ。
取材・文/綿谷禎子
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