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「朝にレモンを食べるとシミができやすくなる」という噂は本当か?知っておきたいビタミンCとソラレンの真実

2022.08.14

ビタミンCとソラレンの真実とは

「朝にレモンを食べるとシミができやすくなる」という話を聞いたことはありませんか?

レモンやグレープフルーツなどの柑橘類に含まれる「ソラレン」という物質には光毒性があり、多量に摂取すると紫外線の感受性を高めてしまう…というような内容です。

今回は気になるこの話題の詳細について、真実なのかどうか確かめるべく調査してみました!

ビタミンCがシミの原因になることはない

100%オレンジジュース

数年前から取り上げられはじめた「朝にレモンやグレープフルーツなどの柑橘類を食べたり飲んだりすると日焼けしやすくなる(シミができる)」という噂。SNSやネットメディアを発端にじわじわ拡散され、現在でもたくさんの記事が残っているので見かけたことがある人もいるでしょう。

さらにそこから発展して、「レモンのビタミンCは朝に摂ると日焼けしやすくなる」や「ビタミンC由来の化粧品や美容液はシミの原因になる」などという情報も広まるようになりました。

これまで美白対策の筆頭選手だったビタミンCが真逆の扱いになってしまったのです!

しかし実際に調べてみると、冒頭で解説した光毒性物質である「ソラレン」と「ビタミンC」は全く別のものであることがすぐにわかります。

つまり、ビタミンCを含有する食品を食べたり化粧品をつけたからといって、ビタミンCが原因でシミができたり日焼けがよりしやすくなる…ということはないようです。

「朝にレモンを食べるとシミができやすくなる」は半分間違い

カットされたレモン

ソラレンという物質に紫外線の感受性を高める効果があるのは事実です。ただし、食べ物のソラレン含有量や人体に影響が出ると思われる量については、誤解されている部分が多いといえます。

駒沢女子大学のウェブサイトに公開されている研究データによると、レモンなどに代表される「ソラレンが多い」とされていた果物・野菜の多くは、適量食べるくらいなら影響が出ないことがわかっています。

キウイフルーツ

さらにおかしな話ですが、一時期メディアで「ソラレン含有量が多い」と取りざたされていたキウイフルーツに至っては、含有量を計測したデータがどこにもなかったのだとか。そこで実際に計測したところ、皮の有無を問わずソラレンは検出されなかったといいます。

そもそも、ソラレンを口から摂取した場合、日焼けに影響が出るか出ないかの境界値は10~15mg程度といわれています。これは、レモンなら可食部30kg、セロリなら1.25kg~4kg、グレープフルーツジュースでも1~5Lに相当する量なのだそう!

グレープフルーツジュースを1L飲む方はもしかしたらいるかもしれませんが…

レモンやセロリはよっぽどでない限り朝食に食べるくらいの量であれば日焼けしやすくなる、ということはないといえるでしょう。

では、なぜ「半分間違い」なのかというと、次のようなケースもあるためです。

一部の果物や「皮」部分にはソラレンが多く含まれていることもある

グレープフルーツなどの柑橘系果物

レモンの可食部に含まれるソラレンの量は心配する程度ではないと前述しました。しかし、「皮」の部分には多量に含まれていることがわかっています。

そのため、はちみつ漬けなどでレモンを皮ごと食べたり、皮ごとスライスしたものをパックとして使用したりした場合、量や状況によっては身体に影響が出る恐れがあるということ。

他に、オレンジやライムの皮部分もソラレン含有量が多いため注意しましょう。

また、グレープフルーツは可食部でもソラレン含有量が比較的多く、可食部100gに対して2.19mgのソラレンを含んでいます。グレープフルーツ1個あたり約300gの重さ(可食部以外も含めて)だとすると、2個は食べない方が安全でしょう。

というように、確かにソラレンによって日焼けやシミに影響する恐れがあるケースもあるため、「半分間違い」といえるのです。「朝にレモンを食べるとシミができやすくなる」は絶対に有り得ないわけではないとはいえ、一般的にはあまり起こることではなさそうです。

紫外線対策は日焼け止めやUVカットグッズで!

センセーショナルな話題は拡散されやすく、情報の一部分だけ切り取られたりニュアンスが変化しやすいといった危うさがあります。筆者の周りでも一時期「100%の柑橘系ジュースはシミの原因になるらしいよ」という話題が頻繁に出ていたので、きちんと調べる前はなんとなく信じてしまっていたものです。

身体のことを考えて食べ物を選ぶのは良いことですが、新しい情報は実践や拡散をする前に念のため納得できる根拠を確認しておくべきだな…と改めて考えさせられたトピックでした!

美容を気にする人はもちろん、皮膚の健康のためにもまだまだ紫外線対策が必要な季節なので、お出かけの際は日焼け止めやUVカットグッズでしっかりケアすることをおすすめします。

参照:

「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします【拡散希望】|駒沢女子大学・駒沢女子短期大学

ビタミンCは朝つけちゃだめ?日焼けやシミの原因になるってホント? | 美容医療のかかりつけ医 わたしの名医

文/黒岩ヨシコ

編集/inox.

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