4輪バギーといえば、自然の中を冒険できる人気のアクティビティ。実を言うと、バイク乗りである筆者は心のどこかで「絶対にバイクの方が楽しいはず」なんて考えてしまっていたのが正直なところ。
ところが実際に乗ってみると食わず嫌いであったことがわかりました。パワフルな走破性、課題をクリアできた時の達成感、バイクとは違った運転のコツなど、コレはとんでもなく面白い乗り物だ…!
この夏のアクティビティにオススメ、4輪バギーの魅力についてお届けします!
初心者でも簡単に扱えます
今回筆者の食わず嫌い克服を手伝ってくれたのは、長野県伊那市にあるアクティビティ施設『ASOBINA』のオフロードバギー体験。
お借りしたのはキムコ社製のMONGOOSE 90sという車両で、排気量は89㏄。コンパクトなサイズで取り扱いやすい入門用のバギーです。今回のように施設の敷地内で乗る場合、運転免許証は不要です。
駆動システムはCVTで、車体の右側についているレバーによって進行方向をF(フロント)とR(リバース)、停車時はN(ニュートラル)と切り替えることができます。
MTのバイクはもちろん、スクーターとも全く違った操作。昔おじいちゃんの家で見た田植え機を思い出すような雰囲気です。
アクセルは親指のレバーで、ブレーキは左右のレバーで操作します。電動キックボードでもよく採用されている仕様です。
タイヤサイズはフロントが19インチ、リアが18インチ。大きなブロックがたくさんついていて、悪路でも力強くグリップしてくれます。林道などのデコボコ道はもちろん、砂地も走ることができるそうですよ!
セルスイッチを押すと「ブロロロロ…」と思っていたよりも力強い音でエンジンがかかりました。さっそく乗ってみましょう!
バギーとバイク、どっちが難しい?
まずは練習用の平坦なコースを走り、バギーの操作に慣れるところからスタートしました。
まっすぐな道を進んでブレーキをかける。これを繰り返すだけの操作なのですが、乗り始めてすぐに感じたのが、
「バギーの運転、バイクに乗っている人ほど難しい!」
乗車姿勢が似ているにも関わらず、アクセルの回し方・ブレーキのかけ方・そして運転中の力の使い方がまったく違うのです。
走り始める時につい癖で右手のグリップを回してしまったり、止まりたい時無意識に右足(バイクは右足にブレーキがあります)をパタパタと踏み込もうとしたり、頭ではわかっているつもりなのにバイクを運転する時の動きが出てしまいます。
自分の身体がまったく言うことを聞いてくれなくなったようで、もどかしさに「ぬわぁ~~!」と叫びながら練習しました。
まっすぐ走ることに慣れたら、続いてはコーナーの練習に。
体重移動では曲がれないバギーは、コーナーでハンドルを切る必要があります。これまたバイクの癖で、身体が勝手に体重移動&車体を傾けて曲がろうとしてしまうのです。
いざハンドルを切ると今度は遠心力の強さから恐怖心が出てしまい、一瞬でコースアウトしてしまいました。
インストラクターの平林さんによれば、お尻を後ろ側に預け、ニーグリップはせずに足の裏で踏ん張る。そして進行方向へ視線を向けながらハンドルを切ることで、思い通りに操作をすることができるということでした。
いざ、冒険へ出発!
一通り練習が終わったら、いよいよコースを走ってみましょう!
平林さんに先導してもらいながらまずは芝生の広場を縦断します。露が浮いた草の上も、タイヤのクリップ力が強いためなんのその。地面のデコボコに揺られながらグイグイと進んでくれます。思っていた以上にアクティブな遊び方ができそう!
山道に入れば、バギーの本領発揮です。
悪路でも4つタイヤがあるおかげで安定感があり、バランスをとる難しさや転倒の恐怖がほとんどありません。バイクであれば、もっと乗り手の技術に左右されそうなもの。
一見走るのが難しいような路面でも余裕でクリアすることができるので、初めてオフロード走行に挑戦する方にとってはバイクよりもバギーの方が遊びに集中できるのではないでしょうか。
コース内には木の根やきりかぶなど、自然を活かした障害物が待ち受けていました。初めは簡単なものから、徐々に難易度が上がっていきます。
木の根や轍を踏んで車体がポコポコと揺られながらも、バギーは力強く登ってくれます。
特にドキドキしたのが小川渡り。ゴロゴロと大きな石が転がった川底は、バギー丸ごとがグラグラと揺れてスリル満点。ハンドルから手が離れないようについしがみつくような格好になってしまいますが、それは逆効果です。
腕の力を弱め、足で踏ん張りながら進みたい方向へ視線を向けながら進んでいくと…不思議なことに行きたい方へと進めるのです。
序盤は前に進むだけでも苦労していたバギーですが、一旦慣れれば「怖い」よりも「爽快」の気持ちの方が強くなります。
どんどん課題に挑戦したい!もっと走りたい!!いつもよりも貪欲な自分を発見しました。
運転に慣れてきたところでコースを回り終え、残念ながら本日のバギー体験は終了です。
「もっと走りたかった~!」なんて言っていたら、平林さんからは「実は、コースを完走したら疲れてもうお腹いっぱい!って言う人も多いんですよ」とのこと。バイクとバギーは基礎の姿勢が似ているので、疲れにくいのかもしれませんね。
大自然の中を乗り物と一体になって駆け回れるアクティビティ、オフロードバギー。
免許がない方でも、練習をすれば簡単に乗りこなせるようになるはず。この夏最後の冒険に出かけてみてはいかがでしょうか?
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.