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富士フイルムのミラーレス「X-H2S」と超望遠レンズ「XF150ー600mmF5.6-8」で巣立ち直前のオオタカ撮影に挑戦

2022.08.14

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

Xシリーズに待望の新製品「X-H2S」と超望遠ズーム登場!

APS-Cサイズのミラーレスが熱い。APS-Cサイズで勝負する富士フイルムから、フラッグシップモデル「X-H2S」が発売された。第5世代デバイスを搭載して、処理速度は約2倍に、センサーの処理速度は約4倍にスピードアップ。被写体認識AFが追加され、鳥認識に対応。メカシャッターで秒15コマ、電子シャッターで秒40コマの高速連写を実現している。フルサイズと比較してセンサーサイズが小さいので連写では有利なのだ。ほぼ同時期にキヤノンからAPS-Cサイズの「EOS R7」と「EOS R10」が発売された。今回は「X-H2S」と「EOS R7」でオオタカを狙い、比較撮影してみた。

富士フイルムからはXシリーズの弱点であった超望遠ズームに「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」が加わった。35mm換算で225mmから914mmの焦点距離になる。2倍のテレコンを使えば1828mmが手持ちで撮れる。重さは約1.6kgと短時間なら手持ちにも耐えられるが、今回は原則的に一脚を使用した。

「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」は着脱可能な三脚座付き、フォーカスリミッターと絞りにも使えるダイヤルがあり、ストラップとソフトケース付きとフル装備だ

2倍のテレコン「XF2X TC WR」が使える、これで手持ちで約1800mmになる

「XF2X TC WR」は防塵・防滴で-10度Cの耐低温構造で外装に金属を使っている

「X-H2S」は「XーH1」と比較するとグリップが大型化されダイヤルは2個から1個に減ったが、専用ボタンが増やされ、EVFをのぞいたままでの操作性が向上している

大型グリップのおかげでレンズのホールド性は良くなった、レンズフードも白にして欲しかった

AFが高速化され鳥認識がオオタカを追従

富士フイルムのミラーレスは銀塩カメラ的なインターフェイスが使いやすく、明るい単焦点レンズが沢山あるが、AFの速度にはイマイチ不満あった。製品ラインナップはプロ用ボディが「X-H1」で、最高スペックは「X-T4」だったが、今回の「X-H2S」によって名実共にフラッグシップが決まった。

AF-Cの鳥認識でシングルポイントを使うと、見事にフレームの形が鳥に合わせて変化して、アップになれば瞳認識にも対応する。これは今までの富士フイルムのミラーレスとは明らかに違う。メーカー名を隠されていれば、SONYかCanonのミラーレスを操作している感覚に近い。オオタカの撮影では、横方向の追従性が高く、奥から手前に対してはやや弱いと感じた。また、手前に枝などがあると迷うこともあるが、フォーカスポイントを強制的に切り替えすれば、その後の追従性は高かった。とにかく初搭載されたとは思えない被写体検出機能が抜群にいい。それに合わせてフェザータッチのシャッター、Nikon「Z9」よりも速い秒40コマのブラックアウトフリーの高速連写とオオタカを狙うのには最高のスペックだ。

ヒマラヤスギに止まるオオタカ、914mm相当で撮影、晴天の正午と好条件だ
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/1250sec、F8+0.33、ISO1000

同じ位置から2倍のテレコンを使って、1828mm相当で撮影、感度はISO4000まで上がった
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/1250sec、F16、ISO4000

枝の中に止まったオオタカ。手前にも枝があったが、鳥認識が正確に働いた
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/640sec、F8+0.33、ISO12800

こちらも手前に枝がある構図、手前の枝からフレームを切り替えると鳥認識が瞳をロックした
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/125sec、F7.1、ISO1600

914mmを使うとかなり迫力ある構図が狙える、望遠に強いAPS-Cサイズの威力を発揮
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/640sec、F8、ISO12800

秒40コマの連写機能を使ってオオタカを追う。カメラ自体を動かしながら流し撮りしている
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/800sec、F7.1、ISO3200

動きは止まっているように見えるが、オオタカの瞳へのピントがやや甘い
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/800sec、F7.1、ISO3200

シャッター速度1/800secは少し遅めだったかもしれない
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/800sec、F7.1、ISO3200

オオタカの羽根がややブレている、この方がスピード感が出るか、悩ましいところだ
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/800sec、F7.1、ISO3200

高速連写が捉えた飛翔のカッコイイポーズ。これをもっとアップで撮りたい
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/800sec、F7.1、ISO3200

流し撮りによる手ブレが原因だろうか、このカットは背景までブレている
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/800sec、F7.1、ISO3200

オオタカにオススメ設定を富士フイルムに質問

オオタカを撮影してみて疑問に思えた点を富士フイルムに質問した。まず、フォーカスエリアの設定をどうするかだ。鳥の撮影に関してはシングルポイントかゾーンがオススメで、フォーカスポイント近くにある被写体を認識するそうだ。複数の被写体があって、手動で切り替えたい時はどうすればいいか。フォーカスポイントで別の被写体を選択するか、タッチAFをONにすれば液晶をタッチして切り替えが可能になるとのことだ。

バッテリーは被写体検出ONの連写モードで使うと約2時間しか持たなかった。その設定ではそのぐらいの撮影時間になるという。暑い日に撮影すると「温度上昇中」というアラートが出る。このアラートを無視すると強制停止になる。「自動電源OFF温度」の設定を標準から高にすると、ボディは熱くなるが撮影時間を伸ばせるそうだ。ISO感度オート設定ではシャッターボタン半押しまで最大感度表示になるが、これを最初から撮影感度表示にできないのか。これは現在できないため改善を検討中とのこと。

「X-H2S」を使って5日間で8461枚撮影したが、すこぶる快適に撮影できた。EVFは高解像度で見やすく、シャッターボタンの押し心地と切れるタイミングもいい。電子シャッター使用時もローリング歪みが感じられず、タテ位置グリップも用意され拡張性も文句なしだ。超望遠ズームレンズの登場で、レンズラインナップにも不満はない。気になる事と言えば、APS-Cサイズで30万円という価格だが、製品の完成度を考えれば割高とは思えない。一方、Canon「EOS R7」はU20万円のハイコスパモデルだが、専用レンズが少ないという弱点がある。次回はその実力に迫ってみたい。

オオタカの兄弟、鳥認識で奥にピントが来ている、914mm相当なのでピントはかなり浅いのだ
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/160sec、F8、ISO8000

地面から飛び立つオオタカ。1/500secでややブレているがAFは追従している
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/500sec、F8、ISO12800

百発百中でこのようにピントが来てくれればいいのだが時には外れることもあった
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR FUJIFILM X-2HS 1/500sec、F8、ISO12800

写真・文/ゴン川野

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