「あだ名」に罪はあるのだろうか――。
近年、いじめ防止の観点から、「あだ名」を禁止にする小学校が増えているという。たしかに、相手を揶揄・侮蔑するニュアンスを含むあだ名は対象者を傷つけかねない。しかし一方で、愛称が相手と仲良くなるきっかけになっている側面があることも否定できない。
そんな議論を呼んでいる「あだ名禁止」だが、実際のところ、賛成派と否定派、どちらが多いのだろうか?
SELFがスマートフォンアプリ『SELF』の利用ユーザー6,267名を対象にした「あだ名禁止」に関する意識調査の結果を発表したので、概要を紹介しよう。
75%が「あだ名を禁止すべきでない」
「あなたはあだ名を禁止すべきだと思いますか?」と質問したとところ、「禁止すべきではない」と回答した人が75%に及んだ。多くの人が、あだ名については肯定的な考えのようだ。
あだ名禁止の是非について、性別・年代別の傾向を調べたところ、男性においては、年代が上がるにつれて若干ではあるものの、「禁止すべき」と回答した人が多くなる傾向が見受けられた。
一方、女性では、男性より顕著に、若年層ほどあだ名には肯定的な傾向が見られ、年代が上がるにつれ「禁止すべき」という声が多くなった。
「あだ名は禁止すべき」と答えた人からは以下のような意見が寄せられた。
「実際にそれでいじめられた。今でもそれがトラウマとして残っている」/男性・20代
「嫌なあだ名を自分が前付けられて嫌だったから、嫌でも先生や家族に言えない人もいて嫌な気持ちになってしまうからです」/女性・10代
「体の特徴をあだ名にされて嫌な気持ちになったことがあるので」/男性・40代
「イヤなあだ名をつけられても、イヤと言えない人もいると思う」/女性・50代
「傷ついた子をケアできる先生や制度が無いから」/男性・50代
「ノリとか軽い気持ちで知らない内に人を傷つけてしまいそうだから」/男性・10代
「相手の呼び方を丁寧にすれば、尊重する気持ちが自然と湧いてくるように思います」/女性・40代
「あだ名で呼ばなくても、仲良くできると思うから」/女性・50代
他方、「あだ名は禁止すべきではない」と答えた人からは以下のような意見が寄せられている。
「あだ名は仲を深めるひとつのきっかけにもなるので、マイナスな面だけで禁止するのは望ましくないと思う」/女性・20代
「何がダメで何がいいのかを考える機会を奪われると思うから」/男性・40代
「ルールに縛り付けて従わせることが教育だとは思わない」/男性・30代
「嫌なあだ名でいじめられたことはあるけど、気がついた大人が注意するか、嫌だと言える土壌(クラス)を作るべき」/男性・40代
「禁止にしても、効果がないから。(実際そうだった)」/性別非公開・10代
「苗字にさん付けで呼ばれていたがいじめられていた。あだ名といじめに相関はないと思う」/女性・20代
「本名が嫌いだったのであだ名に救われてきた」/男性・20代
「小さい頃、キラキラネームで悩んでる友達があだ名で呼ばれると嬉しそうにしていたのを今でも覚えているから」/女性・10代
<調査概要>
【内容】「あだ名禁止」に関する調査
【期間】2022年7月27日〜7月31日
【対象】スマートフォンアプリ『SELF』の利用ユーザー(6,267名)
出典元:SELF株式会社
構成/こじへい