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マンションの騒音問題で管理会社の対応が不十分な時の対処法

2022.08.11

マンションに住んでいると、上の階の部屋や隣の部屋などから騒音が発生するケースがあります。

物音が気になって仕方がないものの、自分が思っている部屋から騒音が出ているのかどうか確証がない、管理会社も満足に対応してくれない…。

このような場合は、どう対処すべきなのでしょうか? 分譲マンションと賃貸マンションのそれぞれについてまとめました。

1. 騒音被害は管理会社を通じて訴えるべきだが…

分譲マンションでも賃貸マンションでも、基本的に騒音被害は管理会社を通じて訴えるのが無難です。

騒音を出しているのが、本当にクレームを入れようと考えている部屋の居住者なのかどうか、100%の確証を得ることは困難です。また、相手方の対応によっては面倒な揉め事に巻き込まれるおそれもあります。

騒音問題は、個々の入居者ではなく、マンションの入居者全体で対処すべき問題です。そのため、管理会社を通じて改善を図ることが適切といえます。

ただし、管理会社が騒音問題について、満足に対応してくれない場合もあるでしょう。その場合は、他の入居者と連携して対応することが重要になります。

2. 分譲マンション(自己所有)における騒音問題の対処法

分譲マンションの騒音問題について、管理会社が満足に対応してくれない場合、以下の対応を取ることが考えられます。

2-1. 管理会社を変更する

管理会社の対応に不満がある場合には、管理会社を変更することが考えられます。

管理契約を終了させて管理会社を変更できるのは、主に以下の場合です。

①管理契約の期間が満了する場合
②管理会社による契約上の義務違反が生じた場合
③管理契約上の解除事由に該当する場合
④管理契約所定の手続きに従って、管理契約を中途解約する場合
⑤管理会社との合意に基づき、管理契約を解約する場合

管理契約の更新拒絶・解除・解約は、管理組合総会(集会)の決議によって決定します。決議には、以下の各過半数の賛成が必要です(区分所有法39条1項)。

(a)区分所有者の頭数の過半数
(b)床面積に応じた共有持分割合の過半数

2-2. 区分所有法に基づく請求を行う

管理会社を通じた対応が奏功しない場合、騒音を起こしている部屋の区分所有者に対して、区分所有法に基づく直接的な請求を行うことも考えられます。

2-2-1. 行為の停止等の請求

区分所有者が管理規約に違反する行為をし、またはそのおそれがある場合、他の区分所有者は当該行為の停止・結果の除去・予防のために必要な措置を執ることを請求できます(区分所有法57条1項)。

過度な騒音は管理規約違反に当たるため、行為の停止等の請求の対象となります。実務上は、管理規約に基づく理事会の決議を経て、理事長名義で請求を行うのが一般的です。

なお、訴訟を通じて行為の停止等の請求を行うこともできますが、その場合は管理組合総会(集会)の決議が必要です(同条2項)。

2-2-2. 使用禁止の請求

管理規約違反の行為による共同生活上の障害が著しく、行為の停止等の請求によっては、障害を除去して区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難な場合、専有部分の使用を一定期間禁止することを請求できます(区分所有法58条1項)。

使用禁止の請求は、必ず訴訟を通じて行わなければなりません。訴訟提起には、通常よりも厳しい以下の賛成要件による、管理組合総会(集会)の決議が必要です(同条2項)。

(a)区分所有者の頭数の4分の3以上
(b)床面積に応じた共有持分割合の4分の3以上

また決議を行う前に、対象となる区分所有者に弁明の機会を与えなければなりません(同条3項)。

2-2-3. 区分所有権等の競売の請求

管理規約違反の行為による共同生活上の障害が著しく、他の方法によっては障害を除去して区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難な場合、区分所有権・敷地利用権の競売を請求できます(区分所有法59条1項)。

区分所有者等の競売の請求は、使用禁止の請求と同様に、訴訟を通じて行う必要があります。管理組合総会(集会)の決議要件と、対象者に弁明の機会を与える必要がある点も、使用禁止の請求と同様です。

3. 賃貸マンション(賃借中)における騒音問題の対処法

賃貸マンションの場合、分譲マンションとは異なり、賃借人(入居者)自身が管理会社の変更や区分所有法に基づく請求に関与できるわけではありません。したがって基本的には、管理会社または賃貸人に騒音被害の解消を訴えることになります。

しかし、賃借人が単独で被害を訴えても、管理会社や賃貸人が深刻度を正しく認識せず、十分な対応を取ってくれない場合があります。その場合、他の居住者と連携して被害を訴えることもご検討ください。

管理会社や賃貸人としても、複数の入居者から一斉にクレームを受ければ、部屋が空室となるリスクや、マンションの評判が低下するリスクを懸念するのが通常です。

その結果、騒音問題への毅然とした対応を取ってくれる可能性が高まるでしょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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