日本でもすっかり一般的になったサステナビリティという言葉。環境に配慮した製品を選ぶ日本の消費者は多くなったものと思われるが、では、アメリカの消費者はどうなのだろうか?
GfK Japanはこのほど、GfKグループが毎年20か国以上で実施している消費者調査から、2022年における米国の約4,000名の消費者行動の結果を抜粋して発表した。
米国消費者の半数以上が「環境への配慮」訴求製品の購入経験あり
15歳以上の米国消費者においては、53%が今までに広告や商品パッケージ上で「環境への配慮」が訴求されている製品の購入経験があると回答した。また、全体の約3割の消費者においては最近1~2か月の間に「環境配慮製品」の購入経験がみられた。
特に若年層が環境配慮訴求製品を購入
環境配慮製品の購入経験は若い世代において高く、Z世代で62%、ミレニアル世代で67%となっている。半面、X世代以上の層においては半数以上で購入経験がなく、世代が上がるほどに購入経験の減少がみられる。
注)本調査における世代定義 2022年時点でおおよその年齢
Z世代:1998年以降の生まれ 23歳以下
ミレニアルズ:1980-1997年生まれ 23~42歳
X世代:1965-1979年生まれ 42~57歳
ベビーブーマー:1946-1964年生まれ 57~75歳
プレブーマー:1945年以前の生まれ 75歳以上
企業の社会貢献活動は消費者のブランド選択にどの程度影響を与えているのか
企業の行う様々な社会貢献活動、ではそれが消費者のブランド選択においてどの程度影響を与えているのか調査を行った。結果は消費者の世代間で大きな差異がみられた。
「地元で生産」や「リサイクル/再利用材料を使用」などは比較的すべての世代においてブランド選択の促進要因となっている。
一方、「天然資源の利用」や「持続可能な製造工程」などの環境保護活動では、X世代以上の消費者への影響は高くない反面、Z世代やミレニアル世代のブランド選択への影響力は大きいと言える。
GfKの別の調査においても米国のZ世代やミレニアル世代は上の世代に比べて環境意識が高いという結果もあり、この傾向は、これからより長く生涯を生きていくことになるであろう若い層にとってはある意味当然のことかもしれない。
今後、Z世代やミレニアル世代をターゲットにマーケティングをしていく上では、企業やブランドからのこうした環境保全に関する積極的な情報発信がより強く求められていくだろう。
<調査概要>
GfKグループが20か国以上で毎年実施している消費者調査。以下は米国での調査概要
調査期間:2022年2月
調査対象:米国在住の15歳以上の男女 4,084名(性、年代でのウェイト集計)
調査方法:インターネット調査
回答者属性:性、年代、居住地域、家族構成、人種
主要調査内容:ライフスタイルや将来の展望・大切にする価値観・ストレスや悩み・旅行やライフスタイル・金融サービスや投資・健康や美容・環境に対する意識や行動・広告やブランドに対する態度・買い物行動(オンライン・店頭)・テクノロジー製品の保有や利用、自動車の保有、購買、購入重視点等
出典元:GfK Japan
構成/こじへい