自然との調和を実現した商業施設、楽しみながら走れるランニングコースなどを設置
1972年に香港で設立され、商業施設やホテルなどの建設・運営などを手掛けるデベロッパー「太古地産」と、1992年に上海市によって設立された大手国有企業「陆家嘴集团」が共同開発した商業施設「前灘太古里(チエンタン・タイクーリー)」が2021年9月末上海にオープンし注目を集めている。
“自然主義”を理念とし、建築はアメリカの「5+design」、景観はシンガポールの「tierra」が設計。建物には天然の石材と木材を採用し、外壁・広場・屋上等には緑を取り入れることで自然と調和したデザインを実現。
二棟の建物・中央スペース・橋で構成され、街を散策しているような気分が味わえる。
「前灘太古里」は健康・グルメ・文化芸術等を通して心身豊かになる場を提言すべく、 ”wellness”をテーマに設定。
また、wellnessの一環として全長450メートルのランニングコース“SKY LOOP”を最上階に設置。コースの随所に応援メッセージを記載し、楽しみながら走れる場を提供している。
北京・成都に続き上海にオープン!地域の特徴に沿ったコンセプトを採用
「前灘太古里」は、北京・成都に続き上海にオープン。それぞれの太古里は地域の特性に沿った異なるコンセプトで建てられている。
・北京三里屯太古里:トレンドの発信地三里屯に建設。若者受けする大胆な構造且つ鮮やかな色を用いて個性を表現。
・成都远洋太古里:歴史・文化的な大慈寺エリアに建設。景観を損ねない色味で統一し、シックな雰囲気を醸し出している。
・上海前灘太古里:万博跡地の再開発エリア前灘に建設。都心にいながら開放感を味わえる空間を演出。
このような地域戦略が功を制し、北京・成都の太古里は大成功を収めているため、「前灘太古里」は開業前から話題になっていた。新規モール開業ラッシュの上海で「前灘太古里」は、2022年7月時点では商業施設ランキング1位に輝いている。
【店舗情報】
運動をする人やペット連れの人などに向けwellnessの概念を取り入れた店舗が登場
人気コーヒーチェーン「Starbucks」は、環境保護・再生エネルギーをコンセプトにアジア初の”Greener Storelab”として出店。
内装の半分にリサイクル素材を使用、バリスタ着用のエプロンは再生プラスチックを原料としている。
また、ペット専用の無料メニューやペットと一緒に座れる椅子も用意しており、ペット連れに優しい店舗設計が施されている。
また、昨今のランニングブームを受け、中国初の“ASICS RUNNING STATION”が出店。歩行姿勢分析機を導入し、専門的なコンサルサービス提供することに加え、定期的にランニング活動を取りまとめランナー同士を繋げる役割も果たしている。
モール内には心身健康を目的としたランナー用の階段も提供。
中国「Shake shack」として初のペットフレンドリーな店舗として出店。店頭に犬が描かれたポスターが大々的に掲示されている他にも、水飲み器やペットパーキングスペースを設けている。犬用のベビーカー、ペットカートの貸し出しもあり。
【プロモーション情報】
”Let’s ○○ well”を謳った期間限定イベントやプロモーションを実施
「Let’s relax well(実施期間:2021/10/1~10/10)」では、Bluenoteによるジャズ生演奏を披露。思わず足を止めて聞きたくなるようなリラックスできる場を提供。
「Let’s blossom well(実施期間:2022/3/3~3/31)」では、CHANEL協賛で椿をモチーフにしたガーデンとブースを設置。ガーデンではアンケートに参加すると香り付きのレプリカ椿が貰え、ブース内にあるコスメカウンターでは椿配合のスキンケアを試すことができた。
「Let’s coke well(実施期間:2022/5/20~6/19)」では、公式アカウントをフォローした人全員にCocaCola協賛のコーラを無料配布。缶には「(2カ月間にわたるロックダウンで)自炊はし飽きた。今日はコーラを飲もう」とオリジナルの印字付き。上海では、ロックダウン中に手に入れたい嗜好品ランキング1位にコーラが選ばれている。
参考記事:https://tnc-trend.jp/china87-2/
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構成/DIME編集部