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ドラマ「晩酌の流儀」で話題沸騰!役者だけでなく映画監督の顔を持つ新進気鋭の女優・辻凪子の素顔に迫る

2022.08.05

一日の最後に飲むお酒を、どうしたら最高においしく飲めるのか。このドラマはそれをひたすら追求する一人の女性の物語――。なんとも印象的なナレーションで始まるこのドラマは、7月より放送が開始された『晩酌の流儀』(テレビ東京)だ。

毎話、不動産会社に勤める伊澤美幸(栗山千明)がその日の晩酌のために一日を頑張り、そして最高の一杯に辿り着くといったテイストのグルメドラマになっている。2022年85日(水)放送の第6話では主人公・美幸の後輩・富川葵にスポットライトの当てたエピソードになっているという。

そこで葵を演じる女優・辻凪子さんに、ドラマについてお話を聞いた。

葵は真面目だけど少し不器用。そこが共感できます

――辻さんが演じる富川葵はどのようなキャラクターでしょうか。

辻凪子(以下、辻) 葵ちゃんは真面目で素直で、いつも前向きなところが魅力的な女の子です! でも、ちょっと不器用なところもあって、そんなところは私に少し似ているかもしれません。私は仕事のできる美幸さんよりも、おっちょこちょいな葵ちゃんに共感してしまうタイプなんです。

――第1話ではお客さんに怒られたり、第4話では会社の先輩・美幸さんを定時で帰らせまいと必死にお願いをしたりと、これまでは少々おっちょこちょいな姿が目立っていた葵ですが、第6話ではどのような一面を見せてくれるのでしょうか。 

 とあることがきっかけで美幸さんと晩酌することになった葵ちゃんなんですが、晩酌までの過程がストイックな美幸さんに振り回されながら必死に食らいついて、演じていてとても楽しかったです。第6話はこれまでは一人で晩酌をしてきた美幸さんが誰かと一緒にお酒を飲むエピソードでもあるので、葵ちゃんだけでなく美幸さんにも注目してほしいです。

――撮影では苦労されたことはありましたか。

 撮影では晩酌シーンを撮るまでに他のカットを撮影します。朝から晩まで撮影をするのに栗山さんは食事のシーンを撮るまで、休憩中もご飯を食べないんですよ。今回は私も栗山さんと一緒に丸一日ご飯をおあずけしてから晩酌シーンに挑んだので、かなり気持ちが入っていると思います(笑)。

寝坊癖がひどくて、バイトはすぐにクビになっていました(笑)

――先ほど、葵の不器用なところに共感するとおっしゃいましたが、お仕事での失敗談などありますか。

 大学時代にはパン屋さんでアルバイトをしていたのですが朝が早くてよく寝坊をしちゃっていました。当時、私はお芝居の勉強をするのが第一優先だったということもあり、バイトを二の次にしちゃっていたんです。当然、バイトはすぐにクビになっちゃいました。今にして思えば当然ですが、若かった当時はむかつきすぎて、その気持ちを表現したくて『ぱん。』という短編映画を撮ったほどです(笑)。

 ――辻さんは京都造形芸術大学の映画学科俳優コースご出身とのことですが、役者だけでなく映画監督としても活動されていますよね。

辻 大学で私のやりたいコメディ映画を撮っている人が全然いなかったんです。そしたらゼミの先生でもあった青山真治監督が『凪子!自分で撮れ!』って言ってくれて、それが監督業を始めたきっかけでした。大学2回生の時に初めて撮った『ゆれてますけど。』がロンドンのクリスタルパレス国際映画祭で上映され『ブラボー!』と拍手をもらえたことはすごく嬉しかったです。

「仕事がないなら自分で作ったれ!」の精神で始めた映画監督

――その後、大学を卒業されてからも監督を続けているのはなぜでしょう。

辻 一番は仕事がないなら自分で作ったれ!精神です(笑)。お仕事がない時期があっても安心できますし、自分のやりたい役を演じることもできます。今では、代表作にもなったり新しいお仕事に繋がるきっかけにもなっていると思います。

――苦労した部分はありますか。

辻 学生時代は機材から人まで無償でできていたのですが、卒業してからはそういうわけにはいかず、友達と一緒にiPhoneを使っての低予算撮影しかできませんでした。それでも『Mr.ビーン』のようなキャラクターを生み出したくて、私が演じる〝ジャム〟というキャラクターを主役にした映画を撮り続けました。

その活動がようやく実り、この度、大学卒業後初となる長編映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』が劇場公開することになりました。本当にありがとうございます!

――おめでとうございます。それでは最後に今後女優だけでなく映画監督としても活動していくにあたっての意気込みを『晩酌の流儀』に絡めてお願いします。

辻 『晩酌の流儀』は美味しいごはんとお酒がテーマなんですが、それまでの過程に物語があるのが面白いところです。私も自分の人生の楽しみのためにお仕事を頑張ろうと、改めて気付かされました。私の最大の楽しみは映画館に行くことなのですが、それを最高の瞬間にするために、女優も映画監督も全力で取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします! 

【プロフィール】

辻凪子(つじ・なぎこ)/1995年生まれ。大阪府出身。京都造形芸術大学映画学科俳優コース在学中にNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』に出演し女優デビュー。20183月、同大学を卒業。

取材・文/峯 亮佑

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