持続可能開発ソリューションネットワーク(SDSN)が2022年3月18日に発表した世界幸福度調査(World Happiness Report)によると、日本は54位と他の先進国と比べ低い結果となっていた。
では、国内の都道府県別に見るとどうなっているのだろうか。
ブランド総合研究所は、このたび各都道府県の住民に対し幸福度をはじめ、愛着度や定住意欲度など、地域の持続性につながる指標について調査する「第4回地域の持続性調査2022」をインターネットで実施。
「第4回 地域の持続性調査2022」は、15歳以上の男女を対象に、2022年5月20日から26日にかけてインターネットで調査を行い、各都道府県の住民をそれぞれ約500人ずつ計22,973人の有効回答を得たので、結果の概要をお伝えしよう。
全国の22,973人に聞いた「都道府県・幸福度ランキング」一覧
「幸福度」は、「あなたは幸せですか」という問いに対し、「とても幸せ」、「少し幸せ」、「どちらともいえない」、「あまり幸せではない」、「全く幸せではない」の5段階で評価してもらい、それぞれ100点、75点、 50点、25点、0点で加重平均し算出したもの。
47都道府県の平均は70.1点となり、前年の69.2点より増加していた。
幸福度1位は2年連続で沖縄県に!上位は九州が独占
「あなたは幸せですか」という問いに対し、沖縄県民の回答者のうち41.8%が「とても幸せ」、36.2%が「少し幸せ」と答えるなど、およそ8割が「幸せ」と答えていた。幸福度は77.4点で前年の78.1点よりわずかに減少したものの、2年連続1位となった。
その一方で、「全く幸せではない」はわずか2.6%、「あまり幸せではない」も5.3%と、ネガティブな意見がとても少ないのが特徴だ。
2位は鹿児島県で75.4点と昨年の15位から順位、点数ともに大きく上昇。3位は宮崎県が74.9点でランクインするなど、上位3県のいずれも九州地区が占める結果に。4位は静岡県で昨年31位から大幅にランクアップし、5位の福岡県も12位から上昇している。
上位には九州など西日本の県が多い一方で、東京都が46位、神奈川県が45位、千葉県が44位と、首都圏の都県は順位が低くなっていた。
総合指標「持続度」では鹿児島県が急上昇!
この調査は、住民視点で「地域の持続性」を明らかにするため各都道府県の住民を対象に、幸福度をはじめ、生活満足度、愛着度、定住意欲度の4項目を数値化するとともに、それらの総合指標として「持続度」を算出した。
さらに、より詳細な分析を行うため、持続性に影響しているプラス要因として住民による地域の魅力度と自慢度、そして魅力要因を数値化。マイナス要因としては、住民が感じている悩みや課題を抽出し数値化している。
幸福度以外の持続性指標のランキングは下表のとおり。
4つの指標すべてにおいて鹿児島県が前年より大幅に点数が上昇している。幸福度は前年の70.2点から75.4点へと5.2点上昇し、順位も15位から2位へと急浮上。
生活満足度は18位から6位、愛着度は5位から3位、定住意欲度は17位から7位へと、いずれも大きく上昇していた。その要因として、奄美大島、徳之島が世界自然遺産に登録されたことなどが考えられる。
鹿児島県以上に持続度が伸びたのは和歌山県であった。前年の70.0点から73.3点へと3.3点も上昇し、順位も35位から11位へ大幅に上昇。同県の「魅力的なところ」として回答した住民のうち82.4%が「海・山・川・湖などの自然が豊かなこと」を挙げている。
持続度の2位は福岡県で77.4点。幸福度が5位、生活満足度は1位、愛着度と定住意欲度はいずれも2位と県民からの評価が高い。
なお、47都道府県平均では幸福度、生活満足度は前年より上昇したが、愛着度と定住意欲度は下降している。その結果、持続度もわずかに下降していた。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:47都道府県の登録調査モニター(15歳以上)から、居住する都道府県別に抽出
総回収数:計23,520人 (各都道府県から約500人ずつを回収)
有効回答数:計22,973人 (各都道府県の回答者数は476~514人)
調査時期:2022年5月20日~5月26日
関連情報:https://news.tiiki.jp/jizoku2022
構成/Ara