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電子レンジ市場に参入した象印が開発!食材を浮かせて温めるオーブンレンジ「EVERINO」が話題

2022.08.04

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

電子レンジ市場参入の理由は「機能を使いこなせない」生活者の不満を解消するため

9月1日に新発売となるオーブンレンジ「EVERINO(エブリノ)」は象印マホービン初の電子レンジ製品。

電子レンジの普及率は96%、自動炊飯器は86%で、1世帯に1台、普及率が90%程度の調理器具は、年間の売上が500~600万台で推移する傾向にある。電子レンジ市場もこの20年ほどは約550万台で推移していたが、直近2年はコロナに寄る巣ごもり需要もあり600万台近い市場に成長している。

電子レンジは、あたため機能をメインにした「単機能レンジ」と、オーブン機能やグリル機能などの多機能な「オーブンレンジ」のモデルに分かれる。オーブンレンジと単機能レンジの出荷量の割合はほぼ半々だが、オーブンレンジの方が高額のため金額的には圧倒的にオーブンレンジ市場が大きくなっている。

象印マホービン 代表取締役 社長執行役員 市川典男氏は、成熟した市場で競合も多い電子レンジ市場に新規参入した理由をこう話す。

「象印の中長期の成長戦略では、領域の水平的拡大として既存商品のラインナップ拡充を、そして垂直的拡大として新事業の創出を掲げています。今回のオーブンレンジは新規カテゴリーの商品で、象印ブランドの力を十分に活かせる商品領域であると考えています。

当社の主力商品である炊飯器と電子レンジの市場は似たところがあり、低価格帯と高価格帯に分かれるということも類似点のひとつです。炊飯器についてはここ数年、高価格帯商品が成長している傾向にありますが、レンジについては逆で、以前はオーブンレンジの方が多かったものが、昨今では数量的に単機能レンジの方が上回っている状況です。

理由としては、オーブンレンジを買ったものの、なかなかオーブン機能を使いこなせない、機能としてはあたためるだけでいいという傾向から、お客様の買い替えの流れが出てきていると考えています。

新たに市場参入するにあたり、高機能炊飯器市場で高いシェアを保ってきた我々が今まで培ってきた高度な温度コントロール技術と、レシピなどのソフト開発をフルに活用して、お客様の真のニーズにお応えできるオーブンレンジを開発しました。単機能レンジへの買い替え需要だけでなく、単機能から使いやすいオーブンレンジに変えたいというニーズにもお応えできる製品だと思っております。

既存のオーブンレンジは、日本の食卓によく上がる煮物や焼物という食を中心に開発されたものでなく、パンや焼き菓子、ローストビーフ等、欧米のオーブン料理に合わせたもので、どちらかというとハレの日の食卓にふさわしい料理を作ることに適しています。

エブリノは象印独自の技術と視点から電子レンジに対しての不満を解決し、日常的な調理器具として使いこなしていただけるオーブンレンジです」

独自技術のレンジ・グリルのリレー調理「レジグリ」と浮かせて調理する「うきレジ」

電子レンジ事業は構想から7年を要した。ユーザーがリアルに求めるニーズを探るため、既存の電子レンジにどんな不満があるか、どんな料理を日常作っているかなど、独自で調査やヒアリングを重ね、その中で浮かび上がってきたのが多機能オーブンレンジを「使いこなせない」という不満の声だった。

「購入前は調理時間が短縮できる、レパートリーが広がる、調理の手間が省けるという期待があったにもかかわらず、購入後の実感では期待にあまり応えていない実態がわかってきました。

『グリル機能は温度ムラがありおいしくできない』と77%が回答し、『調理に時間がかかる』『機能が複雑で使いこなせない』といった不満もあり、オーブン調理はほとんど使わず、日常ではレンジ使用(あたため)が大部分を占め、多機能オーブンレンジでも使いこなせていない現状が明らかになりました。

そこで日々の暮らしで毎日使いたくなる“本当に使ってもらえる電子レンジ”を開発目標に定め、当社が扱う炊飯ジャー、オーブントースターなどで培った温度コントロールや調理フローのノウハウ、技術をフル活用しました。食材を中心から加熱するレンジ機能と、外から焼き色をつけるグリル機能をうまく使いこなして、日常の食事を効率よくおいしく作ることを目指したのです」(象印マホービン 執行役員 生産開発本部副本部長 技術開発室長 山根博志氏)

〇独自機能その1 レンジとグリルを自動的にリレー調理する「レジグリ」「グリレジ」

グリル調理の二大不満「ムラ」と「時間」を解決する、食材の状態に合わせてレンジとグリルを自動で切り替えるリレー調理を行う。「レジグリ」は初めにレンジで食材の内部の温度を素早く上げ、その後自動でグリルに切り替わり香ばしく焼き色をつける。最初はグリルでレンジに切り替えるリバース設定の「グリレジ」も可能。

手ごねハンバーグではレジグリ機能を使うことで、通常のオーブン機能で平均23分かかる調理時間が約13分で、温度ムラを抑え焦げ色もついたハンバーグを作ることができる。厚みのあるハンバーグには逆パターンのグリレジ調理がおすすめ。最初にグリルで焼いて旨味をぎゅっと閉じ込め、後から内部をレンジで加熱するので、肉厚ハンバーグでもジューシーな仕上がりになる。

レジグリは魚料理にも最適。魚焼きグリルだと時間をかけて焼く必要があるため、身が締まり固くなってしまうが、レンジ、グリルのリレー調理のレジグリは、魚の内部から温め、最後はグリルで焼き上げるので、外はパリッと身はホクホクに仕上がる。生魚でも干物でもおいしく焼ける。塩サバ4人分は裏返しの必要がなく約12分で完成。脱臭コースがあるので、魚のニオイ残りを気にせずに次の調理に移ることができる。

レジグリを応用した機能が「サクレジ」。フライや天ぷらなどの揚げ物はレンジであたため直すと、中から油が出るので衣がベチャっとしてしまう。また、オーブントースターやグリルの場合、外からしか熱が来ないので中まで温まるのに時間がかかる。

サクレジモードなら、中からレンジであたため最後はグリルでカラっと仕上げるので、短時間で中身はホクホク、衣はサクッと揚げたて食感に。

ちなみに、三菱電機の「ZITANG(ジタング)」にも「レンジ→グリル」の自動リレーモードがあり違いを確認したところ、ジタングはメニューによって番号などを選ぶ必要はないが、庫内容量13Lで狭く温度センサーが蒸気を感知しやすいため、どんな食材を入れてもセンサーで感知し時間調整するのではないかとのこと。

一方のエブリノは、庫内容量26Lと大きく温度センサーの感度に限りがあるため、ハンバーグ、鶏の照り焼きなどの「レジグリ」専用メニューを設定。それにより食材、分量等を正確に把握し、温度コントロールして調理するという。

〇独自機能その2 新加熱方式「うきレジ」

レンジであたためる際には庫内に直置きするため、マイクロ波が底部に集中して、底部は温度が高い一方、上部は温度が低くなる温度ムラが発生していた。それを解決するため、上部で温まった熱を逃がさないように、セラミックの角皿で閉じ込めながら容器と調理物を浮かせて固定。赤外線センサーが正確に食材の温度を感知し、マイクロ波が全方位から均一に食材に当たることで、温度ムラを約10度低減させることに成功した。

「電子レンジは底にマイクロ波が出るところがあり、直置きだと底部にマイクロ波が集まるので底しか温まらないことから、下だけ温まって上が冷たいというムラが起きます。また、置く場所がずれるとムラができたり効率が落ちるので、温度ムラが出ず確実に中央に置いてもらうには浮かせたらいいのではないかという発想で、うきレジが生まれました。

浮かせると効率が良く加熱することがわかり、浮かせるために角皿を使ってみたところ、結果的にさまざまな調理を効率よくできることがわかりました。角皿はセラミック製でマイクロ波を透過するのでレンジの時でも入れたままでOK。出し入れするのが面倒というお声にも応えることができました」(山根氏)

まんべんなく均一加熱が可能になったことで時間をかけずに大人数分の調理もできる。かぼちゃの煮物は鍋で作ると約30分かかるが、うきレジでは約10分(4人分・以下同)で完成。うきレジを活用すればあさりの酒蒸しが約7分、蒸し鶏が約8分、ラタトゥイユも約15分で完成する。

「開発中に自宅でも試作品としてかぼちゃの煮物を作りましたが、最初は妻から『なんで煮物をレンジで調理するの?鍋でするわ』と言われていたのですが、10分で出来て便利だと気付き、多いときは週に4回かぼちゃの煮物が出ました(笑)。うきレジでもうひとつのおすすめが麻婆豆腐。材料と調味料を入れてレンジ調理すると簡単にでき、豆腐もすが立たずおいしく仕上がります」(山根氏)

ユーザーにとってさらにうれしいのが操作のしやすさ。あたためと機能別のダブルダイヤル式を採用し、レジグリやうきレジはダイヤルから選び、サクレジはダイレクトにコースを選択できる。

オーブンレンジでありがちな本体にごちゃごちゃと書かれたメニュー表示もすっきりさせ、レンジ下部から引き出すメニューボードを採用。メニューボードに記載されている二次元コードからは象印の最新レシピを見ることができる。

間口40.5㎝のワイド庫内で約30㎝のパーティー皿、大きなサイズの弁当もスムーズに出し入れできる。その一方で本体の大きさはコンパクト設計で、一般的な奥行40㎝のカップボードにも収まるサイズ感になっている。

「本当に使ってもらえる機能は限られており、限られた機能でも簡単な操作でないと実際には使ってもらえないので、操作はシンプルで使いやすいことにこだわりました。私自身、電子レンジはあたため、いわゆる『レンチン』にしか使っていなかったのですが、今回開発して分かったのは、本当にいろいろな調理がレンジでできるということ。ぜひ使ってもらえるようにレシピを含めて展開していきたいと思っています」(山根氏)

【AJの読み】レンチンだけのオーブンレンジから調理器具としてのオーブンレンジへ

象印はステンレスマグ(魔法びん)、炊飯ジャー、ホットプレート、オーブントースターなど調理器具を手掛けているが、今までなぜ電子レンジを出していなかったのだろうか?

「『こんな技術があるから作ろう』ではなく、生活者の視点に立ち、生活者のニーズから商品開発を進めることが象印のものづくりのベース。本当に使ってもらえるオーブンレンジを作るために、お客さまの話をじっくり聞いて、機能や性能、サイズにいたるまで検討を重ねました。だからこそ日常生活で使ってもらえる良い製品ができたと自負しています」(山根氏)

筆者自身、オーブンレンジで使う機能は「あたため」「解凍」がメイン。オーブン機能を使うのは年に数回程度だが、角皿の出し入れが面倒、オーブンを使い終わったあと冷却に時間がかかりすぐに使えないなど、面倒ごとが多くできれば使いたくないというのがホンネ。

買ってきた揚げ物もレンジだとベチャとするので、最初にレンジで少しあたため、それからオーブントースターに移して焼くということをしていたが、エブリノはこれを1台で自動に行うので、ユーザーからすると使い勝手がかなり良さそう。

筆者のようにレンチンだけだったオーブンレンジが、日々の料理に活用できる調理器具としてのオーブンレンジになるといった、新しい潮流を生み出すかもしれない。

価格はオープンだが、市場想定売価は6万6000円。約8~10万円台のスチームオーブンレンジに比べるとお得感があるが、一般的なオーブンレンジは3~6万円台の幅広い商品群が展開されており、エブリノの使いやすさと料理の仕上がりがコストに見合うのか、発売後のユーザーの評価を待たれるところだ。

文/阿部純子


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