円安や世界的な物価上昇の影響から、輸入品を中心にモノの価格が上がっています。加えてモバイル業界は〝半導体不足〟という事態も重なり、価格上昇の圧力は厳しい状況となっています。
アップルもその影響から逃れることはできず、2022年7月1日に主力商品の値上げが行われました。
スマホは最先端の電子機器です。もちろん最新モデルが欲しくなるのも当然ですが、実は、ちょっと古いiPhoneを新品で買うのは、賢者の選択かもしれません。
2022年7月下旬現在、アップルストアではiPhoneシリーズのうち、iPhone 13 Pro/Pro Max、iPhone 13/13 mini、iPhone SE(第3世代)、iPhone 12/12 mini、iPhone 11を新品として取り扱っています。
今回注目するのは、5G通信に対応するiPhone 12/12 miniです。iPhone 11も魅力的な製品ですが、5G通信への対応モデルではないので、これから2〜3年以上使うことを考えると、力不足かもしれません。
また、iPhone SEも人気ですが、実はiPhone 12よりも世代が古い旧世代のボディを使っています。チップセットはiPhone SEがA15 Bionicと、iPhoneシリーズ用では最新のチップセットを搭載していますが、ディスプレイ性能やカメラ性能など、相対的な実力はiPhone 12に軍配が上がると言って差し支えないかと思われます。
それでは、iPhone 12/12 miniは賢者の買い物になるのか? 最新のiPhone 13/13 miniと比較しながら確認していきましょう。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniを比較
最新のiPhone 13/13 miniと、1年古いiPhone 12/12 mini。その違いをサイズ、機能、価格面などで比較します。
iPhone 13とiPhone 12のサイズを比較
まずは、iPhone 13とiPhone 12のサイズを比較します。
iPhone 13:幅71.5×高さ146.7×厚さ7.65mm、重量173g、ディスプレイサイズ6.1インチ
iPhone 12:幅71.5×高さ146.7×厚さ7.4mm、重量162g、ディスプレイサイズ6.1インチ
両者は幅と高さは同一。厚さがiPnone 13が0.25mm厚く、重量も11g重くなっています。ディスプレイサイズは同一です。
iPhone 13 miniとiPhone 12 miniのサイズを比較
Phone 13 miniとiPhone 12 miniのサイズを比較します。
iPhone 13 mini:幅64.2×高さ131.5×厚さ7.65mm、重量140g、ディスプレイサイズ5.4インチ
iPhone 12 mini:幅64.2×高さ131.5×厚さ7.4mm、重量133g、ディスプレイサイズ5.4インチ
miniでも幅と高さは同一。厚さがiPnone 13 miniが0.25mm厚く、重量が7g重くなっています。ディスプレイサイズは同一です。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのカメラなど主な機能面を比較
それではiPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのカメラ、チップセット、容量、通信、バッテリー、SIMカードを比較してみます。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのカメラ
iPhone 13/13 mini:デュアル12MPカメラシステム。広角ƒ/1.6 絞り値、超広角ƒ/2.4 絞り値、センサーシフト光学式手ぶれ補正、2倍の光学ズームアウトと最大5倍のデジタルズーム、フォトグラフスタイル
iPhone 12/12 mini:デュアル12MPカメラシステム。広角ƒ/1.6 絞り値、超広角ƒ/2.4 絞り値、光学式手ぶれ補正、2倍の光学ズームアウトと最大5倍のデジタルズーム
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniでは、レンズシステムとズームなど基本性能は同じですが、iPhone 13/13 miniがセンサーシフト光学式手ぶれ補正なのに対して、iPhone 12/12 miniは光学式手ぶれ補正、iPhone 13/13 miniがフォトグラフスタイル対応なのに対して、iPhone 12/12 miniは非対応と、細かい性能でiPhone 13/13 miniが優れますが、圧倒的な差とは言い難いです。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのビデオ
iPhone 13:浅い被写界深度でビデオ撮影(1080p、30fps)ができるシネマティックモード、4Kビデオ撮影(24fps、25fps、30fpsまたは60fps)、ビデオのセンサーシフト光学式手ぶれ補正、2倍の光学ズームアウトと最大3倍のデジタルズーム
iPhone 12:4Kビデオ撮影(24fps、25fps、30fpsまたは60fps)、ビデオの光学式手ぶれ補正、2倍の光学ズームアウトと最大3倍のデジタルズーム
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのビデオ性能はほぼ互角ですが、シネマティックモードやビデオのセンサーシフト光学式手ぶれ補正にiPhone 13/13 miniが対応する点は異なります。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのチップセット
iPhone 13/13 mini:A15 Bionicチップ
iPhone 12/12 mini:A14 Bionicチップ
こちらは1年の登場時期の違いがそのままチップセットの世代に反映されています。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniの容量
iPhone 13/13 mini:128GB、256GB、512GB
iPhone 12/12 mini:64GB、128GB、256GB
iPhone 13/13 miniでは512GBが新たに採用されましたが、最小構成の64GBモデルが廃止になりました。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniの携帯電話通信
iPhone 13/13 mini:5G携帯電話通信
iPhone 12/12 mini:5G携帯電話通信
こちらは共に、5G対応となります。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのバッテリー
iPhone 13:ビデオ再生最大19時間
iPhone 13 mini:ビデオ再生最大17時間
iPhone 12:ビデオ再生最大17時間
iPhone 12 mini:ビデオ再生最大15時間
iPhone 13/13 miniの方がiPhone 12/12 miniに対してそれぞれ2時間ほど長くなっています。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのSIMカード
iPhone 13/13 mini:デュアルSIM(nano-SIMとeSIM)、デュアルeSIMに対応
iPhone 12/12 mini:デュアルSIM(nano-SIMとeSIM)
iPhone 13/13 miniでは、デュアルeSIMにも対応します。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniのカラーバリエーションを比較
iPhone 13/13 mini:(PRODUCT)RED、スターライト、ミッドナイト、ブルー、ピンク、グリーンの全6色
iPhone 12/12 mini:ブラック、ホワイト、(PRODUCT)RED、グリーン、ブルー、パープルの全6色
共に6色展開で販売されています。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniの価格を比較
iPhone 13:128GBモデル11万7800円、256GBモデル13万2800円、512GBモデル16万2800円
iPhone 13 mini:128GBモデル9万9800円、256GBモデル11万4800円、512GBモデル14万4800円
iPhone 12:64GBモデル10万2800円、128GBモデル10万9800円、256GBモデル12万4800円
iPhone 12 mini:64GBモデル8万7800円、128GBモデル9万4800円、256GBモデル10万9800円
容量が異なりますが、iPhone 12/12 miniの最小構成モデル(64GB)はそれぞれ1万5000円、1万2000円、iPhone 13/13 miniの最小構成モデル(128GB)に対して安く購入できます。
128GBモデルで比較すると、iPhone 12/12 miniはそれぞれ8000円、5000円安く購入できます。iPhone 12 miniよりも、iPhone 12の方が割安と言えます。
iPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniはどちらが買い?
ここまでiPhone 13/13 miniとiPhone 12/12 miniを比較してきました。共に秋に正式リリース予定のiOS 16へのアップデートに対応し、サイズや性能的には両者で圧倒的な差は見られません。カラーと容量が自分の好みにフィットするのであれば、iPhone 12/12miniは賢い選択と言えるかもしれません。
今回の価格はアップルストアでの販売価格です。キャリアのショップ、量販店などによっては旧モデルの割引きが大きくなることも十分考えられます。こちらはマメにチェックすることをおすすめします。
ただし、この秋に新しく出るであろう、新「iPhone 14(仮称)」の進化が大幅であった場合は、両者をスキップしてiPhone 14を手に入れる方法もあります。
新旧世代が混在して販売されることが多くなったiPhoneシリーズ。もちろん、最新のiPhoneが性能的に優れているのは原則ですが、ここまでiPhoneが進化した現状、〝ちょっと古いiPhoneを新品で〟という意識で製品をチェックすると、後悔の少ない買い物になるかもしれませんね。
※データは2022年7月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/中馬幹弘