2019年にオープンしたバイカーズパラダイス南箱根。
日本にモーターサイクルカルチャーを根付かせたいという思いで作られた店内は、どこもかしこもバイクだらけ&フォトジェニックな空間。バイク乗りにとってはまさに楽園のようなスポットなのだ。
今年の夏のツーリング先にオススメ!バイカーズパラダイス南箱根の魅力をたっぷりとお伝えしよう。
ライダーの楽園『バイカーズパラダイス南箱根』
バイカーズパラダイス南箱根は静岡県函南町にある。南箱根の尾根に位置し、夏でもヒンヤリと涼しい空気が味わえるのが嬉しい。
都心からのアクセスの良さも抜群で、東京からの距離は85kmほど。日帰りでツーリングするには丁度良い距離感だ。
周辺はアネスト岩田ターンパイク箱根、伊豆スカイライン、芦ノ湖スカイラインといったツーリングスポットに囲まれている。行き帰りに走って良し、周辺で遊んで良しと、ライダーの聖地とも言える好立地なのである。
店内は天井まで続く大きな窓のおかげで明るく、デザイン性の高い洗練された空間が広がっている。直前までクネクネと曲がる峠道を走ってきたことを思うと、まさに異空間!
道の駅など従来の休憩スポットとの違いは、ゲートコスト(入場料)が必要という点。1人につき500円を支払い、支払い済の証明として服にステッカーを貼るのだ。
ひょっとすると入場料に抵抗があるライダーも多いかもしれないが、悪いことばかりではない。その日のうちであれば何度でも入場し直せるため、周辺を走ったあとバイカーズパラダイスで休憩して…と、ツーリングの拠点として使うことができる。
また最大3000台もの二輪・三輪を駐輪できる駐輪場やワンコイン洗車コーナー、月に数回開催されるプロカメラマンによる写真撮影会など、サービスも充実。バイク乗りのためだけに用意された施設と言う意味では唯一無二の存在なのである。(車の駐車場は10台分のため、バイクでの来場がオススメです)
現在はコロナ禍の影響により座席数が減らされているが、本来であれば200席ほどのキャパシティがある。仲間とバイク談議に花を咲かせたり、コーヒーを飲みながら最新のバイク雑誌を読んだりと有意義な時間が過ごせることであろう。
月替わりの展示が魅力的!
店内では1か月ごとにテーマを変えてバイクに関連する展示が行われている。7月はBMWのHeritageシリーズがまるごとジャック。人気のR18シリーズが勢ぞろいしているだけではなく、自由に跨ることができる展示は他ではなかなか見られない。
車体がどっしりと大きく迫力がある。身長156cmの筆者では“乗せられている感”が否めない…。もっと身体が大きければかっこ良くクルーザーを乗りこなせたかもしれないのに!
車両だけでなくアパレルの展示もある。スタイリッシュなジャケットやパンツ、Tシャツやグローブなどに目が行きがちだが、まさかの靴下まで並んでいたのには驚いた。頭からつま先まで、すべてを揃えてこそ真のBMWファン…なのかも!?
カフェでこだわりのランチ
店内のカフェでは、マッキントッシュ製アンプとJBLの大型スピーカーより上質な音楽が流れ、ゆったりとくつろいで過ごすことができる。
素晴らしいのは空間だけではない。ピザやカレーライス、ハンドドリップコーヒーや手摘みのシングルオリジンの紅茶など、こだわりのメニューが用意されている。今回はカレーライス ゆでたまご付(税込1,100円)+ルー&ライス大盛(300円)と、期間限定のジャーマンポテトピザ(税込1,480円)をいただいた。
カレーは具材がトロっとするまでコトコトと煮込まれ、肉や野菜のエキスとスパイスが複雑に絡み合っている。辛くないのにスパイシーで、自宅では真似できない深い味わいだ。ピザは噛むたびにジュワっとベーコン&ジャガイモの美味しさがあふれ出て、耳はカリカリ。期間限定と言わずにレギュラーメニューにして欲しいほどの美味しさだった。
食後は自由にプレイできるバイクゲームに挑戦してみたが…ゲーム経験のない筆者ではなかなか操作が難しい。店内でソフトの販売があり、他で購入するよりも少しお買い得に手に入るのだそう。
屋外スペースもバイク!バイク!バイク!
屋外にもバイクアイテムがギッシリだ。なによりも驚いたのは、物置だと思っていたコンテナの中がギアメーカーの展示スペース兼ショップになっていたところ。
写真はバイカーズパラダイスによるセレクトショップ。RS TAICHIやDAINESEといった人気ブランドはもちろん、BLAUER-HTのアパレル、alpinestarsのエアバッグ体験など他ではなかなか見られないハイセンスなアイテムが並んでいる。
ひと昔前までは、バイクギアといえばダサくてカッコ悪いイメージから逃れられなかった覚えがあるが、コンテナの中に並ぶジャケットはどれもアパレルショップ顔負けのデザイン性の高さ。きっと気に入る一着が見つかるだろう。
お気に入りデザインのジャケットであれば、どんなシチュエーションでも抵抗なく着ることができる。プロテクター入りライディングウェアを着用することで交通事故の際のダメージを軽減できるため、近年のデザイン性の向上は一ライダーとして大歓迎である。
最後に、エントランス前にずらっと並べられた数十台のバイクたち。
これらはすべてバイカーズパラダイスレンタルの1h-Rental(1時間レンタル)用車両。クラスに関わらずどの車両も1時間のみのレンタルで、保険と車両補償費用、ガソリン代も込みで料金は一律税込3,000円!おまけに予約不要、手続きも簡単という珍しいサービスだ。(決済は本人名義のクレジットカードのみ)
レンタル車両の中にはスズキのKATANAやカワサキのZ900RSなど人気車両も含まれる。
冒頭に書いた通り、バイカーズパラダイスはツーリングスポットに囲まれている。憧れのバイクで有名峠を走る体験はプライスレス。購入を検討している車両でリーズナブルに試走できるという意味でも、非常に有用なサービスなのだ。
女子ライダーにもオススメ
バイク専用施設というと女性にとって居心地が悪い場所も少なくないのだが、バイカーズパラダイスは違う。
レンタル車両の中には、女性専用車両と立ちゴケ保証プランが用意されているものも。またトイレは十分な数の個室があり、掃除が行き届いて清潔。明るいパウダールームとフィッティングルームもあり、ツーリング中に崩れたメイクのお直しにも使いやすい。
女性ソロライダーはもちろん夫婦やカップルにも、この夏オススメのツーリングスポットだ。
【バイカーズパラダイス南箱根】
〒419-0101
静岡県田方郡函南町桑原1348-2
https://www.bipa.jp/
営業時間:
平日9:00~17:00
土日祝(6月~8月)7:00~17:00(3月~5月、9月~11月)8:00~17:00
※冬季(12月~2月)は全日9:00~16:30
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.