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【深層心理の謎】いいねと思える瞬間があるほど人生が意味あるものに感じられる理由

2022.07.28

 忙しさに忙殺されて周囲が見えなくなり、好ましい体験が得られる機会を見送ってしまうのはもったいない。たとえ小さなことでも、“いいね”と思える瞬間を味わうことができれば前向きな気持ちにもなれる。些細な“いいね”も積ればこの世に感謝したくなってくるだろう。

池袋の街を歩きながら日常の中の“いいね”について考える

 あまりジロジロ見ては不謹慎だが、街で魅力的な人やお洒落な人を見かければ頭の中で“いいね”をしたくなる。その時にたまたま見える範囲内に居合わせた偶然の出来事なのだが、そうした人物にお目にかかるのは単純に嬉しいし何だか得した気分にもなる。

 こうした体験は一方的にギフトを贈られるような体験であり、自分にとって得でしかない。大げさだが神(的存在)に感謝したくなったとしても決しておかしな話ではない。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 所用を終えた夏の夜、池袋駅の東口界隈を歩いていた。夜9時を回ろうとしている。風もなくまさに熱帯夜だ。あまり長い間歩いているわけにもいかない。昼から何も食べていないことだし、どこかの店に入って何か食べることにしたい。

 街に人と賑わいが戻ってきている。人の数が増えればその中には魅力的な“いいね”と思える通行人を見かけることも増えてくるだろう。事実今日もすでに何人かそういう人を見かけていた。もちろんあまりジロジロ見てはならないが、こうしたことも街歩きの楽しみの1つであることは間違いない。日常の中で得られる“いいね”と思える小さな幸せを大事にしたいものだ。

 あまり意識的に音楽を聴くほうではないが、カフェや商業施設にいる時に耳に入ってきたBGMの楽曲が、よく聴いてみると確かにすごくいい曲であることに気づかされたりもする。先日に某施設で偶然に耳に入ってきたマドンナの曲の『Dress You Up』をよく聴いてみると実にいい曲で、その歌唱力の素晴らしさにも感動した次第だ。もちろん若い時に何度も聴いたことのあるポピュラーソングだが、その時はあまり心を動かされることはなかったように思う。こうした“再評価”の体験も日常の中の“いいね”である。

 明治通りをビックカメラの方へ進み、サンシャイン側へ行く信号は渡らずに左に折れる。西口に通じるガード下の通路「ウイロード」があるが、その前を右折して裏通りを進む。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 そういえば数時間前の夕焼けはなかなかきれいだった。しばらく続いたオレンジ色の空が目に染みてくるようで、しばらく空を見上げてしまっていた。これが都会の街中ではなく雄大な自然の中であったならなおのこと美しい光景になったのだろう。まさに“いいね”と言える夕焼けだった。

 視線が誘われる魅力的な通行人やその良さを再発見した楽曲、そして美しい夕焼けと、ささやかではあるがどれも自分が一方的に得をした“ギフト”である。今の自分が幸せでないはずはないのだ。

価値を確認できる瞬間が人生に意味を与えていた?

 通りを進む。左の線路沿いには「池袋駅前公園」という細長いスペースが広がっている。この熱帯夜の中でも、数人で集まって缶ビールや缶チューハイを傾ける“路上飲み”の面々がけっこういる。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 人生の意味、人生の目的というような壮大なテーマは思わず身構えてしまうものだが、日常生活の中で“いいね”と思える瞬間があれば、幸せで意味を感じられる人生が送れそうである。最新の研究では“いいね”と思える審美的体験が、人生を意味あるものにする最も大切な要素であることを報告していて興味深い。


 実存的問題の経験、人生の目的、そして一貫性の感覚は、現在、人生の意味(meaning in life、MIL)への3つの主要な貢献要素として位置づけられています。

 しかし、MILを判断する際に人々が考慮するすべての情報を網羅しているかどうかは不明です。

 古典的および現代的なMIL学者の考えに基づいて、現在の研究では自分の人生経験を評価すること、または経験的な審美がMILへの別のユニークな貢献を構成するかどうかを調べています。

 7つの研究によって、これらのタイプの評価に対する重要性、目的、および一貫性の寄与を考慮した後でも、経験的審美がMILの主観的判断をユニークに予測するという考えが支持されています。

※「Nature」より引用


 テキサスA&M大学をはじめとする合同研究チームが2022年2月に「Nature Human Behavior」で発表した研究では、人生には意味があるという人々の主観的な感情において経験的審美(experiential appreciation)が最も重要な要素であることを報告している。

 実存心理学の分野において、主観的に意味のある存在であるための3つの要素があるとされそれぞれ、自分の人生が「理にかなっている」という一貫性の感覚と、明確で長期的な目標と目的意識、そして自分の行動が他の人にとって重要であるという信念である実存的問題(existential mattering)である。

 しかし今回の研究はそこに第4の要素として、体験の価値を評価して見出す経験的審美を提案し、人生の意味を見つけるためにこの経験的審美が最も基本的で重要な要素であることを示唆している。

 実験参加者はたとえば先月に体験した最も意味のある出来事を思い出すように求められるなどの課題を通じて、各人の経験的審美が測定された。回答データを分析した結果、ささやかな瞬間を審美することがより意味のある人生を形作ることが確認されたのである。

 たとえば「BBC」の自然ドキュメンタリー『プラネットアース』から抜粋された一連の美しい自然の映像を視聴するように割り当てられた参加者は、2分間の木工の指導ビデオを視聴した参加者よりも体験的審美の気持ちが強かったと報告している。

 研究チームによれば、この世の自然の美しさを体験できる時には、我々の周囲は意味で満ちているという。どんなにささやかなものであっても“いいね”と思えるしっかりとした価値を確認できる瞬間を体験することで、自分の人生には意味があると思えてくるということなのだろう。

熱帯夜に相応しいボリュームたっぷりの焼肉丼をいただく

 暑い。暖められた空気の中を歩いていると額に汗が滲んでくる。早くどこかの店に入ろう。

 コンビニの先には自販機がずらっと並んでいる区画があり、その先に黒い店構えの飲食店がある。看板の店名の下には「焼肉丼」と記されていた。この暑さに焼肉丼は相応しいように思える。夏バテなどしてはいられないのだ。

 入ってすぐの壁際に食券の券売機があった。3種類の肉(カルビ、ハラミ、豚ロース)が少しずつ味わえるという「スペシャル丼」のボタンを押し、サラダとスープのセットも追加してお金を投入する。

 奥行きのある店内でテーブル席はなく、厨房側と反対の壁側に2列のカウンターが伸びている。お一人様大歓迎ということになるだろうか。実際に3人の先客も全員1人客だった。

 お店の人に厨房側のカウンター席に促されて席に着き食券を渡す。ご飯の量を聞かれ中盛りをお願いした。ちなみに大盛りは無料だ。

 まるでカウンターバーのようなすっきりしたインテリアで落ち着く店内だ。テーブルの上に壺があり、フタを取って中を見るとキムチが入っている。好きなだけ取っていいようだ。さっそくトングでひとつかみ分のキムチを壺から取り出して近くに積まれていた小皿に盛ってみる。もちろん急ぐ理由は何もないが、物のはずみということになるだろうか。

 自分の好きなものを食べたい時に食べるのも“いいね”と思えるひと時になるだろう。今のような時間もまた、大げさではあるが自分の人生に意味をもたらす時間ということになる。もちろんそれが到底“いいね”とは思えない失望体験である可能性も初めて入るお店である以上、わずかではあれ残されてはいるのだが……。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 焼肉丼がやってきた。丼の全面に3種類の肉が敷き詰められていて見るからにボリュームがある。さっそくいただこう。

 まずカルビ肉を1枚食べてみると、けっこう甘めの味付けである。これはこれで美味しい。肉を除けると見えてくるタレが染み込んだご飯もなかなかいける。文句なしで“いいね”と思える瞬間だ。

 ハラミ肉は厚みもじゅうぶんで3種類の中で最も食べ応えがあった。しかも嬉しいことに表面からは見えなかった肉も下にいくつか隠れていて、ボリューム面でもいうことはない。

 一瞬でも懸念したのが失礼なくらい“いいね”と思える食体験になっている。牛丼ならいざ知らず、焼肉丼というのは焼肉屋のランチメニューなどで食べるパターンはあるものの、案外レギュラーメニューとしては身近になかったりするものだ。

 ひと昔前、ここ池袋が発祥の「焼き牛丼」のチェーンが人気を集めてたちまち都内と大阪で店舗を増やしたことがあった。飽きられたのかどうかはよくわからないが、ピークを打って下火になるとこれまた瞬く間に閉店ラッシュとなり、確か現在はわずか数店を残すのみとなっている。発祥の地である池袋からも姿を消してしまったのだ。

 自分も話題になりはじめた頃に池袋西口の本店に入って焼き牛丼を食べてみたことがあるのだが、悪くない味で人気も頷けると思った記憶はある。やはり牛肉を焼くという工程があるためか、提供スピードが牛丼のようにはいかなかった点がネックとなったのだろうか。まぁ外野からあまり憶測を述べても仕方がない。

 飲食店経営の難しさを物語る一件ではあるが、一方で長く続いているお店にはお客を納得させ感激さえさせる“いいね”があるということなのだろう。今後も外食という小さな楽しみを大切にしていきたいものである。

文/仲田しんじ


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