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全国的な猛暑なのになぜ千葉県勝浦市だけ涼しいのか?

2022.07.24

千葉県勝浦市の涼しさがTwitterで大バズリ!

2022年は6月下旬から猛暑がスゴかった。

6月25日に過去最速で猛暑日を記録した東京都心は7 月に突入しても猛暑日三昧。一旦暑さも収まったかと思えば梅雨に逆戻りのような雨三昧で、そしてまたさらに猛暑。

気温30度は当然で35度が通常運転の日も多く、家の玄関を出た瞬間に汗がぶわっと吹き出す。こんな不思議な夏、僕は嫌だ!

もちろん東京だけではなく、今年は全国的に記録的な猛暑に襲われているのだが、そんな中ビックリするぐらい涼しいというスポットがSNSを中心に注目を集めている。

その地は、東京が35度を超えているにもかかわらず、同じ関東なのにたまに30度を超えるぐらいで最低気温は20度を切ることも。夜なんかは涼しいを通り越して少し寒い、なんてことも。それはどこか?ココだ!

画像提供:勝浦市観光協会

お分かりだろうか?千葉県勝浦市だ。千葉県の形をしたマスコットキャラ・チーバくんで言うと、お尻の部分だ。実はこの勝浦、1906年の観測開始以降100年以上一度も35℃を超える猛暑日になったことがない“日本屈指の涼しい街”という。

日本気象協会の2週間天気予報を見ても7月25日まで最高気温30度を超える予報はなく、夏のどまん中も最強の避暑地を維持しそうな予感。

ちなみに去年7月の東京勝浦の気温を比べてみても、勝浦は圧倒的に涼しく、30度を超えた日は東京のちょうど半分。極端に言い換えれば「東京の倍涼しい」「東京の2分の1の電気代で過ごせる」…かもしれない真夏の楽園なのだ。

危険な暑さに包まれた日本で一体なぜ勝浦市だけがこんなに涼しいのか?今回、勝浦の涼しさをTwitterでいち早く知らせてくれた気象予報士で気象庁の中の人・テンキノススメさん(@tenkinosusume)に話を聞いた。

ーー勝浦が涼しい理由を改めて教えてください

「基本的に夏に海から吹く風、海風は日中も気温の上昇が少ないため海岸近くは涼しくなりますし、さらに房総半島ならではの理由もあります」

ーーというのは?

「今回のように太平洋高気圧が張り出すなど関東で南よりの風が長時間吹き続ける場合、風によって海の表面の海水は東に運ばれていくんです」

「東に流された表面の暖かい海水を補うように房総半島沿岸に冷たい海水が湧き上がることで海水温が低くなり、海風を涼しくする効果が強まったと考えられます」

「このような状況の中で地形的に海側に張り出し、南よりの海風の影響を受けやい勝浦や銚子が目立って気温が低くなったと思われます」

ーー銚子も涼しいとは!他にも東京都内や関東で涼しくなる可能性のある場所は?

「関東では夏の好天時、午後は南よりの風が吹くことが多いので、南向きの海岸を持つ神奈川県や千葉県、あとは東京湾周辺も群馬や埼玉などの内陸よりは涼しい傾向があります。ただし、湿気はそれなりにあるため単純に気温の差ほど涼しく感じるかは個人差があると思います」

なるほど。複合的な理由によるところが大きいとはいえ、涼しいのは事実。それが100年も続いていることは地元の方にとって誇りであり自慢ポイントかもしれない。

そこで!勝浦の皆さんにも聞いてみた。「勝浦の夏の涼しさは実際にどんな感じ?」勝浦市観光協会の方々に話を聞くと…

「私は電車で通勤しているのですが、毎朝勝浦駅に降り立つと肌寒く感じます」(観光協会・吉野さん)

「夏でもエアコンを一切使っていません。夜は布団をかぶって寝ています」(観光協会副会長)

「勝浦があまりに快適なので夏に東京方面に行きたくありません」(観光協会職員)

やはり、東京と比べても桁外れに涼しいらしい。勝浦の気候がテレビなどのメディアで話題になってから観光協会には毎日数件の問い合わせがあるらしく、涼しいと聞いて訪れるお客さんも増えているとか。

ならば、この夏は勝浦に行きたい!どこに行けばいいですか!?おすすめスポットを教えてください!

「地元の農水産物が並ぶ勝浦朝市は一度体験して欲しいです。豊かな海から水揚げされるカツオ、キンメ、伊勢海老等の豊富な魚介類がたくさん!地元の方とのふれあいも楽しめます」(吉野さん)

画像提供:勝浦市観光協会

「あとはパワースポットとして注目されている遠見岬神社も魅力ですし、大海原と静かな入り江が望める鵜原理想郷の絶景も絶対に外せません!」(吉野さん)

画像提供:勝浦市観光協会

勝浦の人は言う、「勝浦こそ夏は涼しく、冬は暖かい最強の気候」だと。それだけに東京からわずか2時間の距離には近年別荘を持つ人も多いとか。

そんな勝浦に今年7月30日、とんでもない観光スポットが誕生する。レストランと天然温泉スパを併設した複合施設「edén(正式名称:かつうら海中公園滞在型観光施設)」だ。

オールオーシャンビューの複合施設は、地元の食材を使いオープンキッチンで豪快に調理するレストランを始め、勝浦の海を一望できるインフィニティ温泉やサウナを完備。屋外ラウンジスペースではレストランのシャンパンやカクテルを片手に寛ぐことも可能だ。

■『edén』施設概要
施設名:edén(正式名称:かつうら海中公園滞在型観光施設)
所在地:千葉県勝浦市吉尾272勝浦海中公園内
フロア面積:725.1平米(219坪)
フロア構成:1F レストラン/ショップ、2F サウナ付サーマルスプリングスパ(天然温泉スパ)
プロデュース:SALT FACTORY株式会社
運営:ソルト・コンソーシアム株式会社
公式Instagram:https://www.instagram.com/eden_katsuura/

新スポットも誕生し、さらに盛り上がりを見せる勝浦。大自然の恵みに溢れ、心にも優しい勝浦は毎年どんどん暑くなっていく日本においてこれからさらに注目されるスポットになるかもしれない。

ここで改めて、観光協会の吉野さんに地元勝浦の魅力を聞いた。

「美しい砂浜やリアス式海岸が連続する勝浦ならではの海岸線は他では味わえない絶景ですし、魚介類はもちろん、ご当地グルメの勝浦タンタンメンや勝浦の潮風に育まれた地酒など食の宝庫でもあります。快適な気候の中で美味しいグルメと景色を存分に味わってください」

最後に、勝浦がこんなに涼しいのにどうしてチーバくんは真っ赤なボディなのか?調べてみると公式ページにその理由が記載されていた。

「チーバくんは千葉県に住む不思議ないきもの。未知のものに立ち向かうときほど勇気と情熱がわき、からだが赤く輝く」らしい。

いつか、お尻の部分だけ青にして欲しい。

取材協力
テンキノススメさんツイッター
@tenkinosusume

勝浦市観光協会
https://www.katsuura-kankou.net

文/太田ポーシャ

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