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ピンクの観光列車「SAKU美SAKU楽」、レトロなボンネットバスで行く岡山ぶらり旅のすすめ

2022.07.24

今年は岡山が暑い!いや、熱い!

2022年7月1日からスタートした「岡山デスティネーションキャンペーン」にあわせて、「晴れの国」岡山を満喫できる観光コンテンツが各種大充実! 絶景、文化、グルメに、温泉からアートまで、岡山の魅力は多岐に渡るけれど、やっぱり筆者が注目するのは鉄道一択! 今回はデスティネーションキャンペーン開催に合わせて、デビューした新しい観光列車とその沿線の魅力をご紹介します。

新観光列車「SAKU美SAKU楽」デビュー!

今回デビューした観光列車は、ピンクの車体がインパクトあるJR西日本の「SAKU美SAKU楽」。主に金・土日祝・月曜を中心に運行される観光列車。運行日にはJR津山線の岡山〜津山間を1日2往復します。津山線にはこの列車のような定期的に運行される観光列車がなかったので、今回のデビューは注目度も高い!

この列車のコンセプトは「身体も心もあたたかく、美しきを作る旅へ」。名湯・美作三湯を筆頭に見どころの多い岡山県北エリアへの観光に最適だ。外観の淡いピンク色は温泉やおもてなしがもたらす癒しや、岡山県北エリアに名所として点在する桜をイメージ。車内は各席にテーブルを設置して、車内で提供される食事や飲み物が楽しめるようになっています。

さくらの花びらのようなピンクの車体が目をひく

車内には大型のテーブルを装備

車内アテンダントさんが乗務し、観光案内などをしてくれる

車内には地元岡山市建部町出身の水彩画画家、おかだ美保さんが描いたポスターが飾られている。

さて、この列車の最大の楽しみは運行時間帯に合わせて提供される車内飲食メニュー! この列車限定の郷土色豊かなランチメニューやスイーツメニューが提供され、さらに途中駅からは沿線のおみやげが積み込まれ、乗客に提供されるサービスも実施。あらかじめ車内に積み込まれたものを配るのではなく、地域の「モノ」をその最寄り駅で積み込むスタイルは鉄道ならではでユニークなポイント。

実乗レポート! 県北野菜のちらし寿司が楽しめる1号

そんな「SAKU美SAKU楽」に実際に乗車してきたので、実乗レポートをお届けします! 今回乗車したのは津山から岡山を目指す「SAKU美SAKU楽1号」。津山駅発が12:52(金・土休日時)とやや遅めのランチタイムに最適な時間帯に出発するため、車内で提供される飲食メニューもボリュームのあるランチ向けのメニューです。

1号では「寺田シェフ監修特製弁当 岡山県北イロドリちらし」が提供されます。なお、岡山からやってくる2号は岡山県の郷土寿司の一つである、「返し寿司」を特製仕様にした「ホテルグランヴィア岡山監修 特製弁当岡山美作かえし寿司」が味わえます。

津山駅では温かいお見送りが。車内から手を振りかえして応えよう!

津山発となる1、3号で味わえる「寺田シェフ監修特製弁当 岡山県北イロドリちらし」

「SAKU美SAKU楽」の乗車には事前予約が必要で、あらかじめ「せとうち観光ナビ『setowa』」か、一部の旅行会社で旅行商品を購入しておく必要があります。一般的な特急や新幹線の指定席のように、みどりの窓口や指定席券売機では購入できないので要注意! 予約については公式サイトもチェックしてください。

津山駅で駅員さんたちのお見送りを受けて、「SAKU美SAKU楽1号」は岡山を目指して出発! 早速、「イロドリちらし」の箱を開けると名前通りに色鮮やかな品々が目に飛び込んできます。ちらし寿司に使われている野菜は県北産のものを中心にこだわって使用されており、お弁当スタイルではあるものの野菜たちはフレッシュそのもの。ローストビーフもジューシーで肉の旨味も濃い!

途中駅では早速おみやげが積み込まれた模様。1号では途中乗降はできないものの、亀甲、弓削駅に停まり、それぞれ美咲町出身の「アイデア料理研究家makoさん監修スイーツ」と弓削駅からほど近い道の駅「くめなん」より、ひんやりと美味しい特産のゆずと豆乳で作った「プチゆずミルクセーキ」が乗客にプレゼントされます。なお、列車や乗車曜日よってお土産の内容も変わります。

途中駅で積み込まれたおみやげはアテンダントさんが手渡ししてくれます。

弓削駅で積み込まれたおみやげ「プチゆずミルクセーキ」。ひんやり凍ってます!

車内販売では車内限定のSAKU美SAKU楽の「行先表示板(サボ)」のレプリカも購入できる

津山線を代表する旭川の車窓

途中の旭川ビュースポットでは徐行運転のサービスや車内販売も。新鮮野菜のランチメニューやデザートのプレゼントに大満足していると、あっという間に「SAKU美SAKU楽」は岡山駅へ到着。もう少し乗っていたいかも……そんなことを感じる充実時間が過ごせた。

今、巡りたい岡山の観光スポットをご紹介!

岡山といえば日本三庭園の後楽園はあまりにも有名ですが、最近の岡山は本当にあらゆるジャンルを網羅した観光スポットが誕生しつづけています。そんな中から今回は、「SAKU美SAKU楽」が発着する岡山、津山エリアを中心に今年の夏訪れたい観光スポットをいくつかご紹介します。

まず、津山駅から路線バスで15分程度の「グリーンヒルズ津山」では岡山DC期間中に合わせてフォトジェニックな「フラワーガーデン」が登場。25ヘクタールの広大な敷地はただ散策しても心地よい! さらに津山駅から路線バスで30分程度のところにある「奈義町現代美術館」では、最近写真映えスポットとしても注目を集める、「太陽」、「月」、「大地」の展示室があり、「ミュージアム×ナイト 奈義MOCA2022」を開催。雄大な佇まいを持つ奈義町現代美術館で〈光〉〈音楽〉〈映像〉によって、美術館を演出していく夜のイベントが日にち限定で行われます。(要予約)

フラワーガーデンが展開される津山グリーンヒルズ

写真映えポイントとして人気の奈義町現代美術館

そして岡山といえばフルーツも有名! 夏は白桃がシーズン真っ盛り。岡山は今、「フルーツパフェの街おかやま」として、公式サイトで季節のパフェを味わえるお店が一堂に紹介されています。

そんな中、JR岡山駅から直結のホテルグランヴィア岡山にある「ロビーラウンジ ルミエール」では8月31日まで限定で岡山白桃を大胆に使った「白桃パフェ2022」が登場。数量限定ですが、単に贅沢なだけでなく、繊細で洗練された一品をぜひ体感してみて!

感動の味体験ができる、グランヴィア岡山の「白桃パフェ2022」(数量・季節限定2300円)

岡山DCで盛り上がる岡山の各エリア

「SAKU美SAKU楽」だけでなく、岡山DC期間中は岡山県全体で特別な時間が過ごせる企画が満載。JR桃太郎線吉備津駅から徒歩10分の吉備津神社では、普段昇殿できない本殿にあがり拝礼でき、「鳴釜神事」(日にち限定)を体験できます。また、「ジャパンレッド」発祥の地として有名な吹屋ふるさと村では、DC期間に合わせて7月〜9月の日曜日限定で、国内でも希少な存在である「ボンネットバス」が無料で乗車体験できる。赤い石州瓦とベンガラ格子の街吹屋を走る、オールドスタイルのボンネットバスはロマンが溢れ出る光景!

吉備津神社の鳴釜神事

吹屋の街並みをゆくボンネットバス。現存するトヨタ製のボンネットバスはとってもレア!

今でも子どもたちの声が聞こえてきそうな旧吹屋小学校
明治建造で現在では吹屋の歴史などの発信拠点として活用されています

さらにさらに今、岡山では鉄道の祭典「おか鉄フェス」を開催中。岡山エリアは鉄道ファンが愛する国鉄型車両がまだまだ主力で活躍しているだけでなく、日本では唯一の存在となった定期寝台特急列車「サンライズ出雲・瀬戸」も走行するエリア。下り列車は東京駅を21時50分に発ち、岡山駅には翌朝6時27分に到着するので、一日をフルに活用できちゃう。さらに上り列車は岡山駅を22時34分に出発し、東京駅には7時08分着とこちらも便利。いつもは新幹線派のあなたにもおすすめの列車です!

特別な時間が過ごせる「サンライズエクスプレス」
個室主体でプライバシーも万全

「SAKU美SAKU楽」は乗車希望日の1か月前から7日前まで発売。ランチメニュー提供の1〜3号(定期列車併結の月曜日は1、3〜4号)は6000円、スイーツセット提供のその他の列車は5200円(おとな料金。乗車券、食事メニュー、おみやげ含む)。岡山デスティネーションキャンペーンについてはこちらもチェックしてみてくださいね。

取材・文/村上悠太

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