円安ドル高の傾向が続いています。2022年7月14日の東京外国為替市場では、1ドル=139円台を記録。1998年9月以来24年ぶりという円安になっています。
また、アメリカの2022年6月の消費者物価指数は前の年の同じ月に比べて9.1%も上昇。これは40年半ぶりの高い水準となっています。
日本でもガソリン代が高値で推移し、暮らしに不安を持つ人も多いのではないでしょうか。そこで、改めてガソリン代の計算方法をご紹介、今だからこそクルマの利用方法を見直してみてはいかがでしょうか?
ガソリン代の計算はどうやればいい?
ガソリン代の計算は簡単です。まずは、走行距離からガソリン代を計算してみましょう。
走行距離でガソリン代を計算
走った距離でガソリン代を知りたい場合、
・走行距離(km)
・ガソリン単価(円/L)
・使ったガソリンの量(L)
以上のデータがあれば、簡単に計算できます。
まずは「燃費」を計算してみましょう。燃費とは、ガソリン1Lで走れる距離のことです。
「走行距離÷使ったガソリンの量」
で計算します。
では例として、300km走行した時、ガソリン単価150円のガソリンを20L使ったことにします。
例の数値で計算すると、
300km÷20L=15km/L
が燃費となります。
ガソリン代は
「ガソリン単価×使ったガソリン量」
で計算します。
例で計算すると、
150円/L×20L=3000円
がガソリン代となります。
次に燃費から使うガソリンの量やガソリン代を計算する方法についてご紹介します。
自分のクルマのおよその燃費を知っていると、タンクいっぱい(満タン)でどれくらい走れるかの目安になって便利ですよ。
もちろん、渋滞や高速道路での走行、坂道、スピードなどで数値は変わります。
そこで、ちょっと燃費の値を厳しめに計算しておけば、ガソリン切れなどで慌てる心配が減るでしょう。
また、実際の走行では満タンにしても全部のガソリンを使い切れるわけではないので、ご注意下さい。
実際の計算方法です。
・走行距離(km)
・ガソリン単価(円/L)
・燃費(km/L)
のデータを調べておいてください。
消費するガソリンの量は
「走行距離÷燃費」
で計算します。
たとえば、燃費が10km/Lのクルマで500kmの道を走るとします。ガソリン単価は170円/Lとします。
500km÷10km/L=50L。これだけのガソリンを消費することがわかるかと思います。
ガソリン代は
「消費するガソリンの量×ガソリン単価」
で計算します。
例では、50Lのガソリンを消費し、ガソリンの単価は170円/Lとなっていますので、
50L×170円/L=8500円
がガソリン代となります。
同じ距離を燃費が20km/Lで走れるクルマで走行すると、
消費するガソリン量は500km÷20km/L=25Lとなります。
ガソリン代は25L×170円/L=4250円となります。
軽油でも計算方法は同じ
ディーゼルエンジンのクルマを利用している場合は、ガソリンの単価を軽油の単価に置き換えるだけで、計算方法は同じです。
ガソリン代はどれくらい値上がりしているの?
ガソリン代が値上げしているとご案内しましたが、実際はどのような動きをしているのでしょうか? 経済産業省 資源エネルギー庁から詳しいデータが公表されていますので、そちらを確認してみましょう。
ガソリンなどの店頭現金小売価格の全国平均はいくら?
同庁が2022年7月13日に発表した石油製品価格調査の結果の概要を確認してみましょう。
同調査によると、レギュラーガソリンの店頭現金小売価格(税込。以下同)は、1Lあたり172.7円となりました。こちらは直近では2週連続の値下がりですが、依然として高値水準を保っています。また、ハイオクガソリンの店頭現金小売価格は、1Lあたり183.5円となっています。
同年6月27日の調査では、レギュラーガソリンが1Lあたり174.9円、ハイオクガソリンは1Lあたり185.8円となっています。
東京都のガソリン代は高い? 北海道や沖縄県は高いの?
東京や大阪などの大都市圏では、ガソリン代が高いというイメージがあるかもしれません。また、本州と離れる北海道や沖縄などもガソリン代が高いのでは? と思う方がいるかもしれません。
経済産業省 資源エネルギー庁の統計で改めて確認してみましょう。
2022年7月11日の現金価格の平均値は以下のようになっています。
北海道の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:171.0円
ハイオクガソリンの平均価格:181.9円
宮城県の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:166.7円
ハイオクガソリンの平均価格:177.5円
埼玉県の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:167.2円
ハイオクガソリンの平均価格:178.0円
東京都の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:173.3円
ハイオクガソリンの平均価格:182.1円
長野県の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:178.8円
ハイオクガソリンの平均価格:190.0円
愛知県の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:167.8円
ハイオクガソリンの平均価格:178.8円
大阪府の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:173.0円
ハイオクガソリンの平均価格:184.2円
福岡県の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:173.1円
ハイオクガソリンの平均価格:184.1円
長崎県の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:182.7円
ハイオクガソリンの平均価格:193.2円
鹿児島県の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:181.4円
ハイオクガソリンの平均価格:192.2円
沖縄県の2022年7月11日の現金価格
レギュラーガソリンの平均価格:182.3円
ハイオクガソリンの平均価格:191.1円
経済産業省 資源エネルギー庁の統計で、ガソリン代が一番安かった県は宮城県でした。一方、一番高かった県は長崎県でした。その差は1Lあたりで15円ほどとなっています。
ガソリン代の推移
経済産業省 資源エネルギー庁のホームページには1990年8月27日調査からの統計が公開されています。そこで、過去32年でのガソリン代の最安値、最高値を確認してみました。
同庁の統計による、レギュラーガソリン現金価格の全国平均で1990年8月27日以降の最安値は、1998年10月26日の1Lあたり91円です。この91円という価格は、199年6月7日調査でも記録されているので、この時期がここ30年あまりでガソリン代が安かった時期といえそうです。
逆に最高値は2008年8月4日の185.1円です。同年は月別で9番目までの高値を占めており、2008年7月7日調査から2008年9月1日までがワースト10に入っているので、この時期がガソリン代がいちばん高かったといえそうです。
また、直近では2022年3月14日の1Lあたり175.2円がちょうど10番目の高値。2022年7月11日調査の172.7円もワースト24番目に入っており、2022年はここ30年あまりで2番目に高値の時期と推測できるでしょう。
2008年水準で考えると、レギュラーガソリンの現金価格が180円を超えてくると「かなり高い」、危険領域になるかもしれません。
10年前に比べてガソリン代は高い? 安い?
それでは、2012年7月9日調査以降の直近10年でレギュラーガソリンの現金価格の推移を確認してみましょう。
2012年7月9日のレギュラーガソリン現金価格の全国平均値は139.4円でした。それから比較すると、2022年7月11日が172.7円なので、33.3円値上がりしたことになります。
最安値は2016年3月7日の112.0円です。そこに比べると、60.7円も値上がりしたことになります。最高値は2022年3月14日の175.2円。2016年2月〜4月にかけて、ワースト10に入る月が多かったのですが、直近の6〜7月もワースト圏内に入っており、直近のガソリン代の値上がりは予断を許さない状況にあるといえそうです。
クルマの使い方を見直して賢いカーライフを!
さて、ガソリン代の計算方式、ここ30年ほどのガソリン価格の推移をご紹介しました。経済産業省 資源エネルギー庁の統計値からも、ガソリン代が高くなっていることを実感されたのではないでしょうか?
世界的な円安やインフレ、不安定な国際情勢などを考えると、しばらくガソリン代は高値水準で推移しそうな気配です。クルマでの走行についてはムダを省き、生活費への負担を減らす工夫が必要かと思われます。
また、ここ最近は高性能なハイブリッド車や電動自動車(EV)、低燃費な軽自動車などが増えてきています。長い目で見ればクルマの買い換えを検討するのも、現実的な判断なのかもしれませんね。
文/中馬幹弘