筆者の母方は、揃いも揃って若い頃から眼鏡をかけていた。そんな中で筆者だけは裸眼で生きられるだけの視力を持っていた。
ではなぜここ数年は眼鏡を使っているのかというと、何と言うことはない「職業病」である。毎日何時間もスマホやPCの画面を見つめていれば、視力も下がって当然だ。
これが近い将来、老眼と相成ったらどうすればいいのか?
そんなことを悩んでいる最中、筆者は『HUAWEI Eyewear』という製品のプレスリリースを見つけた。レンズ交換ができるオーディオグラス、とのことだ。
驚くべき「普通感」
オーディオグラス、つまりテンプル部分にスピーカーが内蔵された音響機器である。
これはもちろん、スマホとBluetooth接続することができる。マイクも搭載されているため、オーディオグラスを使って通話することも可能だ。
音楽を視聴している最中の曲送り、音量操作等はテンプルに搭載されたタッチパネルで行う。
『HUAWEI Eyewear』もそのような製品だが、実際に現物を手に取ってみると「普通感」に驚かされてしまう。
そう、これは誤解を恐れずに言えば「普通の眼鏡」なのだ。度付きのレンズを取り付けて、普段使いの眼鏡としても十分活用できる。
数年前までの「オーディオグラス」と銘打った製品は、いずれも「普通の眼鏡」とは言えないほどの不格好な代物だった。
テンプルがやたらと太くゴツく、見るからに「これはガジェットだな」ということが分かるほど。こんなものをかけて街を歩きたくない!
故に、『HUAWEI Eyewear』の「普通感」は技術の進化の証明であるとともに、開発陣の努力の賜物と言えるのだ。
空気を読んでくれるオーディオグラス
『HUAWEI Eyewear』の指向性セミオープンスピーカーは、巨大な音響機器を耳元に持ってきたかのような臨場感だ。
しかし、それ故に懸念点もある。耳を塞ぐ設計ではない以上、どうしても音漏れが生じてしまう。
テンプルが振動するほどのダイナミックな音響であるのはいいのだが、たとえば静かな場所での音声通話では会話の内容がダダ洩れになってしまうのでは……。
心配無用。何とこの製品、静かな場所を検知すると自動的に音量を下げてくれるのだ。このような表現は適切かどうかは分からないが、「空気を読んでくれる」のである(これは通話時のみ有効の機能)。
そして『HUAWEI Eyewear』で音楽を視聴している際、顔から眼鏡を外したら再生中の曲を一時停止する機能も搭載されている。
これは地味だが便利な機能だ! この製品の開発者は「自分の作ったものはこのような使い方をされるだろう」という想定を事細かく巡らせているらしい。
店舗でレンズ交換もできる!
筆者はこの『HUAWEI Eyewear』を装着して、自宅の近所をジョギングしてみた。
とはいっても、何しろこの暑さである。無理したら熱中症にもなりかねない。早々に引き上げることを前提で走ったが、それでも30分は身体を動かした。
その間、『HUAWEI Eyewear』をスマホに接続させて音楽を再生。ワイヤレスイヤホンとは違い、途中でズレ落ちる心配はない。ひとつ残念な点があるとしたら、レンズがサングラスのそれではなかったということだ。
レンズ交換は全国の「OWNDAYS」店舗で受けつけているため、いざとなればそこへ持ち込んでもいいだろう。
無論、度付きレンズに交換することもできる。何度でも書くが、これは眼鏡なのだ。そうである以上、レンズ交換できなければどうしようもない。
バッテリー持続時間は音楽視聴の場合は最大約6時間、連続通話は約4.5時間。その上でIPX4防水規格も有しているため、突然の降雨でもビクともしない。
形状のラインナップはウェリントン型ハーフリムとフルリム、そしてボストン型フルリムの全3種。
そして、ここまで書いて気づいたのだが、『HUAWEI Eyewear』は2つのデバイスに同時接続することができる。
この記事を書いている最中も、PCとスマホの両方に接続して音楽を聴きつつビデオ会議に備えている。
この機能がないと、ビデオ会議の予定時刻直前に「スマホの接続を切ってPCにつなぐ」という面倒な作業をしなければならない。
てかこれ、下手なワイヤレスイヤホンよりよっぽど便利だぞ!?
テレワークを進化させるガジェット
『HUAWEI Eyewear』は現在、メーカー公式ショップにて3万2,780円の価格で販売されている。
最近は1万円を切るワイヤレスイヤホンも珍しくない中、3万円越えのオーディオグラスはやはり安くない。
大抵の人にとっての3万円は、1ヶ月分の食費である。
しかしそれだけの可処分所得を割いても惜しくないほどのスペックを秘めていることは、この記事の中でしっかり書かなければならない。
製品にとってより重要なのは、売値ではなく付加価値である。
そして『HUAWEI Eyewear』を手に入れたその日から、より進化したテレワークに臨むことができるはずだ。
【参考】
HUAWEI Eyewear
取材・文/澤田真一
DIME8月号はウエアラブルの大特集、豪華付録はLEDテープライト250
大特集は「仕事も暮らしもジブン最適化! 超快適!ウエアラブル」
ついに発表されたグーグル初のスマートウォッチ「Pixel Watch」から約130インチの映像をどこでも気軽に視聴できる「Nreal Air」まで、注目のウエアラブルデバイスが続々登場。中でも、単体で使える機能が充実し、スマホ全盛時代の終焉を告げる「ポストスマホ」の本命デバイスを、WATCH、MOBILE、HOME、SPORTS、WORK、HEALTH CAREのカテゴリーに分けて編集部がセレクト。その実力を検証した!
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