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見た目だけじゃなく味も本物に近い!鶏卵を使わない「プラントベースエッグ」って何?

2022.07.23

卵は動物性であることから、プラントベースにはなりえない。しかし近年は鶏卵を使わず、植物性原料をもとにした卵を再現する「プラントベースエッグ」が生まれている。すでにプラントベースフードとしては定着していたが、このほど、さらに進化を遂げ、鶏卵に近しい味や食感、見た目を実現するようになった。

今回は、2foods×カゴメの「Ever Egg(エバーエッグ)」とキユーピーの「HOBOTAMA」シリーズの開発経緯やこだわりを探った。

1.2foods×カゴメ「Ever Egg(エバーエッグ)」

「Ever Egg」店頭販売価格 1個 390円(税込)

オムライスといえば、ふわふわとろとろとした食感が特徴だ。そんなオムライスのふわとろ食感を実現したことで、話題を呼んだプラントベースのオムライスがある。それは、TWOが手がけるプラントベースフードブランド「2foods」がカゴメ株式会社と共同開発した「Ever Egg(エバーエッグ)」を使ったオムライスだ。

応援購入サービス「Makuake」で発売開始してから4時間で目標金額に到達。最終的には6倍を超える金額を達成した。このプラントベースオムライスを食べた人からは「本物の卵かと思った」「食感がふわとろですごい」などの声が挙がったという。

Ever Egg単体はスクランブルエッグやオムカレー、かつ丼などに自由にアレンジ可能。

一般販売を望む声が多く、2022年6月1日から2foodsの各店舗および公式オンラインショップで、オムライスと「Ever Egg」単体の冷凍タイプの発売を開始した。同社はプラントベースメニューを提供するカフェも運営しているが、店舗メニューとしても、このプラントベースオムライスは注文数上位の人気メニューだという。

2foods PR 牧野 彩子氏は、Ever Eggの味と食感へのこだわりについて次のように話す。

「“ふわとろ”食感を実現することにこだわりました。大豆不使用で大豆臭さもありません。また卵とは違い、電子レンジや湯せんで温めることで熱を加えても固まらず、ふわとろ食感はそのままなのも特徴です」

●開発経緯

「エバーエッグオムライス」(プラントベーストマトケチャップ×2、プラントベースデミグラスソース×2)オンラインショップ価格 5,400円(税込)(数量限定)

2foodsはハンバーガーといったフードや、ガトーショコラやアイスクリーム、レアチーズケーキなどのスイーツ系などプラントベースで幅広く商品開発している。そうした中、Ever Eggはどのような経緯で開発がされたのか。牧野氏に尋ねたところ、次のように回答する。

「プラントベースエッグの開発の際、課題となったのが食感です。国内外ではすでにプラントベースエッグは流通していますが、目指していた食感とは異なるものでした。

卵のようなタンパク質を含む食品をプラントベースで実現する際には、大豆など豆類が主な成分として使われますが、大豆のボソボソした食感や大豆独特のにおいが課題となっており、非常に大きな壁でした。そこで、目指していた“ふわとろ”食感を実現するために大豆を使わない選択をしたのです。ニンジンや白いんげん豆を原料に使用し、カゴメ社と共に新たな独自技術『野菜半熟化製法(国内特許出願中)』で、製品化に至りました。ニンジンなどの野菜の色を活かすことで、着色料を使わずに鮮やかなたまごの黄色を実現しています」

Ever Eggを使ったプラントベースオムライス「エバーエッグオムライス」が作られたのはなぜか。

「『プラントベースフードであることに驚きを感じてもらえるメニュー』として興味を持っていただくこと、そして2foodsが掲げている『ヘルシーなのにやみつきになる美味しさ』を表現できるメニューであること、さらに120年という長きにわたり、野菜の真価を追求してきたカゴメ社が、これまで培ってきた商品開発の技術やアイデアを活かすることができるメニューであることから、エバーエッグオムライスをメニューにすることを決めました。そして、世代を問わず愛されているメニューであることを考慮して、検討を重ねました」

●今後の展望

今後は、どのような展開を考えているだろうか。

「現在、日本国内においても、プラントベースフードの市場は拡大していますが、まだヴィーガンやフレキシタリアン、環境やエシカルに対して意識が高いなど、一部の限られた人のためのものという印象もあるかと思います。直感的に美味しいと思わないと、一般的に普及することがむずかしいと考えており、2foodsでは“ヘルシージャンクフード”というコンセプトで、プラントベースフードが持つ『ヘルシー』さという機能的な面と、ジャンクフードのような『やみつきになるような美味しさ』という情緒的な面が両立するような商品開発を引き続き行っていきます。

『純粋においしいから食べる』というように、誰もが気軽にプラントベースフードを選択でき、多くの人がプラントベースに触れる最初のきっかけになれたらいいと考えています」

現在、「Ever Egg」と「Ever Egg」を使用したプラントベースオムライスは2foodsの各店舗および公式オンラインショップで、冷凍タイプのものを入手できる。

また、2foodsの各店舗では「Ever Egg」を使用したオムライスメニューが食べられるほか、デリバリーも利用可能だ。ぜひその味わいを試してみよう。

キユーピー「HOBOTAMA(ほぼたま)」

キユーピーは、2022年3月からオンラインで「HOBOTAMA(ほぼたま)」 というプラントベースエッグを販売している。種類は2種類で「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」と「HOBOTAMA 加熱用液卵風(えきらんふう)」がラインアップされている。

左から「HOBOTAMA 加熱用液卵風」182円(税込)、「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」214円(税込)

植物性原材料を主体にし、卵のような彩り、食感、風味を再現している。加熱用液卵風は袋から出して加熱してオムレツやチャーハン、ホットケーキなどに調理でき、スクランブルエッグ風は袋から出してそのまま食べられる。

販売開始から好評で、当初の年間計画の2倍の売り上げを見込んでいるという。

同社の家庭用本部 松岡氏、研究開発本部 磯部氏、古川氏は、次のように解説する。

「加熱用液卵風は、液卵の代わりに汎用性を持って使用できるように、様々な料理との相性を考え、よりプレーンな味わいに仕立てています。加熱調理することで、卵焼きや炒り卵のような食感をお楽しみいただけます。スクランブルエッグ風はそのまま食べていただくことを想定し、プレーンな風味でありながらもコクのある味わいに仕立てています。食感においては半熟でとろっとした食感にこだわっています」

●開発経緯

「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」の調理例

開発は、どのように行われたのだろうか。

「加熱用液卵風は、植物由来の食材の中で、卵らしい固まり方(加熱凝固性)を再現することが初めての試みだったので苦労しました。より卵らしい形状や色、味を、妥協することなく突き詰めた結果、完成しました。

スクランブルエッグ風は、ホテルの朝食で出されるシェフが手作りしたスクランブルエッグをイメージして、コクのある味わいと、ほどよい半熟感を再現しました。特にとろっとした食感とシズル感の再現にこだわっています」

キユーピーといえばマヨネーズ。卵はマヨネーズに欠かせない食材だ。卵のことはとことん知り尽くしている。今回のプラントベース化についてもその知見と技術が活かされた。

「キユーピーグループは日本で最も卵を多く扱い、卵に精通したメーカーです。これまでも、長年培ってきた味作り・半熟加工・調理加工の技術を生かしてさまざまな卵加工品を開発してきました。本商品もその一環です。

コーポレートメッセージ『愛は食卓にある。』に込めた想いのもと、サラダとタマゴを中心に、『おいしさ・やさしさ・ユニークさ』をもって世界の食と健康に貢献することを目指しています。今後は、食にまつわる課題解決や新たな食シーンの創出に向けて、プラントベースフードの分野においても商品開発を進め、お客さまに“多様な食の選択肢”を提供していきます」

「HOBOTAMA 加熱用卵液風」の調理例

現在は東京都、神奈川県、千葉県の一部エリア限定で、Amazonフレッシュにて販売されている。今後、年内をめどに販売エリアの拡大予定があるという。

プラントベースエッグは、さらに進化を遂げており、卵料理の美味しいポイントである、ふわふわとろとろ食感が、さまざまな再現されている。その味わいをぜひ楽しんでみよう。

【取材協力】
2foods「Ever Egg(エバーエッグ)」
キユーピー「HOBOTAMA 加熱用液卵風」「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」

取材・文/石原亜香利

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