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ヤッホーブルーイング井手直行社長に聞く、チームづくりに欠かせない「経営理念の自分事化」

2022.07.25

日本のクラフトビール界のリーディングカンパニー、ヤッホーブルーイング。フラッグシップの「よなよなエール」をはじめ、「水曜日のネコ」「インドの青鬼」など独特のネーミングの製品で新しいビールを体現し、日本のクラフトビールをリードしてきた。その活力は“フラットな組織”から生まれてくる。働きがいをリサーチするGPTWジャパンの、日本における「働きがいのある会社」ランキング中規模部門」に6年連続選出されているが、社員はどんな働きがいを感じているのか。井手直行社長にインタビューした。

その1はこちら

井手直行/ヤッホーブルーイング代表取締役社長。1967年福岡県生まれ。国立久留米高専電気工学科卒業。電気機器メーカーや環境アセスメント事業会社、軽井沢の広告代理店を経て、1997年、ヤッホーブルーイング創業時、営業担当として入社。2008年より代表取締役社長。ニックネーム「てんちょ」はインターネット通販「よなよなの里 楽天市場店」で店長だったことに由来。

知的な変わり者が集まって「出る杭を伸ばせ」

ヤッホーブルーイングは以前から多様な人材を採用している。今をときめくダイバーシティだが、ただでさえチームメンバーをまとめるのは簡単ではないだろう。それが多様性にあふれたメンバーとなれば、さらに大変に違いない……と思うが、ヤッホーブルーイングは多様な人材でどうチームアップしているのか。まず前提として井手氏は、

井手 最初に、採用の時点で、当社の経営理念に共感できる人だけに絞られます。

ヤッホーブルーイングの経営理念は、ミッション「ビールに味を!人生に幸せを!」をトップに、ビジョン、カルチャーなどの理念が、整然と並ぶ。そのなかで目につくのがカルチャーにある「ガッホー文化」だ。ガッホーは「頑張れヤッホー」の意味で、その具体的な概念は、「フラット」「究極の顧客志向」「自ら考えて行動する」「切磋琢磨」「仕事を楽しむ」「知的な変わり者」「チームではたらく」の7つである。「知的な変わり者」が妙に光る。どういう意味なのか。

ヤッホーブルーイングのガッホー文化の概念図。この夏、リニューアル版が登場する予定。新コピーは井手社長が作るのではなく、社員がプロジェクトを組んで議論しながら作成している。

井手 知的な変わり者でいようというのが、私たちが大事にしているところです。「知的」というのは、文字通りしっかり勉強して知識を身につけること。「変わり者」というのは、変なことをする人ではなくて、人間、あることに常識ハズレに詳しかったり熱心だったりすると、「あの人、ちょっと変わっているよね」と言われるでしょ? 知的な変わり者でいようというのは、マーケティングでもアカウンティングでも、チームビルディングでも、どの分野でもいい、誰にも負けない、変わり者と思われるくらいスペシャルなものを身につけようということです。

そうした人がチームに集まっていると、変わり者同士が何かしら化学反応を起こしてイノベーションが起きやすくなる。各自の強みを伸ばすということ。私たちはよく「出る杭を伸ばす」と言っています。知的な変わり者、これがガッホー文化を発展させていく切り口だと思います。

社員の“得意”を可視化して化学反応を起こす!

強みや得意分野は、自分ではなかなか気づけなかったりする。特に、若手は自分のよさを自覚しにくいのではないだろうか。

井手 当社では客観的に資質を見るストレングスファインダーという診断テストを採用しています。これで得意を可視化することができるんです。その上位5つの資質を、私は今日もこのように首から提げて、開示しています。

井手氏の資質上位5を記した名札。

私のいちばんの得意は「戦略性」なんです。仕事の話をするときもしょっちゅう「戦略が〜」「戦略的に〜」と話している。「指令性」も上位です。人に指示を出すのが得意。「みなさん! 注目っ!」とか(笑)

資質を客観的に診断し、得意項目を自身が自覚するだけでなく、いっしょに働くチームメンバーも知ることになる。

井手 開示するだけではなく、お互いに理解することで、チームとしての力が劇的に上がります。ジグソーパズルみたいなもので、ピースにデコボコがあるように、いろんなメンバーがいてデコもボコもある。だれかの不得手なところは、それを得意としている人が補えばいい、そうやってデコボコをはめていくことで一枚のジグゾーパズルが完成します。

チームのメンバー構成は毎年のように変わっていきます。ほかのメンバーの得意、不得意などの資質を見ながら、自分の強みに特化した仕事に集中していけるようになる。強みを活かした仕事に集中すれば、本人も楽しい。何といっても仕事は楽しいほうがいいのです。モチベーションも上がり、成果も上がるという好循環につながります。

各メンバーの得意、不得手を的確に見抜き、それをチームが理解して補完し合うことが、チームの成果の最大化につながる。

ちなみに井手氏には「仮装大好き」の面もある。

井手 私は人前に出て目立つことが好きなんです。自我という資質なのですが、人に見られるほどパフォーマンスが上がる資質です。テレビの生放送でもぜんぜん緊張しないし、目の前に1000人いるライブにおかしな仮装で登場して、「わあ!」と反応があると、もううれしくてしょうがない。人から「あの社長ヘンね」と言われるわけですが、そういうのが得意なんですね。

次の製品発表会に、どんな仮装で現れるのか、楽しみだ。

経営理念を自分ごとにブレイクダウンする力

経営理念に共感できることが大前提と、井手氏は話した。経営理念というと、とかくスケールが大きく、抽象的でピンとこないきらいがある。ヤッホーブルーイングの経営理念は、どのように社員にどう浸透しているのだろうか?

井手 「ビールに味を!人生に幸せを!」に共感する人しか入社してこないのですが、経営理念は毎年アップデートしていきます。そして経営理念を核に、リーダーが部門ごとの戦略に、チームごとの戦略に落とし込んで行きます。ひとつひとつの仕事が経営理念に紐付いていることが重要ですね。

そして社員ひとりひとりが会社のミッションやビジョンを、自分ごとにブレイクダウンして仕事する。社員から見れば、自分の今日やった仕事が会社の理念、成果に紐付いていることを実感できることが大事です。

ヤッホーブルーイングでは、ふつうの会議や打合せでも、徹底していかに経営理念に沿っているかを検証しながら議論を進めていくという。「ウチのミッションは〜」「それはビジョンからするとちょっと〜」というフレーズが日常的に使われる。「今の発言はフラットじゃないよね」とか。

井手 そうやって日々の仕事のなかで経営理念を体現していくことが大事です。現実の仕事や働き方に理念が生きているから、経営理念が創業時につくったままではなく、進化していくことができます。

イノベーションが生まれやすい組織づくり、その基盤は経営理念のみならず、その浸透の仕方にあるようだ。

井手 経営理念が有効に機能しているからこそ、多様なバックボーンの社員が同じ目的に向かっていけるんですね。イノベーションはただ多様な優秀な人物が、自由にどんどんアイデアを出せば生まれるのではありません。ある一定のベクトル、理念の範囲、その範囲で同じ方を向いて進んで初めて生まれるのだと思います。

優秀なだけでも、優秀な人が集まるだけでも不十分。その得意技をそれぞれが伸ばし合い、穴は補完し合えるチーム力があってこそ成果が出る。リモートワーク時代に入った今、チームの働き方を考えていくことが、働きがいのある会社に、イノベーションを起こせる会社に成長できるのではないだろうか。

取材・文/佐藤恵菜


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