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燃油サーチャージが高騰!ポストコロナのタイ旅行はどう変わった?

2022.07.21

カゴから解き放たれた鳥になったような気分だった。約2年半ぶりの海外旅行である。行き先はタイの首都バンコク――以前はこの街に足繁く通っていたのだが、いまや遥か宇宙の惑星のような遠い存在に感じられていた。

そろそろ海外旅行を解禁してもいいだろう、と考える人も増えてきたのではないかと思う。筆者と同じように、行くならまずはバンコクかな、という人もきっと少なくないはずだ。そこで、「久々にタイ旅行に出かけたらこんな感じだった」というレポートを、この場を借りて3回に分けてお届けしたい。

 パスポートはどこにしまった?

いざ旅の計画を始めてみると、いきなり壁にぶつかった。ブランクが長かったせいで、自分でも信じられないほど色々と忘れてしまっていたのだ。スーツケースはどこへしまったっけ。パスポートや外貨紙幣は? 家の中を右往左往しながら旅に必要なものを探した。やがて、それらを無事発見したものの、なんとパスポートの有効期限が切れていたから驚いた。

まずはパスポートを取り直すところから始めなければならなかった。新宿の都庁地下にあるパスポートセンターへ向かった。パスポートは即日発行ではなく、申請と受け取りで二度訪れる必要がある。面倒だが、初めて海外旅行をしたときのことを思い出して少しワクワクした。

新たに交付されたパスポートは、これまでのものとはデザインがガラリと変わっていた。ペラペラめくると、スタンプを押すページには葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景」があしらわれている。描かれているのは富士山など、これぞ日本とでもいうべき名風景の数々。いかにも外国人ウケが良さそうなデザイン、という感想だ。

変更になったのは2020年3月というから、ちょうどコロナ禍と重なっており、この新デザインを手にしている人のほうがまだまだ少数派といえそうだ。

遂に開国したタイランドへ!

自粛生活が長引く中、日本を出国するチャンスを虎視眈々と狙っていた。決め手となったのは、タイが開国したことだった。そう言うと大げさに感じられるかもしれないが、文字通り「開国」と言っていいだろう。タイは新型コロナウイルスによる入国規制を段階的に解除してきたが、2022年7月1日に遂に規制がほぼ全面的に撤廃された。

ほぼと書いたのは、ワクチン接種証明書あるいは渡航前72時間以内に取得したPCR検査陰性証明書(医療機関で受けた抗原検査の陰性証明書でも可)が必要だからだが、これはそれほど難しい条件ではないだろう。とくに既にワクチン接種済みの人にとっては、実質的に無条件で入国できるといっていい。

ワクチン接種証明書はアプリで簡単に取得できる。必要なものはマイナンバーカード、NFC対応スマホ、パスポートの3つ。各市区町村で紙の証明書も発行できるが、必要書類を揃えたり、それらを郵送したりと結構手間がかかる。しかも申請後、発行されるまでに1週間~10日もかかる(東京都世田谷区の場合)ので、アプリがおすすめだ。

タイ入国に際しては、ワクチンの種類ごとに規定の接種回数が定められている。日本で一般的なファイザーやモデルナなら2回。3回目はまだ、という人でも問題なく渡航できる。

羽田空港での搭乗手続き時に、接種証明書の提示を求められた。スマホの画面にアプリを表示させ、それを見せればオーケーだった。

バンコク到着時にも、飛行機を降りて搭乗橋からターミナルビルに入ったところでスタッフが待機しており、ワクチン接種証明書のチェックがあったが、これまたスマホの画面を見せるだけで数秒で終わった。チェックといってもだいぶゆるい雰囲気で、気がつかなかったのか(あるいは故意なのかはわからないが)立ち止まらずにサササーッと通り過ぎて行く人もいて、そういう人を呼び止めることもしていなかったのが印象的だ。

タイへの入国には、5月までは到着時の検査と隔離が必要だった。6月に入ってそれは撤廃されたが、事前申請による「タイランド・パス」への登録と、コロナ治療に対応した1万ドル以上の保険への加入が最後のハードルとして残っていた。そして遂に7月からはタイランド・パスも廃止になり、保険加入も不要となった。前述したようにワクチン接種証明さえ求められるものの、これまでと比べると格段に楽になったのは確かだ。

どちらかといえば、問題は帰りだろう。日本の水際対策が要注意なのだ。タイの出国前72時間以内に現地でPCR検査を受け、陰性の検査証明書を検疫所へ提示しなければならない。これが正直、厄介だ。検査を受けるために、海外旅行中の貴重な時間を消費することになる。たとえ無症状であったとしても、検査結果が「陽性」だったら帰国できなくなってしまう。

タイ同様、日本もこれでも以前よりはグッと緩和されてはいる。5月以前のタイ旅行では、日本の空港に到着時に抗原定量検査を受けなければならなかった。当然、それで陽性になれば隔離となった。ワクチン3回目未接種者は自宅待機も必要だった。6月以降はそれらが撤廃され、帰国時の検査も自宅待機も要らなくなった。

出発前に、海外旅行保険に加入した。かつては保険はカード付帯のもので済ませていたが、いまは状況が違う。保険加入の義務はなくなったとはいえ、検査結果で陽性になったら、帰国できるまでの滞在費用や、帰りのフライトの変更費用など莫大なコストがかかる。それらをまかなうことができる保険にネットから加入手続きした。3泊5日で2000円程度だった。

燃油サーチャージが高すぎる!?

バンコク行きの航空券はANAのマイルを使って発券した。つまり、タダである。筆者はクレジットカードのポイントを自動でマイルに移行するように設定している。普段の買物などで自然とマイルが加算されていくのだが、長いこと日本を出ていなかったせいで使う機会が少なく、たまる一方だったのだ。

ただし、特典航空券でも税金や燃油サーチャージは実費となる。航空券自体はタダとはいえ、それら諸費用がバカにならない。とくに昨今は燃油価格が高騰しており、燃油サーチャージが驚くほど高額だ。2022年7月現在、日本~タイ間の燃油サーチャージ(往復)はANAが40,800円、JALが39,200円、タイ国際航空が250米ドル(約34,500円/エコノミークラス)。

燃油サーチャージは発券するタイミングによって価格が変動する。これらは6月1日~7月31日の期間に発券した場合の価格だ。実は今回発券したのは5月31日だった。そのときは各社の燃油サーチャージはだいたい上記の半額ぐらいだった。翌日から倍額になると知って、大慌てで予約・発券したのだ。

ちなみに8月1日からは、さらに金額が跳ね上がることが決まっている。ANAが51,600円、JALが49,400円、タイ国際航空が280米ドル(約38,600円/エコノミークラス)。燃油だけで4~5万円となると、さすがに割高感は否めない。

燃油価格が高騰しているときこそ、LCCを活用する手もある。成田~バンコク間には新興のZIP AIRが2020年10月から就航している。コロナ禍での新規就航だったことで、まだ知名度こそ低いものの、国際線でもネット接続が無料だったりして、周囲の旅仲間に聞くと評判はいい。筆者も近いうちに乗ってみようと思っている。

さらにはLCCでは7月4日からタイ・エアアジアXが2年4ヵ月ぶりに運航を再開した。まずは成田便が就航し、10月からは関空、新千歳便も就航予定だ。以前はバンコク側はドンムアン空港に発着していたが、スワンナプーム空港に変更になっている。格安旅行の代名詞的存在だったエアアジアの動向には要注目だ。

ANAのマイルで発券した今回のフライトだが、実際に搭乗するのはタイ国際航空のフライトだった。両社は同じスターアライアンスに属し、コードシェア便という形で機材を相互に活用している。前述した金額をもう一度見てほしいが、燃油サーチャージはANAよりもタイ国際航空のほうが安い。ANAで特典航空券を取る際にもこれは反映されるので、ANA便ではなく、タイ国際航空の提携便を予約したほうが燃油サーチャージを節約できることは覚えておきたい。

タイ国際航空を選ぶ際には密かに葛藤もあった。同社はコロナの影響を受けて2020年5月に経営破綻し、現在事業再建中である。実は筆者は2020年のGWにタイ旅行を計画していて、同社のフライトに予約を入れていた。2020年のGWといえば最初の緊急事態宣言が出ていた頃で、自分が乗る予定だった便も運休になった。

そのときの航空券代金が、2年以上経ったいまもなお返金されていないのである。そもそもGWだったから料金は普段よりも高かったし、家族4人分だったから総額はなかなか大きなものとなった。最初の頃は「いつ返金されるんですか?」などと電話で問い合わせたりもしていたが、一向に返金される気配がなく、近頃はもうあきらめかけている。

そんな状況にもかかわらず、今回またタイ国際航空に乗ることにしたわけだ。我ながらお人好しだなぁとも思うが、長年お世話になってきた同社に対して応援の気持ちも少なからずある。まあ、燃油サーチャージの安さにつられたというのも大きいが。

空席の都合で行きは羽田発、帰りは成田着の便に予約を入れた。機材はB787だった。この路線は、コロナ前は総2階建ての超大型旅客機A380も就航していたが、現状ではA380が活躍する機会はまだまだ当分先になるだろう。機内は客が少なく、ガラガラだった。エコノミークラスの3席並びを一人で独占できるほどで、非常に快適だ。

羽田からバンコクまでは約6時間30分のフライトである。離陸して間もなく機内食が配られた。メイン料理のアルミ蓋を剥がす瞬間は感慨深いものがあった。ビニールで個別包装された丸っこいパンの、パサパサな食感さえも懐かしい。そうそう、国際線の食事ってこんな感じだったよね、と記憶が蘇ってくる。

機内での出来事で気になったのは、タイの入出国カードが配られなかったこと。名前やパスポート番号などを書くあの用紙だ。入国時のものと、出国時のものが横に繋がったやつ。着いたときに半分切り取られて、帰るときにもう半分を提出する。その紙が、7月2日から廃止されたのだという。変わったばかりで周知されていないのか、ホテルのチェックイン時に「入国カードは?」と聞かれたほどだった。

さらには、ビザなしでのタイへの滞在日数が現在の30日から45日へと延長される可能性も現実味を帯びてきているという。訪問する際の障害が取り払われるのは歓迎だ。観光立国として、失われたこの2年半を取り戻すためにどんどん人を呼んで経済を活性化させたいのだろう。アジアの中でも先陣を切って開国したタイの、心意気のようなものが感じられるのだった。

入国審査、両替、SIMカード、市内移動・・・

外国の空港に着くと、真っ先に気になるのが匂いだった。日本の空港には醤油の匂いがする、などという話は昔からよく聞く。日本人としてはそういわれても正直よく分からないが、国によって何か個性的な匂いが漂っていると感じることは実際にある。

タイの空港に関していうと、いつも決まって感じるある匂いがあった。それは、お米を炊いたような匂いである。いったいなんだろうかと疑問を抱いていたら、あるとき、空港で働く人たちが建物の片隅で食事をしている光景を目にして腑に落ちたりもした。

今回、久々のバンコク旅行で空港に到着して、最初に気がついた異変は、あの馴染み深い「匂い」が漂っていないことだった。マスクをしているせいかな、とも思ったが、鼻を少し出して嗅いでみても分からない。こういったご時世だから、空港のような公共の場で堂々とご飯を食べるわけにもいかなくなったのかもしれない。

入国審査には長い列ができていた。規制が大幅に緩和されたとはいえ、ここでそれなりに時間がかかるのはコロナ前と変わらない。閑散としていた羽田空港と比べて、外国人客で賑わっているさまに目を瞬かせた。「開国」は事実のようだ。

入国審査は、両手の指紋と、顔写真の撮影(マスクを外して)に加えて、予約しているホテルのバウチャーを確認された。いずれもコロナとは無関係の、通常のチェック項目だ。真新しいパスポートに押された最初のスタンプがタイとなったのが密かに嬉しかった。

海外旅行で現地に到着して、まずするべきことは何か。自分の場合は、両替とSIMカードの入手だった。それらのうち、SIMカードに関しては今回の旅から不要になった。

筆者は現在NTTドコモのahamo(アハモ)を契約しているのだが、アハモなら海外ローミングでも追加料金不要で使えるのだ。データ容量の上限は、日本国内での月20GBがそのまま反映される。

海外ローミングをすると料金が高額になってしまうため、SIMフリーの端末を持ち込んで現地で格安のSIMカードを購入するのが旅のセオリーだったが、ahamoならばそれをする意味もない。ahamoが始まったのはコロナ禍の2021年3月だから、これまた新しい旅のスタンダードといえるだろう。

両替に関しては、バンコクのスワンナプーム空港で行う場合には注意が必要である。バゲージクレームや到着ロビーなどに両替所がたくさんあるが、それらはレートが極端に悪いのだ。タイに行き慣れた人にお馴染みなのは、空港地下のエアポートレールリンク(ARL)乗り場付近にある両替所だ。今回もここで両替した。

参考までに、筆者が訪れた2022年7月上旬時のレートを紹介しておこう。到着してすぐの場所だと日本円からタイバーツへのレートが「0.2367」となっていたのに対し、地下だと「0.2610」だった。仮に1万円両替したとすると、前者は2,367バーツ、後者は2,610バーツ。差額は243バーツにもなる。ちなみにいずれも同じカシコン銀行の窓口だった。

両替のためだけに地下にまで行くのは面倒だが、そのままARLで市内へ移動してしまえば一石二鳥だ。ARLは空港と市内を結ぶ高速鉄道で、渋滞の多いバンコクでは重宝する。到着時間が遅かったり、子連れだったりするならタクシーがベストだと思うが、身軽な旅ならARLが手軽でおすすめだ。

 

次回は2年半ぶりに訪れたタイの変化をレポートしていく。

取材・文/吉田友和(よしだ・ともかず)
旅行作家。1976年千葉県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。旅先からリアルタイムに更新し続け話題になった旅行記サイトの書籍化『世界一周デート』(幻冬舎文庫)で作家デビュー。これまでに約90カ国を訪問。雑誌やWEBメディアへの寄稿のほか、編集者として旅行ガイドの制作なども手がける。2020年に小説『修学旅行は世界一周!』(ハルキ文庫)を刊行。近年は「子連れ旅」「半日旅」にも力を入れている。
公式サイト:旅行作家★吉田友和 Official Web


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