ゲーミングスマホは、仕事にだって役に立つ!
強力なプロセッサーと余裕のあるRAM及びROMを搭載しているゲーミングスマホは、まさに「ポケットの中のノートPC」である。
音声通話をしながらネットで調べ物をして、それを通話相手に共有して…という高負荷の使い方もいざとなれば可能だ。
今回は7月16日に日本での先行予約が始まった『Black Shark 5 Pro』の現物をメーカーから入手したため、これを試してみたい。
Black Sharkシリーズの伝統「液冷システム」
現状、Qualcomm Snapdragon 8Gen1はハイエンドクラスの中でも最高峰に君臨するプロセッサーである。
激しいアクションのあるオンラインゲームをするには、優れた性能のプロセッサーが欠かせない。
これがローエンド機種だと、ゲームどころではないカクカク動作に陥ってしまう。故に処理性能に優れたSnapdragon 8Gen1はゲーミングスマホにもってこいだが、ひとつ大きな問題がある。
それは「プロセッサーの発熱」だ。
Snapdragon 8Gen1は、とにかく熱を出しやすいことで知られている。プロセッサーはある一定以上の発熱を起こすと自動的にパフォーマンスを低下させるのだが、それは言い換えれば「短時間で性能低下を起こしてしまう」ということだ。
従って、Snapdragon 8Gen1搭載機は冷却システムにも一工夫加えないといけない。
『Black Shark 5 Pro』の場合は、
2つの大きなVCプレートを追加したことで、主要な構成パーツを100%カバーできるようになり、従来のサーマルジェルと比較して冷却が更に効率的になりました。前モデルに対し冷却液の流量が30%増加し、VCの熱放散量は実に50%向上しました。これまで様々なハイスペックチップの発熱を対策してきたBlack Shark社ならではの技術です。
と、ある。正直、スマホの構造に詳しくない人にとってはちんぷんかんぷんだろう。
だからここは「前モデルに対し冷却液の流量が30%増加」という部分に注目していただきたい。
Black Sharkシリーズは伝統的に、冷却液でプロセッサーを冷やしている。水冷エンジンの自動車と似たようなものだ。
Snapdragon 8Gen1搭載機の中には、空冷ファンでプロセッサーの発熱を抑えている製品も存在する。この場合、どうしてもファンから騒音が出てしまう。
しかし液冷なら、騒音などというものは一切ない。
オンライン通話時の発熱問題を解決!
オンラインゲームをしない人にとっても、「スマホの発熱問題」は無視できる要素ではないはずだ。
筆者が初めてClubhouseという音声SNSを使った時は、本当に驚いた。その中で15分も会話をすると、スマホ本体が焼けつくような勢いで熱を持ってしまった。
このあたりはZoomでもTwitterのスペースでも同様だ。
しかしスマホ本体に何かしらの冷却機構が備わっていると、こちらとしても安心できる。
もちろん、長時間の動画視聴や容量の大きいアプリをインストールする際にも『Black Shark 5 Pro』の液冷機構は大いに役立つ。
その上で、4,650mAh容量のバッテリーは15分で満充電できるということも書き加えなければならない。
何かと忙しいビジネスパーソンにとっては、ありがたい機能がそろっている。
しかもこの『Black Shark 5 Pro』、内蔵のマイクは当初からノイズキャンセリング機能が搭載されているのだ。
メタバース空間でも大活躍必至!
バトロワゲームのデュオ(2人チーム)やスクワッド(4人チーム)では、「チームメイトとの音声連絡」が欠かせない。
その際にマイクに雑音が入ってしまっては、プレイに支障が出る。そのためのノイズキャンセリング機能だが、これは『Black Shark 5 Pro』を使ったビデオ会議でも活用できる。
屋外や不特定多数の人が入室するような環境でも、気兼ねなく『Black Shark 5 Pro』で通話に臨むことが可能。
ゲーミングスマホは、その高性能と多機能故に「ビジネススマホ」としても利用することもできるのだ。
また、最近ではビジネスでもメタバースを積極的に活用しようという動きが顕著になっている。スマホでも利用できるバーチャルSNSサービス『Cluster』は、筆者も数年前から使っている。
アバター同士でチャットをしたり音声会話をしたりする際も、マイクのノイズキャンセリング機能は必要不可欠だ。
実はこの記事を書くにあたり、ブラックシャーク科技ジャパン株式会社の広報担当者には事前に記事の方向性を伝えている。すると向こうはゲームメディアではない@DIMEのライターが興味を示しているということに驚いていたらしく、「ビジネスパーソンの視点から『Black Shark 5 Pro』の有用性を伝えていただければ幸いです」と、筆者に話していた。
そのあたりの層へのアプローチにメーカーが苦慮している…というのは筆者の邪推か。
ゲーミングスマホは「仕事の相棒」
最上位クラスのプロセッサーに加え、メモリ12GB+ストレージ256GBという余裕のスペックを誇る『Black Shark 5 Pro』。価格は11万8,800円。
ただしこの記事を執筆している7月18日時点では、超早割価格として10万7,800円の値がついている。
最近の経済情勢のことも考えると、購入は早いほうがいいかもしれない。
決して安いものではないが、これが1台あれば何にも代え難い「仕事の相棒」になることは間違いないだろう。
【参考】
Black Shark 5 Pro
取材・文/澤田真一