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近年、高齢者の運転による交通事故が社会問題となっており、免許を自主返納する方が増えてきているが、地方に住んでいるなどの場合、「返納したら行動が制限されてしまうため手放せない」と感じている方も多いのではないだろうか。
一方で、車を運転する高齢の親を持つ方は、事故を起こしてしまわないかと心配に思うこともあるだろう。そんな運転をする高齢の親を持つ方は、どのくらい親の行動を把握していて、また、免許返納について話し合いなどはしているのか?
そこで今回、廃車・事故車買取専門『事故車買取王 八王子店』を運営するSanta Corporate(サンタコーポレート)と「埼玉店」「町田相模原店」「横浜店」「山梨店」が共同で、親が車を所有している全国の40代~50代男女を対象に、「免許返納」に関する調査を実施し、その結果を公表したので紹介しよう。
親のクルマの運転状況、どこまで把握している?
はじめに、親のクルマに関する行動の把握度について質問した。
「親が車を使用する頻度を把握していますか?」と質問したところ、7割の方が『しっかりと把握している(21.8%)』『ある程度把握している(48.3%)』と回答した。親が車を使用する頻度を把握している方は多いようである。
昨今、高齢ドライバーによる事故をニュースなどでよく見かけますが、そのことについてどのように感じているだろうか?
そこで、「高齢ドライバーによる事故についてどのように思いますか?」と質問したところ、『判断力の低下が影響している(62.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『運転操作ミスが多い(25.2%)』『安全確認ができていない(9.1%)』と続いた。運転中の判断力が低下していることによって、事故に繋がっていると感じている方が6割以上いることがわかった。
では、自身の親が車を運転する用途は詳しく知っているのだろうか?
続いて、「親が車を運転する用途(どこに行っているか、どれくらいの時間運転しているかなど)は知っていますか?」と質問したところ、『すべて知っている(8.4%)』『ある程度知っている(57.1%)』『あまり知らない(23.6%)』『まったく知らない(10.9%)』という回答結果になった。
ある程度把握している方が多いようだが、3割以上の方は用途を把握していないようだ。
運転するのは良いけれど、事故の加害者にならないかと心配する方は7割以上
親がクルマを使用する頻度や用途を把握している方が多いことがわかったが、運転することについて心配や不安を感じることはあるのだろうか?
そこで、「親が車を運転することについて心配なことや不安なことを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『事故の加害者とならないか(77.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『自損事故で大怪我をしないか(47.9%)』『あおり運転の被害者とならないか(15.4%)』と続いた。
やはり、事故を起こして加害者となってしまわないか心配している方が非常に多いようだ。また、自損事故による怪我や、近年問題になっているあおり運転による被害なども不安要素としてあることがわかった。
免許返納のイメージとは?何歳くらいでした方が良い?
親がクルマを運転することについて心配や不安に感じていることがわかった。なお、近年では、自主的に運転免許を返納する高齢ドライバーが増えているが、親がクルマを所有している方々は免許返納についてどのように思っているのだろうか?
「免許返納についてどのように思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『交通事故を起こすリスクが少なくなる(68.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『移動手段が減ってしまう(64.1%)』『買い物が面倒になりそう(49.3%)』『外出の機会自体が減ってしまいそう(46.7%)』と続いた。
クルマを運転しなくなることで、交通事故を起こすリスクが少なくなるというメリットを感じている方が多いようだ。一方で、移動手段が徒歩や自転車、公共交通機関などに限られてしまうことで、買い物が面倒になったり外出する機会が減ってしまったりというデメリットも感じていることがわかった。
このように、免許返納をすると生活リズムなどにも影響が出る可能性が考えられるが、では、どのくらいの年齢で免許返納をした方が良いと考えているのだろうか?
そこで、「免許返納をした方が良い年齢とはどのくらいだと思いますか?」と質問したところ、『80歳以上(44.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『75歳~79歳(31.9%)』『70歳~74歳(17.6%)』と続いた。
80代に入ってから免許返納をした方が良いと思っている方が多いようだ。また、75歳~79歳と回答した方も3割以上いることから、個人の健康状態や身体機能の低下などを考慮して免許返納時期を判断した方がいいのかもしれない。
デリケートな免許返納問題、親と話したことがある人は約4割
免許返納についてのイメージや、返納した方が良いと思う年齢についてわかった。では、親がクルマを使用している方々は、実際に免許返納について話し合ったことはあるのだろうか?
そこで、「実際、親に免許返納について話したことはありますか?」と質問したところ、『ある(39.2%)』『ない(60.8%)』という回答結果になった。免許返納について、実際に親と話をしたことがある方はまだそれほど多くはないようだが、親の免許返納について考え始めたきっかけとは一体何なのだろうか?
続いて、「親の免許返納について考え始めたきっかけとは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『高齢ドライバーによる交通事故のニュースを見たこと(71.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『注意力や判断力が低下してきたこと(29.8%)』『親の運転に不安を感じたこと(22.5%)』と続いた。
高齢ドライバーによる事故のニュースを見たことで、親の免許返納について考え始めている人が非常に多いようだ。
返納義務化について賛成派?反対派?自主返納で得られる特典の認知度は?
免許返納について親と話したことがある方の割合や、親の免許返納を考え始めたきっかけがわかった。ところで、近年、高齢ドライバーの事故が多発していることから免許返納義務化について議論されているが、親がクルマを所有している方々は、免許返納義務化についてどのように思っているのだろうか?
そこで、「免許返納の義務化についてどう思いますか?」と質問したところ、『賛成(27.6%)』『どちらかというと賛成(51.4%)』『どちらかというと反対(17.7%)』『反対(3.3%)』という回答結果になった。
7割以上の方は免許返納義務化に賛成しているようだが、反対している方も一定数いることがわかった。免許返納を義務化することで、高齢ドライバーの事故は減るかもしれないが、返納後の生活ががらりと変化してしまうため、簡単には“義務化”とは言えない問題なのかもしれない。
免許返納についてハードルが高いと感じている高齢者も多いかもしれないが、返納することは決してネガティブなことではない。例えば、各自治体などは免許返納した方に対してさまざまな特典を提供している。
では、免許を自主返納することでさまざまな特典が得られることをみなさんは知っているのだろうか?
続いて、「免許の自主返納をすることで得られる特典について知っていますか?」と質問したところ、6割以上の方が『あまり知らない(39.6%)』『まったく知らない(23.4%)』と回答した。
免許の自主返納をすることで特典が得られることを知れば、より多くの方が自主返納をし、高齢ドライバーの事故も少なくなるかもしれない。
まとめ
今回の調査で、親がクルマを使用する頻度や用途を把握している方が多いことがわかった。
私たちは誰もが、高齢になるにつれて注意力や判断力が低下していく。実際、高齢ドライバーによる事故のニュースを見ることも多く、自身の親も運転することで事故の加害者となってしまわないか、自損事故で怪我をしないかなど、さまざまな不安を抱えているようだ。
しかし、免許返納することで事故のリスクが減るメリットがある反面、移動手段が減ってしまい、外出する機会が少なくなってしまうのではないかといったデメリットも感じており、親に免許返納について話したことがある方は少ないというのが現状。
免許返納は、高齢になりつつある親にとってデリケートな部分でもあるため話しづらいと感じるかもしれないが、しっかりと家族で話し合うことが大切かもしれない。
【調査概要】
■調査日:2022年6月9日(木)
■調査方法:インターネット調査
■調査人数:1,022人
■調査対象:親が車を所有している全国の40代~50代男女
■モニター提供元:ゼネラルリサーチ
関連情報:https://www.jikosyakaitoriou.com/index.php
構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)