この夏は、久しぶりに旅行の計画を立てている人も多いのではないだろうか。このたび、リクルートのじゃらんリサーチセンターが実施した「じゃらん宿泊旅行調査2022」の結果として、都道府県の魅力度ランキングが発表されたので紹介したい。
じゃらん宿泊旅行調査 2022【都道府県魅力度ランキング編】
地元ならではのおいしい食べ物が多かったランキング
1位:福井県
2位:石川県
3位:富山県
福井県が1位を獲得。さらに2位に石川県、3位に富山県がつけ、ベスト3を北陸3県が独占する形となった。いずれも海鮮グルメが強く、福井県は「かに」「そば」、石川県は「寿司」「かに」「のどぐろ」、富山県は「刺身」「白海老」「ぶり」などの名前が挙がる。
魅力のある特産品や土産物が多かったランキング
1位:石川県
2位:沖縄県
3位:山形県
調査開始以来、16年間1位だった沖縄県に代わり石川県が1位に。海産物に加え、「和菓子」や「酒・地酒・日本酒」などが人気。3位の山形県も「酒・地酒・日本酒」が人気だが、「さくらんぼ」などの果物も多く挙がる。また、2020年度圏外だった愛媛県が4位にランクインした。
魅力的な宿泊施設が多かったランキング
1位:大分県
2位:沖縄県
3位:群馬県
大分県が2年ぶり11回目の1位を獲得。多くの温泉宿の名前が挙がる。2位の沖縄県は、洗練されたリゾートとしての評価が高い。3位の群馬県は調査開始以来初のベスト3入りを果たした。温泉宿以外にもキャンプやグランピングなどの施設名も挙がった。
地元の人のホスピタリティを感じたランキング
1位:沖縄県
2位:愛媛県
3位:北海道
沖縄県が17回目の1位を獲得。宿泊施設や観光施設以外にも、居酒屋での食事時、マリンスポーツの体験時などで親切にしてもらったという回答が多い。 2位の愛媛県は圏外から一気にランクイン。温泉地やレストランでの接客の評価が高い。
子供が楽しめるスポットや施設・体験が多かったランキング
1位:千葉県
2位:沖縄県
3位:和歌山県
1位から3位までの順位は2008年度から変化がなく、テーマパークや水族館、ビーチなどが人気の要因。アクティビティの楽しさだけでなく、小さい子供向けのサービスなども評価のポイントとなった。
若者が楽しめるスポットや施設・体験が多かったランキング
1位:沖縄県
2位:千葉県
3位:大阪府
1位から3位までの順位は2020年度と変わらず。1位の沖縄県は海や水族館、マリンスポーツが人気。2位の千葉県、3位の大阪府はテーマパークが一番人気だが、千葉県はグランピングやサーフィンなどの海遊び、大阪府は街歩きなども支持された。
大人が楽しめるスポットや施設・体験が多かったランキング
1位:京都府
2位:奈良県
3位:沖縄県
京都府が調査開始以来12年ぶり、3回目の1位を獲得した。神社仏閣巡りを挙げる人が多数。2位の奈良県は3年ぶりのベスト3入り。3位の沖縄県は海やマリンスポーツ、宿泊施設を挙げる人も多い。
現地で良い観光情報を入手できたランキング
1位:沖縄県
2位:京都府
3位:愛媛県
ホテルや飲食店、観光地、観光案内所、パンフレットなどの従来の情報収集手段に加え、インターネットやSNSなどが増加。特に2位の京都府はSNSや検索サイトなどが他県より多く挙がる傾向にある。一方、11回連続1位の沖縄県は地元の人からの情報が目立つのが特徴。
ご当地ならではの体験・アクティビティが楽しめたランキング
1位:沖縄県
2位:徳島県
3位:大分県
沖縄県が1位で、多くの人がマリンスポーツを挙げている。2位の徳島県は渦潮観光が人気。3位の大分県は温泉巡りや地獄蒸しなど。
人気のアクティビティとしては、温泉や自然環境を利用したキャンプや釣りなどが多く挙がるが、少数意見としては「カーリング体験」「マグロ狙いのチャーター船」「マグロ解体ショー」「ウニ割体験」「ストーブ列車」「雪の中の街散策」など地域資源を生かしたさまざまな体験が挙げられた。
総合満足度ランキング
1位:和歌山県
2位:沖縄県
3位:三重県
僅差で和歌山県が沖縄県を上回り1位に。4位北海道、5位京都府と続いた。ランキングのトップ10は僅差となった。また、3位の三重県は圏外からのランクインとなっている。
地産地消のレベルに注目
じゃらんリサーチセンター主席研究員の森戸香奈子氏はランキングについて以下のように解説している。
「今年のトピックは、なんといっても食のランキングで北陸3県がベスト3を独占したこと。また、特産品においては、今年は地酒や日本酒などのコメントが多く見られました。菓子類や果物なども変わらず人気で、旅先での地産地消が着実に進む中、地域側の商品開発力も年々上がってきています。
総合満足度1位は和歌山県。特徴として、県内旅行者の割合が2020年度よりもUPしている点が挙げられます。関西圏ではおなじみの観光エリアですが、コロナ禍で遠出しにくい環境となり、和歌山県の方々にとって、地元の観光力の高さに改めて気付くきっかけになったようです」
【調査概要】
■1次調査
調査目的:全国の宿泊旅行実施者を抽出することに加え、性・年代別の宿泊旅行実施率を知るために実施した
調査時期:2022年4月1日(金)~ 2021年4月21日(木)
調査対象:全国20~79歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
配信数:212万4,882件
調査内容:2021年度(2021年4月~2022年3月)1年間の国内宿泊旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)実態
回収数:9万9,056件(回収率4.7%)
集計対象者:2万件
※2次調査において都道府県別、性・年代別の割付にあった回収が得られるように配信した
・配信数と割付について
2次調査のセル別目標回収数は、「令和2年 国勢調査」の都道府県別、性・年代別の人口におおむね従うように47都道府県を5ランクに分けサンプル数を割り付けて配信した
ランクごとに6:5:3:2:1の割合で、合計約1万4,000件の回収を目標とした
・2次調査の配信数について
ウェイトバック値のバランスをなるべくそろえるために、県別に均等割付ではなく、ランクを設けて割付を行った上で、1次調査および追加調査の旅行実施者3万3,767件を都道府県ごとに分配し、サンプル数を割り付けて配信した
※回収された9万9,056件のうち都道府県別、性・年代別に割付を行い2万件を抽出
性・年代別宿泊旅行実施率を算出
■2次調査
調査目的:全国の宿泊旅行実施者に対して、宿泊旅行の内容を知るために実施した
調査時期:2022年4月8日(金)~ 2022年4月21日(木)
調査対象:3万3,767件(うち、同居家族モニター129件)
・1次調査において、「昨年度1年間に国内宿泊旅行をした」と回答した人:3万3,638件
・追加調査において、「昨年度1年間に国内宿泊旅行をした」と回答した人のうち、調査協力が得られた60歳以上の家族本人:129件
※調査回収難度が高い60歳以上の回収数を増やすために追加調査を実施した
追加調査は株式会社マクロミルの登録モニターのうち60歳以上の家族と同居しているモニターを対象として、該当家族が同席する上で回答という条件で実施した(回収数6,686件<配信数7万7,828件 回収率8.6%>、2次調査対象者数129件)
配信数:2万8,383件 (うち、同居家族モニター45件)
※配信数は対象者の中から都道府県別、性・年代別の割付に合わせてランダムに抽出した
調査内容:昨年度1年間に実施した全ての宿泊旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)の行き先と回数について、また1人最大3件までの個別宿泊旅行について、具体的な内容を調査した
回収数:1万4,187件(回収率50.0%)
有効回答数:1万4,123件(うち、同居家族モニター27件)
(旅行件数ベース2万5,840件)
出典元:じゃらんリサーチセンター
構成/オニザワミカ