いつもはバイクに乗ってお出かけをしているライダー&ライターの高木はるか。
たまには気分を変えてまったく新しいことに挑戦してみよう!…そう思った時、ふと蘇ったのが「空を飛んでみたい!」という子供の頃の夢だったのでした。
思い立ったが吉日。長野県にパラグライダーの体験ができる施設があると聞き、さっそくやってきました!
社長はパラグライダー金メダリスト!?
今回お世話になったのは、長野県伊那市にあるアクティビティスポット『ASOBINA(アソビナ)』。かつてスキー場やキャンプ場として使われていた土地を利用して2020年にオープンし、今年で3年目を迎えました。
体験できるアクティビティは、パラグライダー以外にもマウンテンバイク、オフロードバギー、SUP、アドベンチャートレーラーなど盛りだくさん。伊那の自然を存分に使って思い切り遊ぶことができる施設なのです。
アソビナの魅力のひとつは、すべてのアクティビティに手ぶらで参加できること。利用料金の中に道具のレンタル費用が含まれているのです。
新しいアクティビティに挑戦するまでのハードルが少ないので「まずは1回試してみたい」「興味はあるけど勇気が出ない」と言う方にもオススメです。
こちらがアソビナを運営する株式会社ERUK(エルク)社長の呉本圭樹さん。
実は呉本さん、パラグライダーの界隈では知らない人はいないほどの有名人。アジア大会2018ジャカルタでの金メダル獲得をはじめ、数々の大会で成績と記録を残されているプロパラグライダー選手なのです。
つまりアソビナは金メダリストと一緒に空を飛べる施設。こんなに贅沢な環境、なかなかありません!
高木「本日はよろしくお願いいたします!事前にご相談していた通り、パラグライダータンデムフライトの体験をお願いしたいのですが…」
呉本社長「ようこそアソビナへ!パラグライダーですね。…いきなりですが、天気が安定しているうちに山に登ってテイクオフポイント(離陸場)へ向かいましょう」
高木「えぇっ!今からですか!?」
雨や強風など、状況によっては飛べないこともあるのだそうです。この日は午後から天気が崩れる予報だったこともあり、とにかくまずは飛んでみよう!ということになったのでした。
あまりのテンポの良さにビックリ。誓約書を書き、代金をお支払いしたら移動用のバンに乗り込んで…いざ出発です!
移動中もアクティビティ
テイクオフポイントへの道は未舗装路。大きなバンで走るには狭すぎるように感じるのですが、呉本社長は「僕らにとっては通勤路」と余裕の運転。かなり頼もしい…!
前後左右とグワングワン揺れる車内で、パラグライダーの体験における注意点などをおうかがいしました。
高木「今回私が体験するのはタンデムフライト。つまりインストラクターと二人で飛び、操縦をしてもらうというアクティビティですよね。なにか注意をした方が良いポイントはあるのでしょうか?」
呉本社長「まず服装は、動きやすい薄手の長袖長ズボンとグローブ、脱げにくい紐付きの靴を履いてください。離陸中に靴が脱げて怪我をしてしまう可能性があるので、スリッポンやサンダルはNGです。グローブは軍手や作業用などなんでも大丈夫です」
高木「飛行中に写真を撮影したいのですが、いいですか?」
呉本社長「カメラやスマホにストラップを付けて首にかけるなど、落下防止さえしてもらえれば大丈夫です。こちらでもGoProによる写真・動画撮影を行いますので、カメラをお持ちでない方も記念撮影していただけますよ」
もちろん飛行中のパラグライダーの操作はインストラクターがしてくれます。
今回は呉本社長が直々にタンデムしてくださるということ。世界レベルの飛行を前に心臓がドキドキ破裂しそうです!
説明を聞いている間にもどんどん山を登ります。この道、バイクで走ったら楽しそう!
デコボコ道のヘアピンカーブや急な上り坂など、普段街で暮らしていたらお目にかからないようなスリル満点の道を安全運転で進みました。
「移動中もアクティビティみたいですね!」
そう言って笑っていたのは、偶然同じ日に取材に来ていた『ナガノスペース』さん。長野県のおでかけ&グルメの情報を発信しているのだそうです。大学を卒業後にUターンしてナガノスペースを立ち上げたのだそうで、可愛らしいフワッとした雰囲気なのに内面はガッツがある素敵な方でした。
いよいよ到着、テイクオフポイント!
20分ほど走ったら車を降り、5分ほど山道を歩きます。
パラグライダーに必要な荷物はスタッフの方が運んでくださいます。その量はこの通り、小柄な女性が入れちゃいそうなほどに大きなリュックサックに詰まっていました!
申し訳なくなって「重くないですか?大丈夫ですか?」とお聞きしたところ、「重いけど大丈夫です」とのこと。なにも持っていない私よりも1.5倍ぐらい速く、スタスタと軽い足取りで登り坂をクリアしていました。
最後の難関、急な斜面を登れば…いよいよテイクオフポイントである鳩吹山の山頂に到着です!
離陸の邪魔にならないよう木や草が刈られているため、伊那の景色が一望できます。
標高1320mのこの場所は、江戸時代までは高遠城の狼煙台として使われていたのだそう。現在は空ノ鐘(そらのかね)という鐘が設置され、登山客の憩いの場になっています。
「うわぁ~、最高の眺めですね!」
家や車、畑などがまるでミニチュアのように小さく見え、思っている以上に高い場所にいることに気が付かされました。空の上にいるみたいです。
下界に向けて強めの風がビュウと吹き、いよいよここから飛ぶのだと実感すると…
「どうしよう、なんだか怖くなってきたかもしれない」
急に不安になり、思わず弱音が出てしまったのでした。
【果たして空は飛べるのか!? 次回に続く】
取材協力:ASOBINA(アソビナ)
〒396-0029
長野県伊那市横山9300番地
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.