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どこまで仕事に使えるか?RYECHERの超小型PC「R-MIN」を昔のテレビにつないでみた結果

2022.07.14

「テレビはオワコン」と言われて久しい昨今。

しかしテレビをひとつの大型モニターとして考えるなら、話は別だ。HDMI端子さえあれば、PCと接続するサブモニターとしても利用できる。

何なら、15年ほど前に製造されたテレビをモニターとして利用しても構わない。

今回は古いテレビにも接続できる『R-MIN』という製品について解説していこう。

「普段使い」では十分過ぎるほどの性能

最近では「ミニPC」と呼ばれるものが数多く流通するようになった。

数年前のミニPCは、貧弱なプロセッサーと心許ないメモリ容量しか備えていないような代物が大半だった。が、今売られているミニPCは普段使いのマシンとして活用できるほどの性能を有している。

結論から言えば、『R-MIN』もそのような「実用的なPC」だ。

12GBメモリと512GB SSDストレージを備え、映像出力は4K/60HZに対応。そしてプロセッサーはIntel Celeron N5105である。

このCeleron N5105は、さすがに最新世代のIntel Coreには遥かに劣るが、それでも日常使いやテレワーク程度(メール、Web会議、文書作成)の用途では十分過ぎるほどのパフォーマンスを発揮する。

そもそも、高パフォーマンスのプロセッサーはその分だけ強力な冷却システムも必要だから、高性能PCはどうしても重く大きくなる。

逆に言えば、「それなり」のPCはデザイナーの工夫次第で大胆に小型化することができるのだ。

講釈はこの辺にして、今回は『R-MIN』を我が家のテレビにつないでみる。

重量は僅か205g

「世界の亀山ブランド」と書かれたシールが貼られている、我が家のシャープ製テレビ。購入したのは確か2006年だったか。

この当時、シャープは「たわむ液晶」というものを開発して一大生産拠点も設けていた。

今はいろいろとあり、会社の中身が全く異なるものになっているが、実は筆者は取材を通して「かつてシャープで働いていました」という会社経営者や製品開発者を何人も知っている。

しかも彼らは異口同音に「シャープでの経験が今の仕事に役立っています」と話す。

シャープはジオン公国みたいな会社だ、と思っているのは筆者だけだろうか。

それはさておき。

『R-MIN』にHDMIケーブルをつないで、テレビに接続。そして『R-MIN』の電源を入れる。すると出てきたのは、ごく普通のWindows PCの画面だ。

そして当然ながら、使用感も一般的なデスクトップPCと全く一緒。一通りの仕事(文書作成、編集、Web会議)もしてみたが、特にこれといった特筆事項がないほどの「普通の使い勝手」である。

ごくごく平凡、ごくごく普通のデスクトップPC。しかしこれが重量205gであることを知ったら、やはり「普通」と切り捨てるわけにはいかない。

プレゼンでも大活躍必至!

70×70×43mmの筐体は、ハンドバッグの中に難なく収納することができる。片手で持ち上げても、ダンベル代わりにすらならないほどの軽量ボディだ。

テレビと接続した『R-MIN』は、テレビ台の下にでも置いておけばいい。「置き場所」に困ることはまずないだろう。

ワイヤレス式のキーボードとマウスがあれば尚良。「古いテレビの有効活用」という点でも、これほど理想的な手段はない。

たとえば、こんな用途も考えられないだろうか。自宅でPowerPointを編集し、それをプレゼンで使う際にプロジェクターと『R-MIN』を接続してスクリーンに投影する……という使い方だ。

『R-MIN』はノートPCと比べても遥かに小さく軽いため、そのような活用法も見出だせるのだ。

優秀点を上回る及第点

たとえばゲーミングPCというものは、筐体サイズがどうしても大きくなってしまう。これは上述の通り、プロセッサーの性能が良ければ良いほど大掛かりな冷却装置が必要不可欠だからだ。

従って、ゲーミングPCに初めて触れた人は大抵の場合「普通のPCより大きい」という印象を抱いてしまう。

そしてそのサイズ故に、ゲーミングPCを敬遠してしまう人もいる。そもそも、グラフィックボードを搭載しているPCを万人が求めているのかというと、やはりそれは違う。

どんな分野でも、大抵の人は「中」か「中の下」を目指すものではないだろうか?

『R-MIN』を筆者なりに表現すれば、「優秀点を上回る及第点の性能を持ったPC」である。

我々の世界にはゲームマニアもいるし、自作マニアもいる。しかし現実問題、最多数派は常に「中の下」を目指す人々だ。

あまり低性能であっても困るが、余計なものもいらない。そして無駄な要素がない分、『R-MIN』は大胆な小型軽量化を実現したのだ(ただし、4K/60HZの映像出力対応は大したものだ!)。

もしかしたら、これが「近未来のデスクトップPC」の姿かもしれない。

テレビを進化させるガジェット

『R-MIN』は応援購入サービスMakuakeで6万3,840円からの予約枠を設けている(7月11日現在)。

筆者としては、これを「テレワークの良き相棒」そして「テレビを進化させるガジェット」として他人に勧めたいと考えている。自分自身、この『R-MIN』を買ってみようかな……と思っているほどだ。

その前に実物を試用できるのは、ガジェットライターのちょっとした役得というものかもしれないが。

【参考】
もうPCは買わなくていい!ディスプレイに繋ぐだけでハイスペックPCに大変身-Makuake

取材・文/澤田真一

 

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