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これだけはおさえておきたい電気自動車の選び方と買い方のポイント

2022.08.13

電気自動車

車種の選択肢に加え、充電施設も増えてきた今、本気で購入を検討する人も増えている。とはいえ、使い方はガソリン車とは全く異なるため、ある程度の知識が必要だ。買ってから後悔しないためにも、最低限押えておきたい選び方と買い方の基本を紹介する。

EVに秘められた将来性と可能性

 世界中で2050年までに脱炭素化を実現する方向で様々な取り組みが始まっている。特にクルマからのCO2排出量は全排出量の約3割を占めていると言われており、走行中にCO2を排出しないクルマの普及が直近の課題となっている。電気自動車(以下EV)は車載バッテリーに電気をため、その電力でモーターを動かして走るため、走行中にCO2を排出することはない。そのため、世界的にも今、注目を集めている。

 前述のとおり、EVはバッテリーの電力を使ってモーターで駆動を行なうが、最大の特徴は内燃機関と違って「応答遅れ」がなく、アクセルペダルを踏んだと同時に加速が始まる点にある。

 さらにEVは変速機を必要としないため、変速時のタイムラグやショックとも無縁で、ガソリン車がこれまで課題としてきたなめらかでスムーズな走りを難なく手に入れたことになる。

 一方で「EVはガソリン車と比べて走りに個性が少ない」と言う人もいるが、それは大きな間違い。ガソリン車は圧縮比やボア×ストロークなどの基本設計の段階で特徴を生むことができるが、モーターの場合、制御技術を生かしながら自由にアレンジできるため、ボディーの形状などを変えずとも走りの質を変えることが可能なのだ。

 EVがおもしろいのは、自動車メーカーだけでなく他業種から参入しやすい点にあるが、現実問題として自動車を一から開発し製品化することは、たやすいことではない。自動車製造の経験、ノウハウ、技術、知見を蓄えた既存メーカーが、当面の間、主導権を握るだろうし、各社の個性も、これまで以上に表に出てくるかもしれない。

 また、EVはクルマそのものの概念を変える可能性を秘めている。例えば、モーターは搭載位置の自由度が高いため、用途に合わせたデザイン設計が可能になる。また、バッテリーはボディーの床下にレイアウトされるケースが多いため、居住性を犠牲にすることもない。

 大容量バッテリーを搭載する場合は全高の高いSUVを造れば、簡単に実現できる。現在、バッテリー容量が60〜80kWhで航続距離400〜500kmというのがひとつの目安となっている。これからどんな使い方をするか、まずはそこを基準に購入を検討してほしい。

いまさら聞けないEVの基礎知識

EVの基礎知識

充電の方法は?

給電口にプラグを差し込んで充電を行なう。付属の充電ケーブルを使うのは一般家庭用の交流200V、3kW/6kWでの普通充電。急速充電はEV用の充電スタンドで行なうが、20〜150kWのCHAdeMO(チャデモ)規格に対応していればOK。電気の使用料はカードにチャージされる方式だ。

PHVとの違いは?

PHVもしくはPHEVというのはプラグインハイブリッドのことで、EVとの違いはエンジンの有無。PHVはモーター走行もできるが、モーターを動かす電力が減少するとエンジンが始動してクルマを駆動し充電も行なう。ここでCO2が排出される。

メーカーによる違いは?

電気の力でモーターを動かして走行するというメカニズムは各社同じ。違いはモーターの搭載数や電池の容量。kWhという単位がそのクルマの性格や性能を判断する指標だと考えていい。電池はリチウムイオンが主流だが、今後新素材が出てくる可能性もある。

ガソリン車との違いは?

ガソリン車やディーゼル車などのエンジン車は最近ではICE(インターナル・コンバッション・エンジンの略)と表現するが、ICEはエンジンがかかっていれば必ず何らかの物質を排出することになる。走行するためにはガソリンか軽油を燃やさなければならない。

車両価格は?

ホームページやカタログを見るとEVの車両価格は高い。EVは車両を構成する部品がICEより3割以上少ないと言われているが、高価なのはバッテリーが高いから。車載用電池が生産コストの3割近くを占めるとされており、EV普及のカギを握る。

維持費は? コスパは?

年間5000km走行する人が、燃費20km/Lのガソリン車か40〜50kWhのEVを購入する場合、ガソリン代を160円/Lと仮定すると約4万円、EVは普通充電なら約2.5万円だが急速充電も利用すると入会金が年間約5万円かかる。街乗り中心で家充電ならコスパはそれほど悪くない。

選び方のポイント

生活の足、通勤、週末ドライブ、用途をしっかり見極める

クルマの選び方の条件はEVでも変わらない。主用途、大きさ、乗車定員、荷室の広さ、所有台数など。例えば1台所有の場合、日常の足から週末のドライブまでの用途を想定すると、バッテリー容量は60kWh以上、一充電走行距離は400km以上が望ましい。複数台所有している世帯で日常の足として使いたいなら、軽EVやコンパクトカーでも十分だ。

充電設備

EVのロングドライブで気になるのは充電設備。年々増えてはいるが、昔から設置されている設備で最近故障中というところも増えているので注意が必要だ。

「家充電」か?「外充電」か?自宅や自宅周辺の充電設備を確認

実はこれが一番の大きな問題だという人も多い。特に集合住宅に住んでいる人や月極駐車場を借りている人は、駐車場での充電をどう確保できるのかきちんと確認してから購入を考えたい。近隣に充電設備があったとしても、先客が使用している場合、当然待ち時間が生じる。この不便さが解消される日が待ち遠しい。

充電設備

最近は新築の集合住宅に充電設備を備える物件も増えているが、まだ圧倒的に少ない。ここを解決しない限り、都会での普及は難しい。

スペックで重要なのは「航続距離」より「定格出力」と「交流電力消費率」

一充電当たりの航続距離も指標となるが、エアコン使用時やスポーツモード走行で10〜20km程度の差が生じる。購入時に比較検討したいのは定格出力、交流電力消費率、電池総容量。定格出力は最後まで出せるパワー。交流電力消費率は1km走行するのに必要な電力(Wh/km)で少ないほど電費が良いということ。

買い方のポイント

ディーラー、オンライン、サブスク、購入方法も様々

個人でEVを所有する方法は2通りある。ひとつは購入、もうひとつがリース。購入手段もディーラーとオンラインがある。またサブスクという選択肢も増えている。トヨタ『bz4X』は月額約9万円で、フィアット『500e』もサブスクを選べる。ヒョンデ『IONIQ 5』はオンライン決済も可能だ。

bz4X

トヨタはEVに対してかなり慎重な姿勢。『bz4X』はサブスク、マイクロカー『c+pod』も法人向けのリース専用モデルとなっている。

レンタカーやカーシェアリングという選択肢も

購入する前にしっかり試乗したい人におすすめしたいのがレンタカーやカーシェアリング。日産、ホンダ、ポルシェはメーカー主体で行なっている。このほかジャガー「Careco」、ヒョンデ「Anyca」などではEVの体験試乗が可能だ。

ヒョンデ「Anyca」

名古屋の『インターセクト』や千葉の『おもしろレンタカー』もEVを取り扱っている。

補助金は最大145万円!必ず活用すべし!!

EV購入に際して、国や自治体から補助金が用意されている。国から最大で65万円、さらに条件を満たすと+20万円、さらに地方自治体から60万円(東京・個人)。ただし4〜5年間は所有することが条件。万が一、手放すと助成金の返還手続きが必要。

補助金

※条件付きというのは車載コンセントや、外部給電器に電力を取り出せる車両のこと。

取材・文/石川真禧照

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