30年後は家庭の食卓に並んでいるかも?昆虫食以外にもある注目の未来食材まとめ
今世界中で抱えている食料危機を救う未来食として話題の昆虫食。
「食べてみたいけどなかなか挑戦できなくて…」なんていう人は、昆虫食以外の最新食材を試してみてはいかがでしょう?
というわけで今回は、近い将来一般家庭の食卓に並んでいてもおかしくない、普及しつつある最新食材をまとめました。
①代替肉
代替肉(だいたいにく)とは、肉の見た目や食感を限りなく再現した植物性の食材です。
大豆を主な原料とした「大豆ミート(ソイミート)」が有名ですが、他にもエンドウ豆やそら豆、小麦などが使われることもあります。「フェイクミート」「プラントベースミート」「ネクストミート」「ビヨンドミート」などと呼ばれることもあり、近年はスーパーやコンビニでも代替肉を使用した商品を見かけるようになりました。
ひき肉やブロック肉風など調理してから食べるタイプは、いつものレシピのお肉の代わりとして使うことができます。ハンバーグやミートボール、唐揚げのようにレンジで温めるだけで食べられるレトルトタイプは、気軽に取り入れられるのがメリットです。
代替肉はメディアやテレビで取り上げられることも多く、今やイオンや伊東ハムなどの大手メーカーでも製造しています。将来的に一般家庭の食卓に並ぶ可能性が高い未来食の筆頭といえるでしょう。
ちなみに、代替肉の中には動物性素材不使用で100%植物性のヴィ―ガン仕様のものと、原材料に卵白や乳製品などが使われているものがあるため、アレルギーや完全菜食主義者の方は注意しましょう。
②代替食品
肉以外にも魚や乳製品などの動物性食品を植物性の原料で再現したものを代替食品と呼びます。「プラントベースフード」「フェイクフード」などと言われることもあります。
代替肉を筆頭に、「植物性チーズ」や「豆乳ヨーグルト」「代替卵」など、植物由来の代替食品の市場はここ数年で急拡大しています。特に代替卵は再現が難しいと言われていましたが、2021年に食品メーカー大手のキューピーが植物性の原材料のみを使った「ほぼ卵(たま)」を発表し、大きな話題になりました。
また、美容や健康に良いとして以前から注目度の高かった「ココナッツミルク」「オーツミルク」「アーモンドミルク」「豆乳(ソイミルク)」なども、牛乳の代替食品といえます。豆乳やアーモンドミルクなどはスイーツなどの加工品も含めすでに一般的に広く普及していることから、取り入れやすいのがポイント。乳製品・卵アレルギーの方にも支持される代替食品スイーツは、今後も続々と登場しそうな予感です。
③3Dプリンターフード
3Dプリンターとは、3Dの設計データをもとに立体造形物を作り出すことができる最新のデジタル機器。そんな3Dプリンターの技術を応用して活用しているのが「3Dプリンターフード」です。
CADデータを用いて立体化する手法は3Dプリンターと同様ですが、素材は樹脂や金属ではなく食べられる食材。見た目だけでなく食感や味、香りまで再現する技術が研究開発されているのだそう。
世界中どこにいても個人の好みや健康状態にパーソナライズされた食事が作れる点から、宇宙食や介護食への応用・実用化も進んでいるということ。また、野菜くずや昆虫を原料として使うことで食糧危機問題へのフォローや持続可能な社会への貢献が期待されています。
自宅にいながらボタン一つで高級寿司店のお寿司や有名ショコラティエのデザートが食べられるなんて…まさに未来の食卓ですよね。今後益々注目度がアップしそうなジャンルといえます。
④藻類
近い将来の人口増加によるタンパク源不足の救世主として、昆虫以外に期待を集めているものが「藻」です!
食べる藻類といえば、有名なのが「スピルリナ」や「ユーグレナ(ミドリムシ)」。美容&健康に良いスーパーフードとしてサプリメントやドリンクが発売されているので見かけたことがある人も多いでしょう。
これまでは健康補助食品としての位置づけでしたが、たんぱく質に加えてビタミンやミネラルが豊富で、栽培しやすく量産化が現実的なことから加工食品の原料として再注目されています。
なかでも藻類を粉末にして代替食品などに使用する「藻類の小麦粉化」は注目度が高く、一般食材としての実用化が有望視されている研究なのだとか。藻類はバイオ燃料として循環型社会に貢献するとの見方もあることから、今後様々な面で私たちの生活に深く関わるキーワードになるかもしれません。
30年後の未来の食事
サステナブルやエシカルな消費が注目されるなか、新しい食コンテンツも次々と登場しています。近頃は特に本物と変わらないような食感や美味しさのフェイクフードもたくさんあるので、従来の健康的な食事に加えて、無理なく代替食品などを取り入れてみてはいかがでしょうか。
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.