取引先との接待や友達の家に遊びに行くとき、帰省で親戚が一堂に会するときなど、さまざまな場面で必要になってくるのが手土産だ。
「会えて嬉しい」「時間を取ってくれたお礼」といった意味を持つ手土産だが、一体何を手渡せば相手に喜んでもらえるのか、手土産のチョイスに悩む人も少なくのではないだろうか。
そこで「高級ナビ」編集部では、20代以上の社会人男女827人にアンケート調査を実施。「これまでにもらって嬉しかった手土産」や「逆にもらって困った手土産」、「もらうなら高級品の手土産がいいかどうか」を調査した。
実用的なものと嗜好品、手土産で喜ばれるのは
今までもらった手土産で、一番嬉しかった・印象に残っている手土産を聞いたところこのような結果に。お菓子や酒など、嗜好品が嬉しいという意見が多い傾向が見られる。
逆に生活雑貨や花、調味料といった形に残るものや実用的なものは、もらって嬉しいという意見が少なかった。
第1位:洋菓子
洋菓子を選んだ人からは、「もらった洋菓子が美味しかったから」という理由が多かった。その中でも、とくに女性は「自分の好みを覚えていてくれた・思いやりがあったから嬉しい」という意見が多く見られる。
一方、男性は「美味しくてリピートしたくなった。他の人にもおすすめしたくなった」という意見が。
また、男女共通して多く見られた意見として「滅多に買えない・興味があったけど食べたことがないお菓子が嬉しかった」というものも。相手を思いやった洋菓子や、なかなか手に入らない洋菓子が喜ばれる傾向にあるようだ。
第2位:和菓子
和菓子を選んだ人が挙げた理由として「滅多に買えない・食べられないものだから」という理由が、洋菓子に比べて多かったのが特徴的であった。
男女ともに、値段が高くてなかなか手を出せなかったり、お店が遠くて買いに行けなかったりするような老舗ブランドの和菓子が印象に残っている人が多数。
また、和菓子が嬉しいと回答した人の男女比は1:1であった。和菓子の中にはおかきなど甘くないお菓子もあるため、男性からの支持が多かったと推察できる。
第3位:酒
酒を選んだ人で一番多かった理由は「滅多に飲めない地方の地酒だったから」であった。とくに、通販でも取り寄せられないローカルな地酒が嬉しかったという人がほとんど。
また、「なかなか手を出せない高価なお酒だったから」という意見も多数見られた。憧れがあった高級なウイスキーや日本酒、ワインをもらえたことが嬉しくて思い出に残っているようだ。
酒が嬉しかったと回答した男性は女性の3倍もいた。酒の手土産は男性に人気だと考えられる。
第4位:生鮮食品(肉・魚・野菜など)
「自分では買えないような高価なお肉が嬉しかった」という回答が多かった。高級なお肉を家族で楽しめたのが、胸に深く刻み込まれているよう。海鮮が嬉しかった理由としては「本場の美味しい海鮮だったから」という理由が多く見られた。
肉や魚などの生鮮食品は日常的に口にするものだからこそ、なかなか買えない高級なものや本場の新鮮なものが嬉しいと感じる人が多いのかもしれない。
第5位:果物
果物を選んだ人の意見では、「高価でなかなか食べられない貴重なフルーツだったから」「とても美味しくて感激したから」という理由が大多数を占めていた。
もらって嬉しかった果物として例に挙げられたもので一番多かったのはメロン。他にもシャインマスカットやマンゴー、イチゴ、モモもなども多かった。果物が嬉しかったと回答した女性回答者が多く、果物が嬉しかったと回答した女性は男性の3倍もいた。
「シチュエーション別」もらって嬉しかった手土産
ビジネスシーンや帰省、誰かの家に訪問する時など、どの場面でも喜んでもらえるのは洋菓子だということが分かった。その次に人気があったのは和菓子。
消えもので、手軽に共有して食べられるお菓子は、どんなシーンでも喜ばれる鉄板の手土産のようだ。また挨拶の場面では、プチ家電や洗濯用品といった生活雑貨が嬉しかったという人が、他の場面に比べて多かったことが特徴的であった。
退職の挨拶といった場面では、気の置けない相手から事前にリサーチされていて、自分が欲しいものをもらったのが嬉しいという人が多数。
相手が欲しいものが分かっていれば、鉄板の手土産である消えもののお菓子ではなくても喜ばれるのでは。
今までもらった手土産で、一番困った手土産は?
今までにもらって困ったと感じた手土産で、一番多かったものは酒であった。近年、若者のアルコール離れが進んでいるのにくわえ、健康上の問題で禁酒している人もいるため、お酒は必ずしも喜ばれる手土産でないことが考えられる。
また、生活雑貨や花、置物・インテリアといった、消えものではない手土産も困ってしまう傾向にあるようだ。
「自分の好みでないものを使いたくない・飾りたくない」という理由が多数。贈る相手の好みなどを熟知していない限り、形に残るものを贈るのは避けた方がいいだろう。また、アイテムにかかわらず「高級品の手土産は、お返しに悩む」という声もちらほら。
一方、「特になし」という回答が全体の2.4%あり、「もらい物はなんでも嬉しい」という理由がほとんど。思いやりの気持ちが伝わる手土産なら、どんな手土産でも喜ばれるのではないだろうか。
もらって困った手土産は、男女で大きく差が出ていなかったが、比較的差が出たのは洋菓子。男性より女性のほうが多く「困った」と感じているようだ。
「好みじゃなかった」「食べきれない量をもらった」という理由がほとんど。女性は洋菓子をもらう機会が多いので、そのなかで困ってしまった品と出会い、強く印象に残っているのではないかと考えられる。
逆に、女性より男性のほうが多い困った手土産は花。「花瓶がなくて枯らしてしまった」「花をもらっても飾らない」という理由が多かった。男性は女性に比べて花に興味がない人が多いため、花を受け取っても、持て余してしまった模様。
しかし、どの手土産も「困った」と感じた人の男女比は大きく変わらないので、「男性だからアレはダメ、女性だからコレはダメ」とは一概には言えないだろう。
高級ブランド品と普通の手土産、手土産をもらうならどちらが嬉しい?
最後に、「手土産をもらうなら、高級ブランド品と普通の手土産、どちらが嬉しい?」という質問をした。
その結果、高級なブランド品ではなく普通の品のほうが嬉しいという人が多い結果に。
これまでのアンケートの結果を踏まえて考えると、「自分では買わないような高級品をもらうことはもちろん嬉しいけど、それ以上に自分の好みを考えていてくれたり、思いってくれていたりする手土産の方がもっと嬉しい」という人が多いのではないだろうか。
調査概要
「もらって嬉しい手土産」に関する調査
調査期間:2022年6月9日〜2022年6月15日
調査機関:自社調べ
調査対象:20歳以上の男女
有効回答数:827名(男性359名/女性468名)
調査方法:インターネット調査
構成/Ara