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ジャーナリストの命がけの取材力に驚嘆するNetflixのドキュメンタリー番組「潜入!世界の危険な刑務所」

2022.07.07

刑務所が舞台の人気海外ドラマを鑑賞している時、ふとこう思うことはないだろうか。

「実際の海外の刑務所はどんな感じなんだろう……?」

2016年よりNetflixで独占配信中の『潜入!世界の危険な刑務所』は、イギリスで制作された命がけのドキュメンタリー番組。

現在シーズン5まで配信中だ。

ジャーナリストのポール・コノリー氏とラファエル・ロウ氏が、実際に刑務所に収監されて受刑者らと共同生活を送るという、体当たり取材を行っている。

あらすじ

シーズン1では、ポール・コノリー氏がポーランドのピョトルクフ刑務所、メキシコのエル・ホンゴ刑務所、フィリピンのリサール刑務所などに滞在、受刑者たちと生活する。

シーズン2以降は、殺人・強盗のえん罪で12年間服役した経験を持つラファエル・ロウにバトンタッチ。

ブラジルのポルトベリョ刑務所、コロンビアの首都ボゴタの刑務所、南アフリカのブランドブレイ厳重警備刑務所などの内部から、臨場感あるレポートを行う。

知りたくてもなかなか知ることができない、世界でも屈指の超危険な刑務所の実態を、勇気あるジャーナリストたちが独占取材!

見どころ

普通なら一ヶ所でも身と心が持たなさそうな刑務所の潜入取材を、なんと5シーズン・19ヵ国もこなしているコノリー&ロウ氏。

わざわざ手錠をかけられた状態で護送車に乗って刑務所入りするなど、すべてにおいて徹底している。

刑務官が厳しく管理している刑務所もあれば、受刑者(ギャング)自身が仕切って無法地帯と化している刑務所も。

人気海外ドラマ『プリズンブレイク』や『JAILERS/ジェイラーズ』などを思い出すシーンも多々あった。

「時間が経つにつれ自分を失う気がする ピョトルクフ刑務所の制度が 俺の尊厳とアイデンティティをはぎ取っているのかも」

などといった本人によるナレーションは、実際に体験した人だからこその重く生々しい言葉選びだ。

もちろん刑務所暮らしのレポートだけでなく、隔離棟の独居房に123時間閉じ込められているレベルの危険な凶悪犯らとの対面インタビューも実施。

不安気で緊張した面持ちの中に、隠しきれない高揚感も常に滲ませているコノリー&ロウ氏のジャーナリスト魂が凄い。

普通の人なら恐怖で顔がひきつりそうな状況であっても基本的に余裕の表情を浮かべている両氏だが、時にはあまりの恐怖に涙が溢れる場面もある。

いかにも恐ろしい刑務所ばかりが出てくる中で、シーズン3・第4話の『ノルウェー: 理想の刑務所?』は、箸休め的なエピソード。

他のエピソードに登場する地獄のような刑務所に比べると、ノルウェーの刑務所は天国のよう。

所内のスーパーの棚には、美味しそうな食材が所狭しと陳列されている。

労働をして稼いだお金を使って買い物をする楽しみを味わいながら、社会復帰の練習をするのだ。

監房は、清潔で快適なビジネスホテルのような雰囲気。

もちろん犯した罪の内容によっては、世間から反感を持たれることもあるかもしれない。

しかし、受刑者を痛めつけて罰するよりも、更正を支援して再犯を防止する制度の方が合理的であり、とても素晴らしいと思った。

Netflixシリーズ
『潜入!世界の危険な刑務所』シーズン15
独占配信中

文/吉野潤子

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