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どこでもマルチディスプレイ、手ぶらで映像配信、仕事を倍速化するウェアラブルデバイス「THINKLET」はどこまで使える?

2022.08.17

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

産業分野でいち早く導入されてきたARグラスなどのウエアラブルデバイスは、ここ数年で着実に進化を遂げている。国際的な展示会「CES」で話題を集めた、ビジネス向けの最新デバイスを取材した。

手放しで撮りながら話せて現場の様子を伝えるのがラク!

『THINKLET』は、超広角カメラ、マイク、スピーカー、各種センサーを搭載。ZoomやMicrosoft Teamsとダイレクトにつながる「LINKLET」サービスと合わせて提供されるデバイスだ。今年行なわれた「CES 2022」では特に注目の製品に贈られる「Innovation Awards」を世界最多の3部門で同時受賞している。

 首掛けデバイスにはSIMカードが装着でき、単体でのモバイル通信が可能。PCやスマホがなくてもWeb会議に参加し、デバイスから映像を配信できる。企業からすれば、新たに中継のためのシステムを構築することなく、汎用性の高いWeb会議の仕組みが使えるのは大きなメリットだろう。

 実際に試してみると、首掛けデバイスのカメラは、頭部に装着するアクションカメラのような自分目線の映像を送れる従来の機器とは違い、頭の動きによって映像がフラフラすることがほとんどない。安定した映像が配信できるので、見ている人が映像に酔いにくいというメリットもありそう。

 Web会議を通して相互にやりとりができるので「ここをもっと見せてほしい」などのリクエストも出しやすく、動画や静止画として記録するのも簡単だ。

 作業現場の遠隔支援のほか、リモートでの観光ツアー、不動産の内見、買い物代行などのサービスにも活用できそう。今後、どんなシーンで使われるのかが楽しみなソリューションだと感じた。

肩口に固定できるカメラで見ている映像を簡単に共有できる!

単体でモバイル通信に接続しZoomにダイレクトにつながる!

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

フェアリーデバイセズ『THINKLET』価格未定

専用の首掛けデバイス『THINKLET』はネックスピーカーのような形状。装着すると自分目線の映像を送りながら通話できる。汎用のWeb会議システムに対応する「LINKLET」サービスにログインすると、遠隔からの操作や状況確認が可能だ。

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

首掛けデバイスはSIMカードが装着でき、Wi-Fiと4G LTEに接続可能。USB Type-Cで給電ができるほか、外部機器と接続できる拡張性も備える。内蔵バッテリーでも約2.5時間の連続配信が可能だ。

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

〈Review〉
ケーブルなどの煩わしさがなく、両手を使って作業ができるのが実に軽快。安定感も抜群で、多少動いても外れない感じ。しっかり固定できるアダプターも用意されている。一方でスピーカー音は、騒音の大きいところだとやや聞き取りにくい。

〈Review結果〉実用度:★★★★★ 拡張性:★★★★☆ コスパ:★★★☆☆

120度の超広角カメラで、作業者目線の映像をチェック

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

映像の送信と同時に、マイクとスピーカーで相互にコミュニケーションがとれる。『LINKLET』を扱うフェアリーデバイセズのプロダクト開発部・前畑健太さん(左)とSVP of Science・関喜史さん(右)からの「そこに近づいて」といった遠隔指示に対応できた。

〈Review〉
中継映像を見る側はZoomやMicrosoft Teamsで手軽に参加でき、現場に指示が出せるほか、映像の録画も行なえる。4K相当の高解像度な静止画を取得できる機能もあり、かなり仕事に使えそうだ。

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

約170gと軽く着けているのを忘れそう

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

装着してみると見た目以上に軽く、ほとんど重さを感じない。視界に入るなどの煩わしさもなく、仕事が終わっても着けたまま帰りそうになるくらいだ。

フェアリーデバイセズ『THINKLET』

現場の声をもとに開発された首掛けデバイスは、作業者の負担を少なくすべく、装着感やカメラの見え方にも工夫しているという。今後、現場からのデータをどう活用するのかにも注力していくとのこと。

仕事の集中力を高めるウエアラブルガジェット3選

ジーンスレッド『ジータッチ・ワイド』

ジーンスレッド『ジータッチ・ワイド』5830円

特殊加工が施された3層構造の炭化フェルト繊維が体温で発熱。目元がじんわりと温まる効果により集中力が持続しやすい。

donut robotics『clip EAR』

donut robotics『clip EAR』1万7600円

「議事録・字幕システム」との連携でビデオ会議中の声をテキスト化。議事録を作成する。メモ要らずで会話に集中しやすい。

Shiftall『WEAR SPACE』

Shiftall『WEAR SPACE』3万8500円

ノイズキャンセリングヘッドホンと視界を遮るパーティションが一体化。集中力を削ぐ要因を物理的に排除する。

〈Review〉
ノイズキャンセリングをオンにしたところ、周囲の声や音が気にならないレベルに。パーティションによって目の前しか見えなくなる効果もテキメンで、作業に集中しやすくなった。ただし、パーティションの重みがやや気になるところ。長時間の使用はつらいかも。

〈Review結果〉実用度:★★★★☆ 拡張性:★★★☆☆ コスパ:★★★☆☆

取材・文/太田百合子、編集部

※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年5月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。

 

DIME8月号はウエアラブルの大特集、豪華付録はLEDテープライト250

大特集は「仕事も暮らしもジブン最適化! 超快適!ウエアラブル」

ついに発表されたグーグル初のスマートウォッチ「Pixel Watch」から約130インチの映像をどこでも気軽に視聴できる「Nreal Air」まで、注目のウエアラブルデバイスが続々登場。中でも、単体で使える機能が充実し、スマホ全盛時代の終焉を告げる「ポストスマホ」の本命デバイスを、WATCH、MOBILE、HOME、SPORTS、WORK、HEALTH CAREのカテゴリーに分けて編集部がセレクト。その実力を検証した!

また、8月号の付録は、好きな場所に貼って使える便利なDIYアイテム「LEDテープライト250」。 床、壁、天井などに照射した光の反射で、空間をほんのりと明るくする、間接照明にピッタリのアイテムです!テープの長さは250㎝。設置したいスペースに合わせて、好きな長さに切って使えます。 電源はテープ端のUSB Type-A端子をUSB-ACアダプターやモバイルバッテリーなどに接続すればOK。

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