世界で最も幸福な国に5年連続で選出されているフィンランド。フィンランド人は、サウナ浴で自然とのつながりを取り戻す習慣と、ユーモアあふれる奇妙な競技会で互いに競い合い、人生を楽しんでいるという。
夏のフィンランドでは、そんなユニークな競技の世界選手権が数多く開催されている。今回はその中から5つの大会を紹介しよう。
「妻運び」世界選手権大会
2年ぶりの開催となる第25回「妻運び」世界選手権大会が、ラップランドのソンカヤルヴィにて、2022年7月1日(金)と2日(土)に開催された。
フィンランド発祥で、19世紀後半の泥棒ヘルコ・ロズヴォ・ロンカイネンに遡るとされるこの伝統は、野心と忠実さ、そしてユーモアが求められる。
妻の体重は49キロ以上でなければならず、名声と栄光、そしてフィンランドデザインの製品を求めて253.5メートルを超える水濠などの障害物があるコースを参加者が競い合う。また、観客を最も楽しませたカップル、ユニークな衣装、最強の運び手に特別賞が授与される。
詳細 https://eukonkanto.fi/en_GB
「ヘビーメタルで編み物」世界選手権大会
毎年恒例の「ヘビーメタルで編み物」世界選手権大会2022は、今年もフィンランド南西部のヨエンスーで開催される。
目を閉じ、頭を激しいリズムに合わせて振り、編針を動かす本大会は、多数のバンドの応募からベスト12が選ばれ、7月8日(金)に決勝戦が行われる。このイベントの特徴は、芸術性やパフォーマンスのオリジナリティが審査されるだけでなく、あらかじめ決められた編み物の出来栄えが主な採点基準となる。
昨年はバーチャルで大会が開催されたが、今年は現地で参加者が編み針を輝かせる。
「ツリーハグ」世界選手権大会
コロナ禍に人々を元気づける為、一昨年から始まったのが「ツリーハグ」世界選手権大会だ。
今年は、ラップランド地方のレヴィにあるハリプーの森で開催され、参加者は現地で木を抱きしめ、写真を撮り、ストレスを解消するか、または、オンライン上でその様子を投稿し参加ができる。
2022年8月20日(土)に、フィンランドの自然保護区のシニアアドバイザー、森林所有者、キュレーターからなる専門審査員が、各国からの参加者を評価し、ユニークな優勝者を選ぶ。
詳細 www.halipuu.com/treehuggingworldchampionships/
「ラップランド砂金堀り」世界選手権大会
ラップランドの金採掘者協会と金の村タンカヴァーラの協力のもと、今年もアマチュアとプロの最高峰のゴールドパンナー(砂金堀り者)が頂点を競う。
2022年7月28日(木)~31日(日)に行われる本大会は、大勢の参加者が、砂が入ったバケツに隠された5~12個の砂金をできるだけ早く見つけるというシンプルなルールに従って、競技に挑む。
タンカヴァーラは金鉱探しの長い伝統があり、金鉱夫によって設立されたこの村では、150年以上も前から金が採掘されているという。
詳細 www.tankavaaragold.fi/language/en/worldgoldpanningchampionships/
「エアギター」世界選手権大会
1000キロ平方メートルあたりにおける、ヘビメタルバンドの数が28グループ以上という「メタル密度」を誇るフィンランド中部の都市オウルは、まさにフィンランドのヘビーメタルの首都。
今年で26年目を迎える「エアギター」世界選手権大会は、2022年8月24日(水)~26日(金)に開催され、「エアギターを弾きながら銃を持つことはできない」というモットーに緩く基づき、参加者は音楽に合わせてギターを弾く姿を真似、平和と喜びを表現する。
12カ国以上で国別対抗の予選が行われ、その勝者がオウルで争う。参加者は、2度の世界チャンピオンに輝いたバンドグループ 「ノルディックサンダー(Nordic Thunder)」から王座を奪い、エアギターで世界を少しでも平和にすることを目指す。
詳細 www.airguitarworldchampionships.com
構成/オニザワミカ