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覚えておきたい「クーリングオフ」できる契約とできない契約の違い

2022.07.09

「クーリングオフ」とは、締結後一定期間に限り、契約を解除できる制度です。返品手数料や違約金などが一切かからず、完全にノーペナルティで契約を解消できる点が大きな特徴となります。

クーリングオフは、消費者を保護する必要性が高い一部の契約に限って認められています。すべての契約がクーリングオフできるわけではない点にご注意ください。

今回は、クーリングオフできる契約とできない契約の例、さらにクーリングオフできない契約を解消する方法などをまとめました。

1. クーリングオフできる契約の例

以下に挙げる取引に関する契約は、クーリングオフの対象となっています。

<クーリングオフの対象取引とクーリングオフ期間>

①訪問販売(キャッチセールスを含む)
→契約締結書面の受領日を含めて8日間

②電話勧誘販売
→契約締結書面の受領日を含めて8日間

③特定継続的役務提供
※エステ、語学教育、学習塾等、家庭教師等、パソコン教室等、結婚相談所のサービス提供契約
→契約締結書面の受領日を含めて8日間

④個別信用購入あっせん
※特定の商品・サービスの代金を分割払いする際のクレジット契約
→契約締結書面の受領日を含めて8日間

⑤宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地・建物の売買契約
→クーリングオフができる旨の告知を受けた日を含めて8日間(引渡しと代金の支払いが済んでいる場合はクーリングオフ不可)

⑥ゴルフ会員権契約
※50万円以上の場合のみ
→契約締結書面の受領日を含めて8日間

⑦保険契約
→クーリングオフに関する事項が記載された書面の受領日と申込日のいずれか遅い日を含めて8日間

⑧投資顧問契約
※投資判断に関する助言を行う契約
→契約締結書面の受領日を含めて10日間

⑨現物まがい商法
※販売した商品の現物を渡さず、預かり証などしか交付しない取引
→契約締結書面の受領日を含めて14日間

⑩連鎖販売取引(マルチ商法)
※商品・サービスを販売すれば紹介料・マージンなどが得られるなどとネットワークへの参加を勧誘し、入会金などを支払わせる取引
→契約締結書面の受領日を含めて20日間(将来に向けての解除はいつでも可能)

⑪業務提供誘引販売取引
※報酬の得られる仕事をあっせんするなどと勧誘し、その条件として商品やサービスを購入させる取引
→契約締結書面の受領日を含めて20日間

2. クーリングオフできない契約の例

これに対して、以下のいずれかに該当する契約については、クーリングオフが認められません。

①通信販売で購入した場合
消費者が積極的に購入申込みを行うため、クーリングオフの対象外とされています。ただし、返品不可の特約が定められていない限り、返送料等を負担したうえで契約を解除することは可能です。

②営業用に購入した場合
消費者保護の趣旨から外れるため、クーリングオフの対象外とされています。個人事業主が事業のために商品・サービスを購入した場合も含まれます。

③自らの意思で店舗・営業所等に足を運んで契約した場合
消費者の購入に向けた積極的な行為が見られるため、クーリングオフの対象外とされています。

④政令指定消耗品を開封・使用した場合
以下の政令指定消耗品を開封・使用した場合、使用済み分のクーリングオフは認められません。

・動物および植物の加工品(一般の飲食の用に供されないものに限る)であって、人が摂取するもの
・不織布、幅が13センチメートル以上の織物
・コンドーム、生理用品
・防虫剤、殺虫剤、防臭剤、脱臭剤(医薬品を除く)
・化粧品、毛髪用剤、石鹸(医薬品を除く)
・浴用剤、合成洗剤、洗浄剤、つや出し剤、ワックス、靴クリーム、歯ブラシ
・履物
・壁紙
・医薬品

⑤車を購入した場合
車はクーリングオフの対象外です。

⑥3,000円未満の商品・サービスを購入した場合
金額が僅少であるため、クーリングオフの対象外とされています。

3. クーリングオフできない契約を解消するには?

クーリングオフできない契約でも、以下の方法によって取消しを主張できる可能性があります。

①錯誤取消し
重大な勘違いに基づいて締結した契約は、取消しが認められる可能性があります(民法95条)。

②詐欺取消し
相手方に騙されて締結した契約は、取消しが認められる可能性があります(民法96条1項)。

③消費者契約法に基づく取消し
相手方の事業者に以下の行為が認められる場合、契約の取消しが認められます(消費者契約法4条1項~4項)。
・重要事項について、真実でないことを告知する行為
・不確実な事項に関して、断定的判断を提供する行為
・不利益事実を告知しない行為
・消費者の要求に反して退去しない行為
・退去しようとする消費者を妨害する行為
・日常生活において通常必要な水準を、著しく超える分量の商品・サービスを販売する行為(過量契約)
・消費者の不安を煽る告知をする行為
・デート商法
・加齢または心身の故障による判断力の低下を、不当に利用する行為
・霊感商法
・契約締結前にサービスを提供して、原状回復を著しく困難にする行為
・契約締結前にサービスを提供して、その費用等を請求する行為

不本意な契約を解消したい場合には、消費者ホットラインや最寄りの消費生活センター、弁護士などにご相談ください。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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