運動時だけでなく安静時の心拍データも活用し、ストレス度を測れるスマートウオッチが増えてきた。さらに血圧、体温、血糖値などのセンサーも進化。今や健康は腕元でチェックできる時代だ。
私が試しました
テックライター 太田百合子さん
スマホからウエアラブルまで、身近なデジタルガジェットと、それらの関連サービスを中心に取材・執筆。スマートウオッチは同時にたくさんつけられないのが悩み。
ストレス度を知ることで身体の変化を確認できる
日々たまるストレスは、目に見えないのがやっかいなところ。ところが最近、そんな見えないはずのストレスを可視化できるようになってきた。
最新のスマートウオッチやスマートバンドには、ストレスマネジメント機能を搭載するものが増加。ストレスをチェックする方法はメーカーやデバイスによって異なるものの、共通しているのは心拍センサーを活用している点だ。安静時の心拍や、心拍変動と呼ばれる心拍のゆらぎをもとに、各メーカーが独自のアルゴリズムでストレスを診断、数値化している。そのスコアの変動を見ることによって、自分の身体の変化に気づけるというわけだ。
実際にストレスマネジメント機能を備えたスマートバンドを試したところ、筆者の場合は運動不足や不規則な生活が、スコアに如実に反映されることがわかった。中には、スコアだけでなく、ストレス解消のためのアドバイスを提示してくれるものも。アドバイスに従って深呼吸やストレッチを取り入れたところ、確かにスコアが少し改善してきている。もちろん何事も過信は禁物だが、最近疲れがとれない、寝つきが悪いなど、心当たりのある人は、ぜひチェックしてみてほしい。
ストレス度を把握して心身の過度な疲労を減らす!
軽量コンパクトで使いやすい!
ガーミン『vivosmart 5』1万9800円
身につけることが負担にならない小型、スリム、軽量な本体に多くの機能を搭載。心拍数、呼吸数、血中酸素、エネルギーを数値化するBody Batteryに加え、心拍変動をもとにした時間ごとのストレスレベルも記録できる。
光学式の心拍センサーを背面に備える。シリコンバンドは交換可能。
時間ごとのストレスレベルの変動から、ストレスの原因を推定できる。
〈Review〉
ストレスレベルを0~100の数値で表示。その日のレベルだけでなく、時間ごとの数値の変化もわかる。高くなった時に何をしていたか振り返れば、ストレスの原因が特定できるというわけだ。休憩や運動で下がっているといったことも確認できるので、これらのデータを参考に、レベルの高い時間が長くならないようにコントロールすれば、ストレスと上手につきあえそう。
〈Review 結果〉実用度:★★★★★ 拡張性:★★★★☆ コスパ:★★★★★
カラー有機ELディスプレイが見やすい
フィットビット『Fitbit Charge 5』オープン価格(実勢価格約2万4990円)
各種活動を計測する機能に加え、睡眠モニタリングやストレスマネジメントといった健康管理に役立つ機能を搭載。ストレスに対する身体の反応がわかる、皮膚電気活動反応(皮膚の汗量のわずかな変化)も計測できる。
背面に心拍センサー、側面に皮膚電気活動センサーをそれぞれ搭載。
ストレスを1~100で表示。アイコンを選ぶだけで気分も登録できる。
〈Review〉
皮膚電気活動(EDA)の測定は自動ではなく、ディスプレイを挟むように指を当てて計測する必要がある。習慣化するまではちょっと面倒だが、フィットビットのアプリには、その時々の気分を記録できる機能もあり、メンタルとストレスの関係性がわかるのはおもしろい。健康意識の高い人は、有料会員になってストレスレベルスコアのより詳しいデータをチェックしよう。
〈Review 結果〉
実用度:★★★★☆ 拡張性:★★★★☆ コスパ:★★★★☆
ストレス指数を1分の測定で表示
ASUS『ASUS VivoWatch SP HC-A05』オープン価格(実勢価格約3万9800円)
ケースの左右に搭載されたセンサーを指で挟み、1分間の計測で脈波伝播時間(PTT)、心拍数や血中酸素レベル、ストレス解消指数を計測できる。GPSや高度計、運動や睡眠のトラッキング機能なども搭載。専用アプリで服薬や生理周期も管理できる。
24時間モニタリングできる
ファーウェイ『HUAWEI Band 7』オープン価格(実勢価格約8580円)
ストレス状況を24時間モニタリングできる独自機能「HUAWEI TruRelax ストレスモニタリング」を搭載。時間ごとのストレスレベルがハッキリとわかるので、ストレスの要因を特定しやすい。深呼吸でリラックスできる「呼吸エクササイズ」も用意され、ストレスの緩和に役立てることができる。