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親子関係心理学の専門家が指南する「毒親を卒業する方法」

2022.07.04

 

初めは誰もが善きママ、善きパパでありたいと思うものだ。しかし、子育ては思いどおりにならないことのほうが多い。子どもに対して厳しい躾をしたり、きつい言い方をしている間に、自分でも気付かぬうちに「毒親」となっているケースがあるかもしれない。

そこでserendipityは、25歳以上60歳未満の父母全国3,000人(男性1,500人、女性1,500人)を対象にした「毒親」に関する意識調査を実施。先日、結果を発表した。その結果と併せ、親子関係心理学の専門家・三凛さとし氏が提案する「『毒親』を卒業する方法」も紹介する。

母親の35.3%が「毒親なのかも」と回答

「現在または過去に、自分の子どもに対してしたことがある言動で、思い当たることはあるか」と尋ねたところ、父母ともに「思い当たることはない」(全体47.3%、父親53.7%、母親40.9%)が最多だった。

一方、思い当たることでは「言うことを聞かせようと命令や指示をする」(全体25.9%、父親21.6%、母親30.1%)が最も多く、「過保護だと思う(何でも自分でやってしまう)」(全体22.8%、父親15.7%、母親29.9%)、「子どものすることや交友関係、仕事などを把握・管理していたい」(全体10.7%、父親6.3%、母親15.2%)と続き、父親よりも母親の方が思い当たる人の割合が多いこともわかった。

次に、「もしかして、自分は子どもにとって『毒親』なのかもしれないと思ったことはあるか」尋ねた。約3割が「あまりない」(全体30.3%、父親29.9%、母親30.7%)と回答したものの、母親では「たまにある」(全体23.5%、父親16.5%、母親30.5%)、父親では「まったくない」(全体25.7%、父親31.8%、母親19.5%)も多く見られ、父親と母親で差があることが判明した。また、「よくある」(全体4.0%、父親3.3%、母親4.8%)も僅かながらいた。

続いて、「現在の子どもとの関係」について尋ねたところ、8割弱が「良い」(全体43.3%、父親40.9%、母親45.7%)または「どちらかと言うと良い」(全体35.1%、父親32.1%、母親38.0%)と回答。

これらにより、父親よりも母親のほうが、自分は「毒親」なのかもしれないと思いつつも、子どもとの関係は良好であると感じている傾向にあることがわかった。

親子関係心理学の専門家・三凛さとし氏が教える「『毒親』を卒業する方法」

毒親とは、過干渉や過保護、過度な支配・管理、または価値観の押し付けなどによって、子どもに悪い影響を与える親のことを言いますが、今回は、「たまにある」「よくある」を含めると30%程度の方が、「自分は『毒親』かも?」と感じていることがわかりました。

※ただし、自分の行いを客観的に自覚することは誰にとってもなかなか難しいので、親側はそんなつもりはなくても子ども側からすると「うちの親は『毒親』だ」と思っているケースもあるであろうことは留意したいと思います。

なぜ「毒親」になってしまうのか?

毒親になってしまう理由は一言で言うと、愛情の欠落です。なんらかの理由で、親自身が自分の親から十分に愛情をもらえなかったと感じていたり、不安定な育てられ方をされたりした経験があると、毒親の特徴に当てはまる子育てになる可能性が高まります。

毒親を持つ子は、大人になっても自分に自信が持てなかったり、何かに依存しやすかったり、破滅的な対人関係・家族関係を築いてしまったりと、悩みの多い人生になってしまいます。しかし、その子どももやがて人の親になります。こうした親から子どもに受け継がれる負のループこそが、一定数の毒親を産んでしまう原因だと考えられます。

「毒親」を卒業する方法

では、どうすれば毒親を卒業できるのでしょうか?私は、今まで多くの親子関係を見てきた中で、3つの対策があると感じています。

1.子どものニーズを聞き、自覚する

まずは、子どもの気持ちを聞くことです。今まで自分が子どもにしてきたことや普段していることの中で「嫌だったこと」はないか、子どもに直接聞いてみてください。自分のことを客観的に見ることは誰にとっても難しいように、多くの毒親にとって、自分の子育てが間違えていると自ら気づくことは困難です。

子どもが教えてくれる「嫌だったこと」から、意外と自分は毒親だったのではないかと気づくケースもあるはずです。ちなみに、こうして子どもの意見を聞くことに抵抗があったり、子どもの方も遠慮してオープンでフラットなコミュニケーションが取れなかったりする場合、毒親である可能性が高いです。

2.自ら心を埋め、あなた自身が自分の人生を生きる

子どもに対する言動は、あなた自身の愛情の欠落や不足を解消することで、変えようと頑張ったり意識したりしなくても、自然と変わっていきます。愛情の欠落を解消するには、まずは毎日自分を丁寧に扱い、小さなことでも自分を褒めるということをやってみてください。

自分を丁寧に扱うとは、自分の本心に従って生きるということです。日常の中で我慢や遠慮していることはありませんか?愛情不足の人は、自分に対してとても厳しく接し、「心地いい」「好き」「楽しい」「幸せ」よりも「社会通念」「常識」「世間や親の期待」を優先した生き方をし、また同じ生き方を子どもにも課してしまいます。子どもに対して毒親でなくなる前に、こうした自分自身の生き方のルールを変える必要があります。

ですので、小さなことからで構いませんので、日々の選択を「心地いいのか?」「好きなのか?」「楽しいのか?」「幸せなのか?」の基準ですることを習慣づけてみてください。すると、あなたも子どもが自由に幸せに生きることを許せるようになります。

これは私の経験則ですが、「親としてこうするべき」「親としてこうあるべき」を優先している親御さんを持つ子どもよりも、世間体関係なくわがままに幸せに自分の夢を叶えながら生きている親を持つ子どもの方が素直にイキイキと育ちます。子どもは親の背中を見て、生き方を真似するということです。

3.子どもに謝る

毒親の特徴として、自らの非を認めたり謝ったりできないということがあります。自分の身を守ることが習慣付いてしまっているので、子どもから責められた時、過度に自己防衛的になってしまったり、自分も苦しんだ分耐えきれずに逆ギレしてしまったりする傾向があります。

しかし、子どもはあなたの間違いを責めたいわけではなく、「気持ちを理解して欲しい」のです。ですから、過去を振り返って、子どもに負担をかけすぎてしまっていたと少しでも感じることがあるのであれば、真剣に誠実に「あの時は本当にごめんなさい。私も親だけど、まだまだ未熟なのだ」ということを伝えましょう。子どもは親から受け入れられていないと感じると、自己肯定感がどんどん下がってしまいます。

ある調査で、日本の子どもや若者の自己肯定感は、先進国の中で最下位になってしまったということもあり、「自己肯定感」という言葉がトレンドになるほど注目されていますが、心理学においても、かなりの部分が家庭内で経験することに起因するとされています。

これだけ国民全体の自己肯定感が低いとなると、日本は自覚なく「毒親大国」になっている可能性も否定できません。もし、あなたが子どもに対して、過去の過ちをすんなり謝れないような気持ちになっているとしたら、あなたは毒親なのかもしれません。

上記3つは、自分に毒親の自覚があってもなくても、実践していただければ子どもとの関係もオープンで前向きなものに変わっていくでしょう。また、この3つを実践することに抵抗感がある場合、自覚なく毒親になっている可能性もあります。自覚できたらなおさら、抵抗があっても頑張って取り組んでみていただきたいです。

<三凛 さとし(さんりん さとし)氏 プロフィール>

ライフコーチ。親子関係心理学の専門家。米NY州立大学卒業。
家庭内トラウマによる生きづらさを抱えるアダルトチルドレンをセルフコーチングで克服。その経験から、才能開花や経済的成功、パートナーシップ改善を指南する自己改革プログラムを開発し、9万人以上の人生好転をサポート。SNSやオンラインスクールを通じ、お金・時間・場所の自由、そして人間関係と心身の健康の充実を実現する方法を発信中。

世界的企業家イーロン・マスクの母、メイ・マスクの子育てについての日本初講演にて、インタビュアーに抜擢される。また、2022年3月には、親子関係について真の問題解決法を綴った初の著書『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』(KADOKAWA)を出版。

※合同会社serendipity 調べ

<調査概要>
調査期間:2022年6月3日
調査手法:インターネット調査
調査対象: 25歳以上60歳未満の父母全国
サンプル数:3,000人(男性:1,500人、女性:1,500人)

出典元:合同会社serendipity

構成/こじへい

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