SNSやニュースサイトでIT関連の投稿や記事を見ていると、『バズワード』というキーワードがときおり登場します。バズワードの意味や具体例を知れば、投稿や記事の真意がより正確に読めるようになるでしょう。IT業界の今が見えてくるかもしれません。
バズワードって何?
バズワードとはどんな言葉なのか、意味や由来を解説します。意味をしっかり知っておけば、バズワードの具体例への理解も深まるはずです。
英語の「Buzz」「Word」が由来
バズワードとは『説得力のある言葉のように見せかけて意味や定義がぼんやりしている言葉』で、IT関連の言葉に多く見られます。具体的に何を示すかが曖昧で、使う人・耳にする人によってイメージするものが異なる場合があります。そのため、バズワードは、社会を混乱させる言葉としてネガティブに捉えられがちです。
バズワードの語源は、蜂が飛ぶときに立てるブンブンという音やガヤガヤ騒がしく話すことを表す『buzz』です。buzzが表す状態は総じて耳障りなことから、『word(言葉)』と組み合わせて『人騒がせな流行語』を指します。
「バズる」との違い
バズワードと似た言葉として『バズる』があります。バズるの語源もバズワードと同じbuzzで、『る』を語尾に付けて動詞化した形です。
バズるは『物事が急激に広まったり話題になったりする状態』を表す言葉です。buzzの『一つの場所に集まり、うわさ話でざわざわする』という意味に由来しています。
バズるはポジティブな話題が広まったときにも、ネガティブな話題が広まったときにも使われる言葉です。ネガティブな話題が急激に広まることを『炎上』と表現する場合もあります。
バズワードの具体例
バズワードの具体例を紹介します。言葉の意味をしっかり理解しておけば、日常会話でもバズワードを使えるようになるでしょう。
クラウド
クラウドとは『インターネットを通じてサービスを必要なときに利用する考え方』を指す言葉です。インターネットにつながる環境さえあればいつどこからでも利用でき、サーバーやストレージ、ネットワークなどを持っていなくても使える状態を指します。
クラウドはITの定義としては、『ソフトウェアをインストールしていなくても、ブラウザからいつでもどこでも利用できるサービス』自体を指します。Amazonが提供するAWS(アマゾンウェブサービス)、Googleが提供しているGmailやGoogleカレンダーなどはクラウドサービスの一環です。
クラウドという言葉の使用例は以下の通りです。
- クラウド上でスケジュールを管理しておけば、グループ内で予定が共有できて便利だね。
- 文書の変更をリアルタイムで共有したいなら、クラウド型の文書管理システムを導入するのがおすすめです。
ユビキタス
ユビキタスとは『同時に至るところに存在する』という意味の言葉です。生活のあらゆるシーンにコンピューターが入り込み、時と場所を選ばずに欲しい情報が得られる環境を指します。ユビキタスが一般的になった社会では、ユーザーは特段コンピューターを使っている感覚もなく、ごく当たり前に情報へのアクセスが可能です。
ユビキタスは1980年代に提唱された概念で、コンピューターの小型化とインターネットの急速な普及により現実化しました。
ユビキタスという言葉の使用例は以下の通りです。
- 現代社会に生きる私たちは、知らず知しらずのうちにユビキタスコンピューティングの恩恵を受けている。
- Iot(モノのインターネット)は、ユビキタスの概念を現実化するための技術の一つです。
AI
AI とは人工知能(Artificial Intelligence)を表す言葉で『コンピューターが学ぶ機械学習を中心に発展してきた技術』を指します。
機械学習とはコンピューターにデータを学習させ、そこからパターンやルールを導き出す方法です。AIは膨大なデータを学習して、人間には導き出せないルールを発見し、ルールに則って最善の答えを出します。
AIという言葉の使用例は以下の通りです。
- これから事業を拡大させていくには、AIへの投資が欠かせないだろう。
- AIというとSFチックで縁遠い世界のように思われがちだけれど、AIはすでに私たちの身近なところで活躍しているんだよ。
バズワードの関連語
バズワードという言葉をより深く知るためには、関連語への理解が欠かせません。類義語と対義語を知って、バズワードへの理解を進めましょう。
類義語は「プラスチックワード」「流行語」
バズワードの類義語としてまず挙げられるのが、プラスチックワードです。プラスチックワードとは、『意味がはっきりしていないのに新しい概念を表現しているかのような雰囲気を持った言葉』です。
プラスチックのようにいろいろな形に姿を変えて、さまざまなシチュエーションに合わせて使用できるという特徴を持っています。
流行語も、バズワードの類義語です。『何かのきっかけで急速に飛び交うようになった言葉』で、流行している間は頻繁に使われるものの徐々に使われなくなり姿を消していきます。
対義語は「死語」「廃語」
バズワードの対義語として挙げられるのが死語です。『かつて頻繁に使われていたのに現在ではまったく使われなくなった言葉』を指します。
いっときの流行語が時日を経て死語となる場合と、時間の経過とともに意味が通じない人が増えてきて死語になる場合とがあります。『マイブーム』『カリスマ』『リア充』などが死語の例です。
廃語もバズワードの対義語として存在します。死語と同じ意味を持つ言葉で『過去のものとなった言葉』を表します。その言葉が盛んに飛び交っていた分野自体が忘れ去られ、存在意義を失った言葉が廃語となるのが一般的です。死語も廃語も、言葉自体が古い言葉として使われなくなってきています。
構成/編集部