節電の夏でも就寝中はエアコンがマスト!
毎年のことではあるが、酷暑の夏を直前に控え、気を付けるべきは熱中症だ。今年は5月(5月1日~29日)時点での「全国の熱中症による救急搬送」が、前年比で1.6倍と増加傾向にある。そんな中、先日、パナソニックが熱中症セミナーを開催した。
特に注意が必要なのは高齢者だが、油断は禁物。肥満や運動不足、そして、まだ「暑さに慣れていない」今の時期こそ注意が必要。
熱中症を防ぐには「のどが渇いていなくてもこまめに水分補給する」「塩分の補給も忘れずに」「暑い日はがまんせず、エアコンを使用する」など、常識的な対策はもちろんだが、熱中症の発生場所は思いのほか住宅(屋内)が多く、日中よりも夜間の死亡率が高いというデータもある。そこでパナソニックが提案しているのが、就寝中のエアコンのすすめだ。
とはいえ、節電が呼びかけられるなか、電気代の値上がりも気になる。省エネしながら熱中症対策する方法はいかなるものか。
節電の夏に効率的にエアコンを使うポイントとは?
熱中症対策に関する意識調査によると、「夏時期のエアコンの使用は、メインのエアコンで約6割弱。がまんできるときは消したり、使わないという人も多く、寝室での利用は焼く半数にとどまるという回答もある(パナソニック調べ)。
パナソニック エアーマイスターの福田風子さんが登壇。
その理由の上位から3位までは「電気代がかかるから」、「冷えすぎるから」、「体に悪いと思うから」。そこで、セミナーでは、まず節電につながるエアコンの使い方が紹介された。
●節電につながるエアコンの使い方●
1:エアコンの設定温度を下げすぎない…外気温-3~4度が適温。夏場の設定温度を1度上げると約13%の省エネになる。だが、熱中症対策としては蒸し暑いのに我慢は禁物だ。設定温度を下げるよりも「風量」を上げたほうが省エネに。そして、風を感じることで体感温度も下がる。
2:風量は微風ではなく「自動」に…微風だと設定温度に至るまでに時間がかかり余計な電気代がかかることも。
3:窓からの日射を遮断…熱は開口部から出入りするため、カーテンを有効利用し遮断する。
4:風向は上向き。サーキュレーターを併用する…冷気は下にたまるため、エアコンの風向は上向きに、サーキュレーターはエアコンの下に置き、エアコンと同方向に。室内にたまった空気を攪拌して温度のムラをなくす。
5:エアコンのフィルターを掃除する…掃除の目安は2週間に1度。フィルターが汚れていると冷房の効率は悪く、商品電力もかかる。1年間、掃除をしていないフィルターでは約25%も電気代がアップしてしまう。
6:エアコンの室外機にも気を配る…室外機に直射日光が当たったり、コンクリートの照り返しがあったりと、室外機が置かれている周辺の温度が上がると冷房の効き目がダウンし、電気代がアップする。日よけや日陰をつくるといい。その際空気の通り道をふさがないよう気を付ける。
夏の快眠環境づくりのポイント
熱帯夜での快眠テクニックだが、夏でも一般的な快眠テクである、
・深部体温を上げる入浴…就寝の90分(入浴時間が短ければ60分)前に入浴。38~40度のぬるめの湯に約15分浸かる
・リビングや浴室の照度は控えめに
・パジャマに着替えるなどの入眠儀式を意識(パジャマはゆったりとした長袖・長ズボンが理想的)
などは実践する。
それではエアコンは?
1:エアコンは寝室に入る30分前にスイッチを入れ、上に向けて風を当てておく…天井を冷やすのが肝だ
2:タイマーは設定せず、設定温度は26~28℃に
3:湿度は60%以下に保つ
就寝中にエアコンを運転したままにするのが好ましいが、「冷えすぎる」「風が当たる」など、夜間に設定変更をしている人も多く、快適空間をキープすることの難しさもある。
モデルルームで寝室専用エアコンを体感
今回は、寝室用エアコンとセンサー、連動したアプリのデモンストレーションも行なわれた。
寝室用エアコン「Eolia sleep(エオリア スリープ) CS-PX222D」オープン価格。
アプリは別売りの照明や音響機器とも連携できる。
稼働させると、まず稼働音の静かなことに気付いた。ベッドサイドセンサーを枕元に置くことで、就寝中の温度と湿度を自動制御してくれる。
付属の「ベッドサイドセンサー」。
さらに、「Eolia sleep」アプリと連動させると、おやすみスコアを判定、睡眠環境を見える化できる。起床後にフィードバックすることで、好みの運転に。
アプリで自分の睡眠状況を見える化。
「ナノイーX」搭載でエアコン内だけでなく、寝室もクリーンに。
エアコンで就寝中の環境をしっかり管理することで質の高い眠りを実現。熱中症対策だけでなく、翌日のパフォーマンスもアップしそうだ。
寝室用エアコンは夏だけでなく冬の寒い時期の必要性も高いと感じた。アプリは気にしすぎるとプレッシャーになりそうなので、「見える化」を楽しみにくらいの気持ちでトライするのが望ましいのかも。快適な空間を維持する必要性と省エネ方法はわかった。あとは、この夏の電気代急騰をどうにかしてほしいものである…。
関連情報:https://panasonic.jp/aircon/eolia.html
取材・文/はまだふくこ