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理想のワークチェア選びをサポートする専門店「WORKAHOLIC」のコンシェルジュサービス体験レポート

2022.06.23

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

正しい姿勢をイスにサポートしてもらうことで快適な作業環境を作る

在宅ワークの増加で長時間のPC作業による、腰痛や肩こりに悩まされている人も多いのでは。在宅ワーク歴25年の記者・阿部も、平均で1日7時間、多いときには10時間もデスクワークを行っているため、肩こりや首の痛み、腰痛は職業病だと諦めていた。

とはいえ、イスで改善できるのならと、高価格帯のワークチェアをチェックしていたが「10万円以上のワークチェアを買って、もし合わなかったらどうしよう」と躊躇したまま、ずるずると今に至っていた。

しかし、トシもトシだしここで思い切って環境を変えてみようと、高機能のワークチェアを実際に座って試すことができる、ワークチェア専門店「WORKAHOLIC(ワーカホリック)」を訪れることにした。

ワーカホリックは2011年に赤坂で誕生、2016年に虎ノ門に移転、現在の浅草橋には2018年に移転した。

ワークチェアは多くの種類があり自分の身体に合うものがわからない、購入後に身体に合わずに後悔したというケースも少なくないことから、ワーカホリックでは失敗しないイス選びのための「チェアコンシェルジュサービス」をオープン時から導入。

累計5万人以上の顧客への販売実績から蓄積された接客経験や、ワークチェアに関する豊富な知識を持つ、人間工学に基づく理想のデスクワークづくりに精通した専門スタッフがアドバイスを行い、最適な1脚を見つける手助けをする。

コロナ禍によるリモートワークで、自宅で使うワークチェアの需要が高まり来客数が増えたことから、質の高い接客を担保するため昨年よりチェアコンシェルジュサービスを有料化。完全予約制で、概ね2時間のチェアコンシェルジュサービスに、カフェインドリンク、オリジナルノベルティがセットで3300円。自分に合ったイスが見つかれば、店やオンラインサイトでの購入ができ、後日改めての購入でも可能だ。

ワークチェアはデスクとの相性も大きく関わるため、チェアコンシェルジュサービスではデスクとイスを組み合せてアドバイスや調整を行う。そのため、来店前に自宅で使用しているデスクの天板下から床面の高さ、天板奥行、天板の厚みを測り、サイズを相談時に伝える。

今回担当していただいたチェアコンシェルジュは井上将人さん。最初は仕事環境や身体の状態、悩みなどを聞き取るヒアリングを十分時間をかけて行い、個々の状態を把握してチェアコンシェルジュがアドバイスを行う。

「来店されるお客様の8割は腰痛、肩こりなどのお悩みを持っています。身体に一番合ったワークチェアを選ぶためにまず必要なのが、負担の少ない理想的な姿勢を知ること。

デスク作業では前傾姿勢になってしまうことが多いですが、頭の重さは体重の約10%で、前傾姿勢だとボーリングの球と同じ重さの頭を首と背中の筋肉で支えていることになり、負担が大きく肩こりや首の痛みにつながります。

理想的な座り方はとてもシンプルです。浅く腰掛け背筋をまっすぐ伸ばす。重たい頭が背骨の上に載っている状態で、背骨にS字のカーブが描かれていること、この2つが負担の少ない座り方になります。S字カーブが描かれていると重たい頭を支えるクッションの役割も果たし、無駄な筋力を使わなくて済みます」(井上さん)

しかし正しい姿勢を維持しながら、長時間作業をするのは多くの人にとって難しいのが現実。そのためにイスを使った「道具依存型」の座り方により、身体を預けても負担なく作業できるイスを選ぶ、というのがワーカホリックの考え方だ。

自宅デスクのサイズ、1日で座っている時間、作業状況、座面の希望等を伝え、井上さんが筆者の身長やデスク環境に合うような1脚を選び、さらにヒアリングを続けていく。

井上さんが出してくれたのはオカムラ「バロン」のメッシュのイス。身長に合わせやすい、ヘッドレスト、アーム、座面等いろいろと試しやすい機能を備えていることから、ヒアリングの際によく使われているタイプだという。

正しい姿勢を保つイスを選ぶために、身体のS字カーブとイスのS字カーブがフィットしているか、チェアコンシェルジュが入念にチェック。

「多くの方がイスを選ぶとき、どう動かせるのかといった機能に注目してしまいますが、最初はあまり機能は気にせずに、自分の身体に合っているかを判断する背もたれの感触をチェックしましょう。ワーカホリックでは扱っている製品はすべて、正しく身体を預けられるS字カーブが作れる状態に設計されています。イスが持っているS字カーブと自分の身体のS字カーブがフィットするものを選ぶことによって長い時間作業することができます。

S字カーブを作る機能としてランバーサポートが付いているものもあります。ただし、ランバーサポートが硬い、あたって違和感がある場合は無い方が良いため、有無についてはあまり気にすることはありません」(井上さん)

背中を預けるだけでは本来の機能が発揮できないため、イスにできる限り深く腰掛けて、背もたれにお尻が触れたら身体を預ける。これが身体のS字カーブがイスに合っている座り方だ。

背もたれのフィット具合をチェックしてから、アームレストやヘッドレスト、リクライニングなどの機能面での調整をアドバイスしてくれる。重視するのは、身体の負担が少ない状態を維持するための機能と、理想の座り方を維持してデスクワークができる機能の2点。

まっすぐの姿勢で座り続けると頭が前に倒れたり、腰回りが窮屈な感じになりお尻を前にずらしたくなる。長い時間座るときは、座りやすい角度まで背もたれをリクライニングしてみるのも良い。少し倒した方が、骨盤周りの窮屈さがなくなり、頭が前に倒れにくい状態を作ることができる。

同店で扱っているワークチェアに関しては、イス用クッションはできる限り使わない方が良いとのこと。クッションの厚みで背もたれの高さが変わってしまいS字カーブがずれてしまうためだ。

そのため身体に合う最適な座面の調整を行う。ポイントは膝の角度。90度より少し前に出した状態で座ると、リクライニングしている時はバランスが取りやすくなる。座面の先端から足までの距離は指が1~2本分になるように、座面を移動し足の角度に座面を合わせる。

デスクワーク時に頭や腕へのサポートが欲しい場合はアームレストやヘッドレストを活用。長い時間モニターを見て首回りが疲れてしまう時は、首回りをサポートするヘッドレストがおすすめだが、圧迫を感じるなら無理につける必要はない。

姿勢が崩れてしまうのを防ぐため、アームレストに腕を預けて作業する方法もある。アームレストを肩が圧迫されず、腕がしっかりと載せられる高さに調整。イスによってはアームレストが左右に動き角度も調整できる。

身体にフィットした状態でデスクワークをチェック。腕を楽にアームレストに載せた延長線上にキーボードがあればそのままタイピングができる。デスクの天板の高さとアームレストの高さが水平になるようにイスの高さを上げて調整。

背もたれに身体を預けたまま作業するというイメージは今までなかったが、アドバイスによりその姿勢を保って仕事ができることがわかり、ワークチェアが自分の身体に合っていることの重要さを痛感。

ワークチェア選びで背もたれと並んで重要なのが座面。座面は一番体重がかかる場所なので、素材の違いにとって好みの座り心地は変わる。クッションのメリットは裏側に硬いフレームの支えがあるため安定感が高く、厚みとやわらかさで身体を支えてくれるので違和感のない座り心地。デメリットは熱を逃がしにくい構造なので蒸れやすいこと。蒸れが気になる場合は適度に立ちあがって、イス側にクールダウンの時間を作るとよい。

メッシュのメリットは通気性。蒸れにくさに加え、体重をのせたときに張りの力が働くので、フィット感や吸い込まれるような感触が好きだという人もいる。逆に張りの力が身体に対して強すぎることで圧迫感からしびれを感じることもあり、長い間座れないという人もいる。自分に合う感触か、座面周囲のフレームが足に干渉しないかなどもチェックする。

どちらが良いのか迷う場合もあるが、クッション、メッシュのどちらでも大丈夫という人も多く、先入観なく座ってみて、背もたれ、座面が違和感のないことを確認するのが大切。

フリー試座で憧れの高機能チェアに座りまくり!

正しい座り方やチェックすべき項目を教えていただいた後は、店内にあるイスに好きなだけ座って試せるフリー試座の時間。ハーマン・ミラーやウィルクハーン、エルゴヒューマンといった海外ブランドや、オカムラ、イトーキ、コクヨなどの国産ブランドなど、約40モデル、80脚ほどの高機能チェアを片っ端から試してみた。

しっかりと腰を深く座り背中とお尻の感触をチェック。同じモデルでも背もたれや座面の大きさなど仕様が異なるものもあるので、とにかく座って試してみる。

中には、骨盤周りを動かすことで血流を良くして疲労物質を溜めにくくする、バランスボールのようにゆらゆらと動くコクヨの「イング」や、馬にまたがるようなユニークな形で、足を背もたれの間に入れて座る、横に座るなど、自分が取りたい姿勢に対応できるHAG「カピスコ」など、身体性やワークスタイルによって「正しい姿勢の保持」にはこだわらないタイプのイスもある。

試座をしていると相性がわかってきて、メッシュはお尻が沈んでしまう感触のものが多く、筆者にはクッションの方が合っていると感じた。お気に入りのチェアが決まったら、チェアコンシェルジュと共に相性をチェックしていく。

試座やレクチャーで疲れたときはコーヒーブレイク。「ダブルトールカフェ」がワーカホリック用にブレンド・焙煎したオリジナルコーヒーや、ミネラルウォーター、緑茶などでひと休み。

試座の結果、選んだのはイトーキ「アクトチェア」、エルゴヒューマン「プロオットマン」、オカムラ「コーラル」「バロン」。

台湾のブランド「エルゴヒューマン」の特徴はイスのサポートが独立していること。背もたれが前に押し返してS字カーブを作るので、マッサージされているような感触。しかし、筆者の場合、押しが強くて反っているような感覚があり、高さ、リクライニング、ヘッドレストと井上さんが細かく調整したものの、漠然と違和感があり、長時間座るには無理かもしれないと却下した。

さらに調整しながら確認した結果、最後に残ったのはオカムラの「コーラル」と「バロン」。ヒアリングで気になっていたリクライニングとヘッドレストを特に入念にチェックしてもらった。

女性の場合、イスに身体を預けた状態の作業に慣れず、姿勢を正して反り腰気味になることも多いそうで、背もたれを固定せずにリクライニングを動かしながらの方法を提案していただいた。リクライニングのかたさも調整でき、予想以上に楽に作業できることがわかった。

今まで未体験のため、あまり重要視していなかったヘッドレストも、井上さんからこのようなアドバイスが。

「ヘッドレストを使いながら仕事をするというより、ヘッドレストから頭が離れたときを、正しい姿勢に戻すための目安にすると、より頭の位置が崩れにくくなると思います。ヘッドレストのベストな位置は、後頭部ではなく首のカーブ。合っていない場合はヘッドレストの高さの調整や、背もたれの低いタイプを選ぶとよいでしょう」(井上さん)

「コーラル」はランバーサポートが付いており高さを変えられるが、やはり腰に当たる感覚が苦手だったため却下。背もたれと座面のフィット感やヘッドレストの柔軟性、座面がクッション、メッシュがあり、背もたれの高さも選べるなど、仕様カスタマイズが豊富にできる「バロン」に絞り込んだ。

背もたれはランバーサポート無しのグラデーションメッシュ、座面はクッションに。同じモデルでも背もたれの長さでヘッドレストの位置が変わるため、ヘッドレストがベストな位置に調整できる可動ヘッドレストタイプで、背もたれが低いワーカホリック限定のエクストラローバックに決定。自分に合うベストな1脚が見つかった。

「身体に合うイスとして『楽に座れるイス』や『痛くならないイス』を求めている方は多いです。しかし、楽に座ろうとするといつもの姿勢に戻ってしまうことが多く、全体的に柔らかいイスは長時間座っていると血流が悪くなり、結局辛くなってきます。基本的に痛くならないイスというのは世の中にはない、というのが我々の見解です。

正しい姿勢は筋肉を使うので実は疲れます。正しい姿勢をしっかりと知ったうえで、負担を減らすためにイスにサポートさせるという考え方で選ぶことが大切です。

しかし、どんなに高機能なイスでも長時間同じ姿勢で座っていると血流を圧迫するので、身体に負担がかかるのも事実。立ち上がったり、ストレッチしたり、寝返りを打つのと同じように、30分に1回は姿勢を変えて、身体を固めないことが大切です」(井上さん)

イス選びのアドバイスはもちろん、身体に負担がかからない姿勢や座り方など、ワークチェアの使い方をプロの目で指導してくれるチェアコンシェルジュ。

最初は「10万円以上のお金を出して失敗するくらいなら3300円は安いもの」という気持ちで申し込んだが、ここまで充実した内容のレクチャーに驚き、「3300円ですみません」という気持ちになった。ワークチェア選びに迷っているならば、ぜひ足を運んでほしい。

文/阿部純子

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