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時間には限りがある!全力を尽くして人生を生き抜くことの意義

2022.06.24PR

連載/ボディビル世界チャンピオン山岸秀匡の「筋!言」

筋肉ひとつで世界を渡り歩き、日本人で唯一、ボディビルの世界大会アーノルドクラシック212で王者を獲得した山岸秀匡氏。2020年12月、オリンピア212への出場を区切りとして、プロボディビル競技の第一線から退くことになった。単身米国に渡って、未開の世界を切り開いてきた山岸の信条は、時間を超えた「無限/No Limits」である。

限りある人生とその時間をどう有効に使うべきか、「山岸秀匡の筋言」、連載第4回目は「全力を尽くして生きているか?」という山岸氏の問いかけから始めよう。

時間には限りがある

新刊書「筋トレは人生を変える哲学だ」(KADOKAWA発刊、定価1540円)では、ボディビルという競技はことさら時間と密接な関係があると山岸氏は語る。

“身体を大きくするためのベースづくりにかけられる時間には、限りがあります。

ボディビルディングに本気で取り組もうと思っている若い人に伝えたい。できることなら、機を逃すことなく、ハードに追い込むトレーニングに勤しんでください。

教科書的なマニュアルではなく、自分の身体にとっての正しいフォームで、主動筋にきちんと負荷を乗せた状態で重さが扱えるスキルがあるのならば、どんどん強くしていくべきです。(「筋トレは人生を変える哲学だ」より引用)”

実際、プロボディビル競技の第一線から退いた山岸氏は、関節に痛みが出やすくなっているため、これまで以上にウオームアップを大切にして、強度は落としてトレーニングを続けている。

“全盛期の頃の重さをやろうと思えば、今でもできます。だけれども、人生はこれからも続いていくし、ここからまた新たな道を行くことを思えば過去に固執する必要もないわけです。

でも、ボディビルディングは続けていくし、弟子のためにも成長は止められない。じゃあ、どこでバランスをとっていくのかというと、強度を3分の2程度落とす代わりに、種目数を増やしたりセット数を多くしたり、といった工夫を施して負荷を補っていくわけです。

こういった変化は誰にでも起こること。だからこそ、関節がフレッシュな時期はベーシック種目をハードに、1セットでオールアウトとは言わないけれども、3セットぐらいに凝縮したなかで力を出し切るトレーニングをしていって欲しい。(同引用)”

ローマの賢者セネカの教え「人生と時間は使い方次第」

山岸氏の信条「無限/No Limits」は、ストア派哲学者だったローマの賢者・セネカ(Lucius Annaeus Seneca、紀元前1年頃 – 65年)の教えと共通していた。

哲学者で劇作家の賢者セネカは第5代ローマ皇帝ネロの幼少期の家庭教師だった。ネロの行政に助言を与えていたが、暗殺計画に参加したという無実の罪で服毒死させられてしまう。

ネロのセネカ毒殺について、タキトゥス著「年代記」には「ネロの残忍な性格であれば、弟を殺し、母を殺し、妻を自殺に追い込めば、あとは師を殺害する以外に何も残っていない」と記されている。

セネカが書いた「人生の短さについて」では、山岸氏の「無限/No Limits」の思想がまさに紹介されていた。

「われわれは短い時間を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである。われわれは人生に不足しているのではなく、濫費(らんぴ)しているのである。たとえば莫大な王者のごとき財産でも、悪い持ち主の所有に帰したときには、瞬く間に雲散してしまうが、たとえ並みの財産でも善い管理者に委ねられれば、使い方によって増加する。

それと同じように、われわれの一生も上手に按配(あんばい)する者には、著しく広がるのである。

何ゆえにわれわれは自然に対して文句を言うのか。自然は好意をもって(私たちに時間を)振舞ってくれている。人生は使い方を知れば長い」(セネカ著「人生の短さについて」より)

全力を尽くして人生を生き抜く

今から2000年前、ローマの賢者セネカの教えは、身体ひとつで生きてきた山岸氏がたどり着いた考えと、まさに一致していた。全力を尽くして人生を生き抜くこと。そうすればあらゆる時間や限界を超越できる。山岸氏の信条「無限/No Limits」は、まさにセネカの説く「よりよい人生の生き方」に繋がっていた。

“「今の自分に本当に必要なものは何か」を自らに問いかけたとき、キャリアを代表するタイトルの獲得と答えが見えてきました。

「無限/No Limits」が信条とはいえ、トッププロとして活動できる時間には限りがある。今できることのすべてをやらずに終わりを迎えるのは嫌だと思えたので、勝利を勝ち取るため戦略的に階級を落とすことを決意したのです。

初年度は体重を落とす際に身体が萎んでしまい、オリンピア212では4位に終わりましたが、次第に感覚をつかみ、15年のアーノルドクラシック212では2位、そしてオリンピア212では3位に。それがさらに翌年へとつながって、16年アーノルドクラシック212で優勝を勝ち取りました。

(中略)16年のアーノルドクラシック212優勝がキャリアのピークとなりました。(中略)ボディビルディングへの想いはある。だけれども、厳しい調整に再び取り組む気持ちは湧いてこなかった。これ以上できないし、まさに完全燃焼です。

コンテストへの想いと入れ替わるように、私の中で高まってきたのがジムやボディカフェの経営、YouTube配信、トレーニングウエアのプロデュースといったビジネスへの想いです。(同引用)”

山岸氏がプロデュースするフィットネスブランド「STIMIRON(スティミロン)」にも、No Limitsが刻まれている。https://stimiron.jp/

特に今、力を入れているのが後輩たちへの指導と教育である。指導者として弟子たちがトッププロ競技に挑戦することで、間接的に自らも競技にチャレンジしていることになる。それが「心の底から楽しい」と山岸氏は言う。

YouTube【これがボディビルだ!世界を知る師匠から弟子へ】より

セネカは「人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことも完成できるほどに豊富に与えられている」と説いた。山岸氏も「無限/No Limits」を掲げて、さらなる飛躍を目指している。人生の短かさを嘆いている暇すら、今はなさそうだ。

著者 山岸秀匡(ヤマギシヒデタダ)
1973年6月30日生まれ。北海道帯広市出身。早稲田大学で本格的にボディビルを始め、2002年にプロボディビルダーとなる。2007年からミスター・オリンピアに出場し、2015年には3位入賞。2016年、アーノルド・クラシック212で日本人初優勝を成し遂げた。

書籍紹介
定価: 1,540円(本体1,400円+税)
https://amzn.to/3EHUvOr
https://bit.ly/3vU0PiB

文/柿川鮎子

編集/inox.

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