コロナ禍で人気急上昇！初心者でも育てやすい観葉植物5選

コロナ禍により、自宅で観葉植物を育て始める人が増えている。第一園芸の調査（※）では、全体の約3割がコロナ禍で観葉植物を育て始めたことが分かった。その理由として最も多かったのが「癒しを求めて」。コロナ禍のストレスや在宅時間が増えたことで居住空間を見直す時間が生まれ、観葉植物への興味が高まったとみられる。

そこで今回は、これから観葉植物を部屋で育てたいという人に向け、初心者向けの選び方や育てるときのポイントを紹介する。

初心者でも室内で育てやすい観葉植物5選

今回、初心者向けに観葉植物のノウハウを教えてくれたのが、観葉植物や花のECサイトを展開する「AND PLANTS（アンドプランツ）」だ。パーソナル診断でライフスタイルに合った観葉植物や、環境に配慮したプランターを提案してくれることから、自分にマッチした観葉植物ライフを始めるサポートをしてくれる。

そんな観葉植物、初心者にはどんな種類がおすすめか、AND PLANTS カスタマーサポート 花井氏に5つを教えてもらった。

1.パキラ

「太い幹と大きな葉っぱがナチュラルな雰囲気を持つ観葉植物です。『マネーツリー』や『発財樹』といった呼び名を持ち、運気の上がる気として、開店祝いのギフトツリーとしても人気です。テーブルサイズの小さいものから大きなものまであるのでお好みで選べます。乾燥に強く、水やりを忘れがちな人でも育てやすいのが特徴。葉焼けするため直射日光はNG。室内管理に向いていますが、年間を通して日当たりの良い場所で管理すると元気に育ちます。また害虫被害が少ない植物なのもおすすめポイントです」

2.モンステラ

「深く切り込みの入った大きな葉が印象的な、熱帯アメリカ原産の観葉植物です。室内の半日陰、レースカーテン越しくらいの明るさの場所で育てるのがおすすめです。成長が早く、どんどん大きくなるため、初心者の方でも植物の生命力を感じることができ、楽しく育てられます。ヒメモンステラなど小さい種類も可愛くておすすめです。大きいものは存在感があるので、一点あるだけでお部屋のテイストを変えられます。背が低めのものは、スタンドやテーブルに置くと雰囲気が出ます」

3.フィカス・ベンガレンシス

「おしゃれな観葉植物の代表格とも言えるフィカス（ゴムの木）系。カフェなどでもよく見かける観葉植物です。どんな部屋に置いてもなじみやすいナチュラルな雰囲気で、インテリア性も高く非常におすすめです。室内のレースカーテン越しくらいの日当たりで元気に育てることができます。

ベンガレンシスの他にも、ハート型の葉が可愛いウンベラータや艶やかな葉っぱで人気のフランスゴムの木なども、同じゴムの木の仲間。丈夫で育てやすく、どれも優劣がつけがたい人気の植物といえます。ただし樹液に毒性があり、人間が触れるとかぶれる恐れ、ペットや赤ちゃんが誤飲すると嘔吐などの可能性があるので注意が必要です。カイガラムシなど害虫予防として、日頃から観葉植物の葉っぱに水を与える方法『葉水（はみず）』などでケアをすると良いでしょう」

4.ガジュマル

「沖縄の精霊キジムナーが住む樹と言われています。太い幹と小さな葉っぱが可愛らしい見た目で、定番の観葉植物です。沖縄では防風林や生垣などに使われるほどの丈夫な木なので、植物を育てるのが苦手な人にもおすすめです。

ぷっくりした根が特徴で、人のように見える樹形などもあり、どれも個性的な姿形をしているので、お気に入りの形を見つけるのも楽しいです。

可愛らしさと共にクールな雰囲気も持ち合わせているので、オフィスや仕事部屋のデスクのアクセントにもなります。花言葉は『健康』。母の日や父の日、敬老の日などのギフトとして贈るのもおすすめです」

5.サンセベリア・ゼラニカ

「耐陰性が抜群で、ほとんど日当たりのない部屋でも育てることができるため、どんなお部屋にも合わせやすいです。マイナスイオンを発生させ、空気清浄効果があるといわれている点でも人気の植物。寝室やリビングなどのくつろげる場所におき、こもりがちな心と体を癒してみてはいかがでしょうか。乾燥に強く育てやすいので、『植物を育てる自信がないけど、とにかく何か置きたい！』といった方にはピッタリ。

一見すると地味に見えるかもしれませんが、深い緑色の葉に縞状の班が入っており、上にまっすぐ伸びる姿がスタイリッシュな雰囲気を醸し出してくれます」

観葉植物の室内での育て方の基本

そして観葉植物をマンションの室内で育てるのを想定して、初心者が知っておくべき育て方の基本を教えてもらった。

●必須3要素「水・日光・風」

「植物を育てる上で、水や日光が必須なのはもちろんのこと、忘れがちなのが『風』。空気の循環は植物が元気に育つ上で重要なことなので、換気をして風通しの良い場所で育てるようにしましょう。日当たりが悪く、空気が篭る部屋に放置してしまうと、土が乾かずに根腐れを起こしてしまいがちです。風通しがいい場所に移したり、サーキュレーターなどで風の動きを作るなど工夫できるといいですね」

●水やりのコツ

「水やりは『土が完全に乾いてから、鉢底から溢れるくらいたっぷりと』を基本とし、土の状態を確認しながらあげるようにしてください。土の乾燥具合は環境や植物によって異なります。よくある失敗としては、水やりの曜日を固定してしまうこと。例えば『毎週水曜日に水やりをしよう』と曜日を決めてしまうと、まだ土が濡れているのに水をあげてしまったり、水が足りないのに放置してしまったりする失敗が起こりがち。目安を作るのは大事ですが、あくまで土の状態で判断するのが原則です。

土の渇き具合がわからない場合は、割り箸などを刺して確認するか、水やりのタイミングを教えてくれる水やりチェッカーを利用すると良いです。また受け皿に水を溜めっぱなしにしないことも重要です」

●寒さに注意

「ほとんどの観葉植物は熱帯を原産としているため、寒さに弱いです。適温は15～25度程度のものが多いです。特に冬場は多くの植物が休眠期となります。室温が10度以下にならないように注意し、玄関や窓際においていた植物はリビングなどの暖かい場所に移動しましょう。秋ごろから徐々に水やりの回数を下げて、冬場は乾かし気味に育てることで、ある程度の低温に耐えることができます」

観葉植物を室内で育てるときの注意点

観葉植物を室内で育てるときには、どんなことに気を付ければいいか。ぜひ押さえておこう。

1.家電に注意

「エアコンの風が直接当たらないような場所に置きましょう。ヒーターの真横なども避けるようにしてください」

2.葉水を定期的に行う

「定期的な土ではなく葉に霧吹きやシャワーなどで水をかける葉水を心がけましょう。乾燥や害虫の発生予防になります」

3.植え替えを行う

「鉢底から根が飛び出していたり、土の保水性が悪くなったら植え替えの時期です。だいたい1～2年に一度は、一回り大きな鉢に植え替えましょう」

4.害虫は早期発見が大事

「植物なので、予防をしていても、どうしても虫が発生してしまうことがあります。よくみられるのはカイガラムシやハダニ、コバエなど。害虫は早期発見が大事なので、日頃から葉っぱの裏や付け根などをよく観察し、見つけ次第ティッシュなどでぬぐって駆除してください。シャワーなどで洗い流すのも良いでしょう。たくさん発生した際は、それぞれの虫に適応した殺虫剤（スプレータイプやオルトランなどの土に撒くタイプなど）の利用が効果的です」

インテリアにマッチさせるには「鉢カバー」がおすすめ

観葉植物をマンションに置く際には、ぜひインテリアも意識したい。そこでオシャレな飾り方のアイデアを教えてもらった。

「市販の植物の多くは、白やレンガ色のプラスチックポットや黒いポリエステルポットに植えられており、インテリアとして使いづらいかもしれません。かといって植え替えをするのも、手間がかかって大変。そんな方におすすめなのが『鉢カバー』です。

植えられている鉢にオシャレな模様のついたカバーで覆うだけなので、手軽に見た目を変えられます。底穴が空いていない鉢カバーは受け皿代わりとしても使えます」

（参考）「鉢カバー L Ecopots Amsterdam」各6,850円 （税込）AND PLANTSより

ネットで観葉植物を入手できるサービス

観葉植物は、自分好みのものであると共に、自宅の室内環境で育てやすいものを選びたいものだ。今ではネット上でも手軽に購入できる。3つのECサイトを紹介する。

●「AND PLANTS」

観葉植物と花を取り扱っており、観葉植物は76種類×4色（鉢の色）、ドライフラワーは31種類販売。その他、特殊な樹形などを集めた一点ものもある。植物パーソナル診断では、自分のライフスタイルに合わせた植物を提案してくれる。商品には植物ごとの育て方が記載されたイラスト入りのケアカードが付いてくるので、初心者でも育てやすい。

購入した植物は、経験豊富なスタッフが土の湿り気や日照量のチェック、栄養剤を土に配合し、防虫対策も行った万全な状態で届けてくれる。

●「HitoHana（ひとはな）」

観葉植物からスタンド花、花束などあらゆる植物や花を1万点以上取り扱う。観葉植物は122品種、一点ものは71品種そろう。観葉植物を飾る場所で選ぶこともできる。配送前に実物の写真を確認できるサービスや、他の客が購入した実物写真から、なるべく近い樹形やデザインを指定できるサービスなどもある。

●青山フラワーマーケット

観葉植物は70点ほど、一点ものは40点ほどそろう。空間と植物のプロ集団が厳選した、手のひらサイズの鉢から4mもの特大の植物まで取り扱う。植物のスタイルや用途で選ぶことも可能だ。

観葉植物は、私たちの生活に癒しをもたらしてくれると共に、インテリア性も上げてくれる。育てる楽しさもあるだろう。ぜひ自分や環境に合ったものを見つけよう。

【取材協力／画像提供】
AND PLANTS

【調査出典】
※第一園芸「観葉植物」に関する実態調査

取材・文／石原亜香利